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獣の巫女は祈らない /中村ふみ


獣の巫女は祈らない (講談社X文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2019年7月刊。
かつて神がいた国において、神と交わった名残を残す獣耳の一族。
一族の巫女である少女と、帝によって彼らの島に流された皇族の「姫」。
二人の出会いから始まる和風ファンタジーです。
巫女でありながら神頼みはせず、自分で道を切り開こうとする理知的な武闘派ヒロインがとても素敵でした。
世界観も面白かったし、この二人が今後どうなっていくのかも気になります。
一応綺麗に終わっているけれど、シリーズ化してくれると嬉しいな。

☆あらすじ☆
獣の宮の巫女なぎはある日、島に流されてきた咎人の〈姫〉と出逢う。だがこの美しい〈姫〉は、どうやら性別を偽っているらしく……。

以下、ネタバレありの感想です。

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カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語/丸木文華

カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)
カスミとオボロ 大正百鬼夜行物語 (集英社オレンジ文庫)

評価:★★★☆☆
2016年6月刊。
坂上田村麻呂の血をひく伯爵家令嬢と、甦った悪路王がコンビを組む大正浪漫綺譚。
意外にヘタレ弟っぽい感じの悪路王が可愛く、退屈を持て余すヒロインのほの暗いキャラクターも魅力的でした。
ストーリー的にはまだ色々と謎が多くて、シリーズ開幕の1冊という感じ。
主役コンビがとても好みだったので今後に期待しています!

☆あらすじ☆
時は大正。坂之上伯爵家の令嬢・香澄は、退屈な日常にうんざりしていた。そこへ現れたのは、代々祀ってきた悪路王。香澄は彼に朧という名を与えることで、主従関係を結んでしまった。少年の姿をした朧は、世の中にはびこる鬼を喰らって力を得るという。腹をすかせた朧のために、香澄は街へ出かけてみたのだが…?煌びやかな華族世界を舞台に描く、あやかし事件簿!

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迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国

『迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国』(高里椎奈著/ビーズログ文庫)★★★★☆

迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国 (ビーズログ文庫)
迷子と迷子のアクセサリー店 家なき少年と彷徨う国 (ビーズログ文庫)

思っていた以上に不思議系というか哲学的なお話でした。ビーズログっぽくない、どちらかというとMW文庫とかそっち向けな作品だったように思います(著者は講談社文庫とか角川文庫でよく書いている人だったんですね。)
記憶を失った少年が、不思議な店主が営むアクセサリー店でアルバイトをすることになり、店に訪れる様々な客の事情に触れていく、というお話。連作短編になるのかな。人の価値観や主観がどれだけ曖昧であやふやなものなのか身につまされるエピソードもあったりして、読んだ後にこちらの心が迷子になるような気分になる不思議な感覚を味わいました。
面白い作品でした。価値観が揺らいでしまうような奇妙な気持ちを味わいたい方におすすめです。

☆あらすじ☆
僕は、何人目の“迷子”なんだ?高里椎奈×THORES柴本が織りなす「奇妙な空想譚」開幕!
少年が開いた扉は、何故だかアクセサリー店へと繋がっていた。
来た道を思い出せない少年の前に現れたのは、無神経で無愛想、おまけに生活能力ゼロの店主。
その傍らには、喋る狼が!? 訪れる客も、風変りな者ばかり。店主に店の所在地を訊ねても、飄飄とした的外れな答えしか得られない。
「迷子、おまえがどこから来たのか当ててやろう」……すべてが不合理な中、奇妙なゲームが始まった!

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悪魔交渉人1 ファウスト機関

『悪魔交渉人 1.ファウスト機関』(栗原ちひろ著/富士見L文庫)★★★☆☆

悪魔交渉人 1.ファウスト機関 (富士見L文庫)
悪魔交渉人 1.ファウスト機関 (富士見L文庫)

6月創刊の富士見L文庫。「オトナになった文学少女に捧ぐ」ということで(あなたが好きなのはどのタイプ?「富士見L文庫」創刊!) 、女性向けメディアワークス文庫的レーベルを目指している様子。
その第1弾ラインナップの先頭にあったのが、この「悪魔交渉人」です。他のラインナップはMW文庫ぽいのにこれだけなんか雰囲気違うくない?と逆に気になった作品です。
内容は、悪魔対策機関に所属する主人公が、彼に執着する悪魔と共に悪魔絡みの怪事件の調査をする、というもの。謎とそれに対する解答はあるのですが、ミステリーではないですね。ミステリー風味のゴシックファンタジーといったところ。
主人公と悪魔の関係が、ドライなのかウェットなのかよくわからない何とも言えない関係で、それが逆に魅力的ではありました。
主人公の過去がややこしく絡んでくるので、前半はかなり読み進めづらかったのですが、終盤は割と面白かったです。「1」とナンバリングされているので続き物前提なのでしょうし、序章としてはこんなものかな、といった感じの話だったと思います。

☆あらすじ☆
横浜の外れに佇む寂れた建物、WMUA・NITTOH美術館。
ここに勤める怠惰な学芸員・鷹栖晶には、もうひとつの顔があった。それは、存在証明不可能生命体―通称・悪魔を視認できる唯一の人間であること。そのため晶は、エジプトで事故死した親友・音井遊江の肉体に憑依した謎の悪魔と不本意ながらコンビを組み、他の悪魔と交渉して彼らにまつわる事件を解決する任務を負っていた。ある日、美術館に持ち込まれた謎の壺の調査を続けるうち、晶と遊江は、『F機関』を巡る陰謀に巻き込まれる―。

以下、ネタバレありの感想です。
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