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筺底のエルピス7 継続の繋ぎ手 /オキシタケヒコ


筺底のエルピス7 -継続の繋ぎ手- (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから

評価:★★★★★
2021年2月刊。
この心理戦の妙こそエルピスの醍醐味!!
嵌めて裏をかいて隙をつく。絶体絶命の悪条件からどうやって勝利の方定式を弾き出すのか。
バトルは最高にクールだし、最終章へ向けて進む展開にテンション上がりっぱなし。
もうホント楽しいです。そして猊下可愛すぎ。K殿の不憫可愛さも大幅にアップして笑った。
次巻がとっても待ち遠しい!

☆あらすじ☆
終わりを拒み、未来を繋げ。
殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきた、殺意の媒介者を狩る三つのゲート組織が、突如陥落した。月に鎮座する異星知性体によって、三体の地上端末が一斉に掌握されてしまったのだ。彼らのネットワーク攻撃によって、ローマの祓魔師たちと全世界の不死者が瞬時に制圧されてしまうという危機の中、同様に沈黙した《門部》本部の地下聖域では、阿黍宗佑が第二心臓を埋め込まれ、無敵の刺客として復活しようとしていた。
異星知性体の目的は、悠久の時と歴史を使い捨ててまでして求め続けた宝――白鬼の奪取。
超人と化した阿黍が復活し、朋之浦結の確保に動き出せば、すべてが終わる。白鬼である彼女が星の彼方に連れ去られてしまうことになれば、三つのワームホールゲートも地上から撤去され、残された人類は鬼への対抗手段を失い、滅亡が確定するのだ。
打開のために残されたタイムリミットは、わずか数十分。すべてを託された百刈圭と、彼が率いる狩人たちは、断ち切られた希望の糸を繋ぎ直すべく、伏魔殿と化した《門部》本部の攻略戦に、いかに挑むのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終焉を拒絶する、反撃の第7弾。

以下、ネタバレありの感想です。

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What We Want /オキシタケヒコ


What We Want【Kindle】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年11月刊。
「創元SF短編賞アンソロジー 原色の想像力2」(2012年3月刊)に収録された短編を単独で電子書籍化したもの。

著者いわく、『ガールミーツエイリアンのどつき漫才スペオペ』です。

・・・・・・・・・確かにそうなんだけど、そうなんだけど!

それでこういう話を書いちゃうの!?

序盤から勢いよく飛び出すオリジナル固有名詞の数々に面食らうものの、その言葉が生まれた背景と込められた感情を理解した瞬間の「ああ、そういうこと・・・」とストンと心に落ちる感覚が気持ち良すぎる作品でした。

ところで、オキシタケヒコ先生といえばガガガ文庫にて超傑作SF鬼退治「筺底のエルピス」シリーズを刊行中の、私にとっての神の一柱なんですが。
エルピスはまだかないつかな・・・と一日千秋の思いで待ち続けている信者としては、ここでオキシ成分(!)を摂取できたことが嬉しくてたまりません。
ぜひ「プロメテウスの晩餐」や他の短編も電子化してほしい。

☆あらすじ☆
《汎銀河通商網》とファーストコンタクトを果たした人類は、あっという間にアメリカ合衆国を巻き上げられた。二十年後、ただ一人地球に生還したアメリカ人スミレは、商人として異星人トリプレイティとともに宇宙の荒波に漕ぎ出してゆく……
第2回創元SF短編賞最終候補作を単独電子化。「プロメテウスの晩餐」で第3回創元SF短編賞優秀賞受賞、『筺底のエルピス』で注目を集める著者の真骨頂たる、コメディにして本格スペースオペラ!

以下、ネタバレありの感想です。

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筺底のエルピス6 四百億の昼と夜 /オキシタケヒコ

筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜- (ガガガ文庫 お 5-6)
筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜- (ガガガ文庫 お 5-6)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2019年1月刊。
面白かったー!!!
待望の、待ッッッッッ望のエルピス最新刊。
凄かったです。興奮しすぎて眼球から血が出るかと思いました。こんな凄い作品を読めていいのか。

だって伏線回収がすごすぎる。
歴史の裏側が紐解かれるなかで、「えっ、(歴史上の)その事件に(エルピス独自の)その設定がはまっちゃうの??」と動揺しまくりでした。
その先にあるのはパズルが美しく完成した時のような快感と達成感と、どうしようもない不安感。
こんな歴史ドラマを作り上げるなんて、オキシタケヒコ神の脳内はどうなってるんだ。

ちなみに今回で私の「筺底のエルピス」最推しキャラが決まりました。猊下かわいいよ猊下。どうしてこんな可愛いの猊下。もはや猊下のことしか考えられない。これが愛・・・・・

☆あらすじ☆
ゲート組織の過去に広がる、巨大な真相――。
殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。未来を閉ざすその脅威に立ち向かうためには、衝突や非干渉を続けてきた鬼狩りの派閥――三つのゲート組織を和解させる必要があった。
バチカンの《ゲオルギウス会》との同盟が締結された今、日本の《門部》と敵対するゲート組織は不死者の軍勢《I》のみ。組織の裁定権を握る式務の一員となった百刈圭は、和解交渉の特使として、世界を牛耳る巨大な秘密結社のもとに赴くこととなる。
一方その頃、鬼狩りの訓練生となった若者たちも、各ゲート組織に君臨する異星知性体の目的を独自に考察しようとしていた。海を隔てた二つの場所で、真実に肉薄していく彼らが目の当たりにする、星界の影に覆われた、この世の真の様相とは。
不死者の首魁《プロフェッサー》と対峙し、夜空を見上げ、すべての真相にたどり着いたその先で、若き狩人たちが足を踏み出すことになる標なき道は、果たして、いかなる荒野へと続くのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終わりが始まる、継続の第6弾。

以下、ネタバレありの感想というていの猊下語りです。嘘です(嘘じゃない)

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筺底のエルピス5 迷い子たちの一歩/オキシタケヒコ

筺底のエルピス5 -迷い子たちの一歩- (ガガガ文庫)
筺底のエルピス5 -迷い子たちの一歩- (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★★
2017年8月刊。
待ちに待っていたSF鬼退治シリーズ第5弾!
第四話「標なき道」の開幕編ということで内容的にはまさにプロローグ。
これまで疑問を挟む余地(余裕)がなかった前提を直球でガシガシと揺さぶってくる展開、これぞまさにSFって感じですね!たのしい!!
そして前巻ラストの絶望感に心が死んだ私としては今回の話に泣くしかありません。
本当に今回は人間ドラマが最高すぎて・・・・・・

☆あらすじ☆
癒やせぬ傷を抱え、狩人たちは前を向く。
殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。
だが、その脅威に立ち向かうべき狩人たちは、断絶を経た長い歴史の結果として、不毛な衝突を続けていた。
白い鬼の出現によって口火が切られた組織間抗争こそ無事終結したものの、未来を切り捨てる戦の果てに、多くの者が傷つき、道を見失う。
背負う重責に震える者。慢心の罠に陥る者。無能さを悔やむ者。自身との軋轢に苦しむ者。欲望へと走る者。救いたい者を救えぬ者。そして地獄から流れ着き、独房でひとり、静かな狂気に沈もうとする者。そんな彼らを立ち上がらせるのは、はたして誰による、いかなる選択なのか。
新たなる鬼の脅威。秘密の開示の先に待つ、太古の闇。
時を超える旅によって増殖し、この世にふたり存在することになった乾叶を渦の中心として、歴史の背後に潜んでいた数多の謎も浮上を始める。
残酷な運命に抗うべく、傷だらけの迷い子たちがそれぞれ踏み出す、新たな一歩とは。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。再起と転換の第5弾。

以下、ネタバレありの感想です。

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おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱/オキシタケヒコ

おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 (講談社タイガ)
おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱 (講談社タイガ)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2017年2月刊。
面白かったー!
『筺底のエルピス』のオキシタケヒコさんの新作。ジャンルレスと聞いていたけれど、たしかにちょっと一言で説明しづらい作品でした。
ホラーで、オカルトで、SFで、ボーイ・ミーツ・ガールで、それらが二重にも三重にも絡み合った不思議な物語。
怖がりな「ミミズク」が座敷牢の少女にせっせと怪談を運ぶ日々は、やがて彼を不思議な世界へと導いていくのです。
途中までほんとに怖かったし、世界観が凝っているぶん理解するまでが大変だったものの、最後まで読むと素晴らしい満足感に浸れる作品でした。

☆あらすじ☆
「ひさしや、ミミズク」今日も座敷牢の暗がりでツナは微笑む。山中の屋敷に住まう下半身不随の女の子が、ぼくの秘密の友達だ。彼女と会うには奇妙な条件があった。「怖い話」を聞かせるというその求めに応じるため、ぼくはもう十年、怪談蒐集に励んでいるのだが……。ツナとぼく(ミミズク)、夢と現(うつつ)、彼岸と此岸が恐怖によって繋がるとき、驚天動地のビジョンが“せかい”を変容させる――。

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筺底のエルピス4 廃棄未来/オキシタケヒコ

筺底のエルピス4 -廃棄未来- (ガガガ文庫)
筺底のエルピス4 -廃棄未来- (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

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評価:★★★★★
2016年6月刊。
絶望に次ぐ絶望を描いた3章の後編となる第4巻。
たしか本来は3巻と4巻で1冊の予定じゃありませんでした? 4巻だけで500頁超えってどういうこと??
と、読む前は笑ってしまったのですが、読んでしまうと感謝の気持ちしか湧いてこない。
ここまで濃厚な物語に仕上げてくれて本当にありがとうございます。凄みすら感じる面白さでした。
しかし、最後、これは・・・・・・。

☆あらすじ☆
すべてを取り戻すための、最悪なる希望。殺戮因果連鎖憑依体――古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。それを消滅させられる唯一の手段を失い、世界は今や、確実なる滅亡へと突き進もうとしていた。白鬼の憑依者である少女、朋之浦結を守り続ける《門部》の逃亡者たちが、《ゲオルギウス会》の祓魔師たちを巻き込んでまでして組み立てた起死回生の一手も、あえなく瓦解した。あまりにも邪悪な《エンブリオ》なる存在と、数奇な運命に翻弄される狙撃手の少女が、屍を積み上げながら獲物たちを追い続ける。残された希望は、すでに命を落とした戦略家、間白田俊彦が残した『負けない策』のみ。その真相に辿り着いたとき、白鬼の少女と《門部》の面々――百刈圭、乾叶、貴治崎花、朱鷺川ひかえ、そして百刈燈は、いかなる選択を強いられるのか。世界のすべてを包み込まんと膨れあがる死の連鎖の果てに、はたして誰が『鍵』となり、『過去の改変』という救済を掴み取ることができるのか。人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。失われた過去を取り戻すため、最悪なる希望が奏でる混沌の第4弾。

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筺底のエルピス3 狩人のサーカス

『筺底のエルピス3 ー狩人のサーカスー』(オキシタケヒコ著/小学館ガガガ文庫)★★★★☆

筺底のエルピス3 -狩人のサーカス- (ガガガ文庫)[Kindle版]
筺底のエルピス3 -狩人のサーカス- (ガガガ文庫)[Kindle版]【BOOK☆WALKER】

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2016年3月刊。
今回も面白かったです!
スリルと絶望が凄すぎて読み終わった後に息切れしてしまうような錯覚が。この疲弊感がたまりません。

☆あらすじ☆
起死回生の一手。たとえ全てを失っても。 殺戮因果連鎖憑依体―― 古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。それを滅ぼす一団であった《門部》は、同じ目的を持ちながらもはるかに巨大なゲート組織――《I》なる不死者たちの侵攻によって陥落した。 乾叶と百刈圭をはじめとする数名は、辛くも難を逃れて決死の逃避行を図るが、そんな彼らを狩るべく、かつては同僚であった恐るべき狩人が動き始める。さらにはその裏で、世界そのものが滅亡への歩みを静かに加速し始めてもいた。 強大すぎる敵に対し、《門部》が「負けないため」の作戦――秘されたその真意とは何か。そして、進み始めた世界崩壊の真実とは。 人類の世界にこれまで六度、虐殺と大戦争をもたらしてきたという白い鬼を巡る、《門部》、《ゲオルギウス会》、そして《I》という三つのゲート組織の抗争が、ついに佳境の時を迎える。 人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩、悲劇の第三章。『波の手紙が響くとき』でも好評を博す、オキシタケヒコが手がけるSF異能バトルアクションシリーズ第三弾。

以下、ネタバレありの感想です。

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筺底のエルピス2 夏の終わり

『筺底のエルピス2 ー夏の終わりー』(オキシタケヒコ著/小学館ガガガ文庫)★★★★★

筺底のエルピス 2 -夏の終わり- (ガガガ文庫)
筺底のエルピス 2 -夏の終わり- (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから
筺底のエルピス ー絶滅前線ー | 晴れたら読書を
2015年8月刊。
SF鬼退治シリーズ第2弾。
今回もめちゃくちゃ面白かったです。1巻はその半端ない出来映えに感動していましたが、2巻でこのシリーズは傑作だと確信。
今回のストーリーは控えめに言って、かなりヤバイです。
表紙の楽しげな空気はどこへやら。物語はどんどん予期せぬ方向に進み、最後は衝撃の展開へ。
SF的な雰囲気も加速し、色々とヒートアップしています。本当に素晴らしい!

☆あらすじ☆
新たなる柩使いたち。《門部》最大の危機。殺戮因果連鎖憑依体――古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。人類の世界にこれまで六度、虐殺と大戦争をもたらしてきたという白い鬼。その七体目の憑依者を巡るバチカンとの戦いを経て、ひとりの少女を保護することになった《門部》だったが、流星群が天を薙ぐ真夏の一幕の裏で、世界の運命は大きく狂いだそうとしていた。謎に包まれた第三の鬼狩り組織の襲来。情報統制を敷く《門部》式務。そして、それに抗おうとする離反者たち。様々な思惑が交錯する中、恐るべき柩使いと青鬼の出現によって、平和な夏が切り刻まれていく。第三勢力《THE EYE》とはいかなる組織なのか。式務が隠し通そうとする秘密とは何なのか。そして《白鬼》を守るべく戦う封伐員・百刈圭たち待ち受ける、恐るべき運命とは――。人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩、激動の第二章。

以下、ネタバレありの感想です。

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波の手紙が響くとき

『波の手紙が響くとき』(オキシタケヒコ著/ハヤカワSFシリーズJコレクション)★★★★☆

波の手紙が響くとき (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
波の手紙が響くとき (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

2015年5月刊。
「筺底のエルピス」(ガガガ文庫)で読み応え満点の素晴らしいSFを読ませてくれて以来、かなり注目しているSF作家・オキシタケヒコさん。
待望の2作目は「音」をテーマにした連作短編集でした。
「音にまつわる問題を、ほぐして解いて手を加え、解決するのを仕事とする」武佐音響研究所。
わずか3人の音のスペシャリストで構成されたその小さな会社には、今日も音にまつわる不可思議な事件が持ち込まれるのです。
ミステリな序盤から徐々にSFへと移行して、ラストは盛大にロマンチック。
タイトルの「波の手紙が響くとき」の意味が分かると、その深さと壮大さにうっとりとしてしまいました。

☆あらすじ☆
音声録音だけが手がかりの失踪人探し、深夜に囁かれる幽霊の声の調査…。零細企業の武佐音響研究所には、今日もワケアリの難事件が舞い込む。天使の声帯を持つ所長・佐敷裕一郎、口を開けば罵詈雑言の音響技術者・武藤富士伸、そして2人にこき使われる雑用係・鏑島カリン。彼らの掟破りなサウンド・プロファイリングが、“音”に潜む人々の切ない想いを解き明かす。さらに、彼らと因縁浅からぬトラブルメーカーのミュージシャン・日々木塚響が生み出した不思議な音色の謎は、皆を壮大な生命の秘密へと導いていく―個性的な解析チームが東奔西走するSF音響事件簿!

以下、ネタバレありの感想です。

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筺底のエルピス ー絶滅前線ー

『筺底のエルピス ー絶滅前線ー』(オキシタケヒコ著/小学館ガガガ文庫)★★★★☆

筺底のエルピス (ガガガ文庫)
筺底のエルピス (ガガガ文庫)

とても面白かったです!ものすごく私好み!
異能バトル+伝奇譚+SFってとこでしょうか。それらの要素がうまく噛み合って壮大な物語が組み上げられていました。
「鬼」という異次元のプログラム。これに感染してしまった人間は同族殺しを唆され、強烈な殺意をもって残虐な人殺しと化してしまいます。
主人公は、この鬼を封じ、滅ぼすことを生業にする《門部》の封伐員である青年と少女。ダブル主人公なのかな?男女の相棒ものというだけでもストライクです。
ちなみに表紙で座り込んでる男性は22歳です。一瞬おじさんに見えますけど22歳です。口絵は若かったのに何で!立ってる女の子は16歳女子高生です。
専門用語は多いしSF要素も強いのですが、ストーリーは分かりやすく複雑な設定にもかかわらずとても読みやすかったです。作中における説明のタイミングが絶妙でした。
そしてサブタイトルの「絶滅前線」。これの本当の意味はあまりにも過酷なものだったりするのですが、ちょっと希望が見えたりもするこのバランス感覚が憎い。
ぜひ続きを出して欲しい新作でした。

☆あらすじ☆
人類の存亡をかけた影なる戦い。
殺戮因果連鎖憑依体――古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。日本の暗部である《門部》は、不可視の存在を網膜に投影する改造眼球『天眼』と、時を止める超常の柩『停時フィールド』を武器とし、そのプログラムを追い立て、狩り、そして葬り続けてきた鬼狩りの組織だ。
時は現代。百刈圭(ももかり・けい)と、乾叶(いぬい・かなえ)――心に傷を抱えて戦う二人が遭遇したのは、歴史上、たった六体しか確認されていない《白鬼》だった。叶の親友に憑依したその鬼を巡って組織が揺れる中、黒ずくめの刺客《ゲオルギウス会》が動き始める。それは日本を守護する《門部》と同じように、ヨーロッパで連綿と戦い続けてきたもうひとつの鬼狩りの組織――バチカンの狩人たちだった。
《白鬼》とは何か。二つの組織の衝突はいかなる戦いを引き起こすのか。そして、滅亡を防ぐ希望はあるのか。
人類の存亡をかけて戦う、影なる戦士たちの一大叙事詩が、いま語られる。
気鋭・オキシタケヒコが描く異能バトルアクションシリーズ。イラストは各方面で活躍中のtoi8が担当。

以下、ネタバレありの感想です。

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