「集英社オレンジ文庫」カテゴリーアーカイブ

神招きの庭 /奥乃桜子


神招きの庭 (集英社オレンジ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2020年5月刊。
面白かった!

恐ろしい神々を招き、もてなし、荒ぶることがないよう鎮める神聖な場所。
そこで起こった殺人事件の真実を知ろうと飛び込んだ主人公は、神と対峙する人々が抱える苦悩を知り、そこに潜む陰謀に巻き込まれていくことになるのです。

平安と古代を足して2で割ったような神秘的な世界観が読み応えあり。
駆け引きと信頼の間で揺れる主人公と王弟の関係も良かったし、切ない友情の物語としても楽しめました。

良い和風ファンタジーだったから、これは続きがほしいな!

☆あらすじ☆
兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。実体を持つ神々は豊穣と繁栄を招く半面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす。地方の郡領の娘・綾芽は、親友の死の真相を探るため上京した。そこで偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせた綾芽は、王弟の二藍に斎庭の女官として取り立てられる。だが、それは国の存亡を揺るがす事件の幕開けに過ぎなかった……。

以下、ネタバレありの感想です。

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後宮の烏4 /白川紺子


後宮の烏 4 (集英社オレンジ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年4月刊。
後宮に閉じ込められた神秘の妃を描く中華ファンタジー第4弾。
寿雪の変化が更なる変化を呼び、物語が大きなうねりをみせてきたように感じます。
「烏妃」という存在の問題が浮き彫りになり、彼女の運命がどうなるのか目が離せません。

☆あらすじ☆
今宵も夜明宮には訪いが絶えない。泊鶴宮の蚕室で、大切な繭がなくなったという宮女……。一方、花娘を通じ城内での謎多き失せ物探しも舞い込んで!? 烏妃を頼る者は日に日に増え、守るもののできた寿雪の変化に言いようのない感情を抱く高峻。やがて二人は真実眠る歴史の深部へ。鍵を握るのは名もなき幽鬼か、あるいは――。
圧倒的中華幻想譚、待望の第四弾!!

以下、ネタバレありの感想です。

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鬼恋語リ /永瀬さらさ


鬼恋語リ (集英社オレンジ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2020年2月刊。
鬼と人が争う世界で、和平のために鬼の頭領へ嫁ぐことになった幼い少女。
兄の首を落とした男の妻となった主人公は、兄の死を巡る陰謀を探っていくことになります。

なかなかにサスペンス要素の強い和風ファンタジーでした。
全体的にダークな雰囲気なのだけど、主人公の夫である鬼の天然具合が可愛くてシリアス中にもふふっと笑えることが多々ありました。
キャラがとにかく魅力的な作品だと思います。
おにロリならぬ鬼ロリ・・・とかくだらぬことも考えてしまった。

心に棘を残すような終わり方も良かったと思います。
ただ、もう少し掘り下げてほしかった部分や、世界観・設定が掴みにくいところがあったので、続刊があればそのへんにフォローがあれば嬉しいかも。
期待します。

☆あらすじ☆
泥沼化した鬼と人間の争いに終止符を打つため、戦の最前線を担った椿ノ郷の郷長の妹・冬霞は、兄を討った鬼の頭領・緋天へ嫁ぐことに。兄は以前、「自分の首を取る者がいたら、それは親友だ」と語っていた。その死になにか秘密があると感じた冬霞は、自分がしあわせになるためにも真相を探るべく奔走する。少しずつ真相へ近づく中、冬霞は緋天の心にふれ――?

以下、ネタバレありの感想です。

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モノノケ踊りて、絵師が狩る。―月下鴨川奇譚― /水守糸子


モノノケ踊りて、絵師が狩る。 ―月下鴨川奇譚― (集英社オレンジ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★★
2020年2月刊。
これはやばい。やばい小説が出てきたぞ・・・!

怪奇現象を引き起こす妖怪画を探しだし、その憑き物落としを行う男女を描いた現代ファンタジー。
妖怪退治系のお話としても面白いのですが、本作で何よりも推したいのは「主人公二人の関係性」です。

過保護な兄と世話のやける妹のような「幼なじみ」の二人。
一見すると優しくて穏やかな雰囲気なのに、その奥底には荒れ狂うような執着と情念が秘められているのです。

誰よりも近くて、もどかしいほど遠い。そして遠いからこそ執着する。
届きそうで届かないものにこそ、人は必死に手を伸ばすのかもしれません。なりふり構わず、本音を隠して。

二人の関係に隠された業の深さを知れば、その運命的なしがらみに、読者はときめきが止まらなくなることでしょう。
はぁ、もう、どうしましょうか。私の胸の動悸がやばい。

あまりにも性癖に刺さる作品でした。
求める女と、つれない男。焦がれる男と、気づかぬ女。
そういうのお好きな人、ぜひ読みましょう。

☆あらすじ☆
江戸末期の絵師・月舟が描いた妖怪画には、本物が封じ込められているという。そして現代。月舟の子孫・詩子は、美大に通う学生だが、もうひとつの顔があった。散逸した月舟の妖怪画を探し、憑きものを落とす家業を継いでいたのだ。幼馴染みの青年・七森が持ち込んだ情報によると、月舟の絵を所有する画廊のオーナーが足を火で炙られるような痛みを訴えているらしく?
【目次】一 猫又/二 ろくろ首/三 面霊気/四 鬼女/結 無題

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後宮の烏3 /白川紺子


後宮の烏 3 (集英社オレンジ文庫)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2019年8月刊。
後宮に住みながら皇帝に従わない謎の存在「烏妃」。
烏妃となった少女の運命と、烏妃に隠された謎に迫る中華ファンタジー第3弾。
今回も面白かったのだけど、何やら大きな事件に繋がる前触れのような内容。
今後の展開が楽しみです。

☆あらすじ☆
「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。
先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は真に虚しさから逃れることが出来ずにいた。
烏妃の元には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏漣娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて……?
他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決めた。
それぞれの過去が少しずつ明らかになり、真実はなおも遠い――。それでも確かに進んでいく、たとえ禁忌に触れることになろうとも……。
真の‟救い”は光であり、葛藤……。
数多の謎が繋がり、導く……歴史が再び動き出す――
シリーズ累計30万部突破!!圧倒的中華幻想譚、第三弾。

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宝石商リチャード氏の謎鑑定9 邂逅の珊瑚 /辻村七子


宝石商リチャード氏の謎鑑定 邂逅の珊瑚 (集英社オレンジ文庫)

評価:★★★★☆
2019年8月刊。
アニメ化決定おめでとうございます!超びっくりした!!
あわせてコミカライズもスタートするらしく、シリーズは今まさに絶好調ですね。
どんどん売れてほしい。そしてぜひ「螺旋時空のラビリンス」を劇場アニメ化してください。

さて、肝心の本編は、なんというか、嵐の前の準備回という感じ。
新章に入ってから、本当に丁寧に「愛」について掘り下げていきますね。
誰かに対する途方もなく巨大な感情を、どんな言葉で形にすればいいのか。
こんな関係なんですよ、と説明することの難しさにめまいがします。
色々と動き出した第9巻。いよいよ次は2桁に突入ですね。楽しみです。

☆あらすじ☆
この世界にはさまざまな愛が溢れている。
滞在していたスリランカの戒厳令発令をうけ、日本に一時帰国していた正義だったが、帰国前にある人物から連絡を受けていた。その人物の要望もあり、正義は日本滞在もそこそこに、ヴィンセントに会うため香港へと飛んだ。かつてリチャードを裏切っていたはずなのに、なぜか正義を助けてくれるヴィンセントの真意とは?そしてリチャードと再会した正義は・・・・・・?

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アリア嬢の誰も知らない結婚 /我鳥彩子


アリア嬢の誰も知らない結婚 (集英社オレンジ文庫)

評価:★★★☆☆
2019年7月刊。
オレンジ文庫の皮を被っているけれど、中身は完全に少女小説ですよね?って感じの溺愛ダダ甘魔法学園ファンタジー。
秘密の花嫁となったぼんこつ令嬢が、やたら可愛がってくる先生兼夫の猛攻に振り回されつつ、学園で起こる様々なトラブルに奔走していく物語です。
魔法や精霊がラブコメを可愛く彩っているのが良かった。
我鳥節全開で読み口軽めなので、サクッと楽める作品だと思います。

☆あらすじ☆
王立学士院魔法学科8年生で落ちこぼれのアリアと、エリート研究者兼教師で王族のラルシェのふたりには秘密があった。実はとある事情から夫婦になってしまっているのだ。正式に結婚する条件は、アリアがしっかりと魔法を使えるようになり、学士院を卒業すること。しかしトラブル体質のアリアには今日も様々な試練が……?
秘密のマリッジ・マジカル・コメディ!

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ナイトメアはもう見ない 夢視捜査官と顔のない男 /水守糸子

ナイトメアはもう見ない 夢視捜査官と顔のない男: 夢視捜査官と顔のない男 (集英社オレンジ文庫)
ナイトメアはもう見ない 夢視捜査官と顔のない男: 夢視捜査官と顔のない男 (集英社オレンジ文庫)【Amazon】

評価:★★★☆☆
2019年1月刊。
2018年ノベル大賞佳作受賞作。
モノや人から記憶を読み取り、それを夢に見ることで犯罪捜査を行う夢視捜査官。
夢視捜査官である友人の失踪から始まる事件は、思わぬ再会と予期せぬ真相へと繋がっていくのです。
夢視というファンタジー要素が面白いサスペンス。
悲壮なストーリーの中で、懸命に前を向こうとする気丈なヒロインが素敵でした。

☆あらすじ☆
夢で他人の記憶を見る異能を持つ“夢視者”の笹川硝子は、特殊捜査官として京都府警に勤めていた。
遺体に触れるとその者の死の瞬間を追体験できる能力を活かし、事件を解決に導いている。
そんな中、同じ特殊捜査官で先輩でもあった川上未和が、硝子に「ナイトメアはもう見ない」という謎のメッセージを残して行方不明になってしまう。
さらに未和の汚職疑惑が発覚し…?
2018年ノベル大賞佳作受賞!

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今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います /夕鷺かのう

今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います (集英社オレンジ文庫)
今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います (集英社オレンジ文庫)

評価:★★★☆☆
2019年1月刊。
少女小説で活躍する夕鷺かのうさんのオレンジ文庫デビュー作。
夕鷺かのうさんと言えば、物騒なタイトルやシチュエーションで目をひきつつ、賑やかなコメディに仕上げる作風が持ち味だと個人的には思っていて、本作のタイトルも「そうは言っても楽しい感じになるんでしょ〜!」と期待しつつ読んだんです。・・・・・・読んでしまったんです。

いやぁ、まさか、ブラックな職場を舞台にした鬱グロ系ホラーの連作短編集だったとは。タイトル、マジでそういう話だった。

帯にデカデカと「あー!スッキリした♡」と書いてありますが、個人的にはあまりスッキリできず、読後も胸にモヤモヤが残っています。
グロ描写に力が入っているし、気持ちが引きずられるような鬱描写は流石。
客観的にみれば割と面白い作品だとは思うものの、ちょっと私向きではなかったようです。

☆あらすじ☆
些細なことから上司・岸本の執拗な嫌がらせを受けるようになった玲美。疲弊しきった玲美は、彼を殺したいと夢想するようになる。こいつの頭をぐしゃりと潰してやれたら―。業績を掠め取る係長、若い女子を目の敵にするお局、会社に寄生する豚野郎。こんな最低なヤツらが迎える結末とは!?会社で頑張るすべての人々に捧げる、ちょっとブラックなお仕事小説!

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後宮の烏2 /白川紺子


後宮の烏 2 (集英社オレンジ文庫)

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評価:★★★★☆
2018年12月刊。
後宮に住みながら帝に従わない神秘の存在・烏妃。
第1巻では孤独に幽鬼だけを見て生きてきた烏妃の変化と転換が描かれていました。続く第2巻ではその変化がもたらす運命が動き始めたようです。
単巻読み切り作品としても楽しめた1巻とは違い、2巻は長編シリーズに大きく舵を切った雰囲気。
風呂敷の広げ方、伏線の置き方、気になる新キャラの登場など、今後繰り広げられるであろう物語のスケールに期待が膨らむ内容でした。
ただでさえ中華系ダークファンタジーって好きなのに、神話に絡め取られた烏妃の運命の行方にハラハラドキドキが止まりません。
続きもとても楽しみです!

☆あらすじ☆
後宮で生きながら帝のお渡りがなく、また、けして帝にひざまずくことのない特別な妃・烏妃。
当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。
ある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらす、が--。
烏妃をしばる烏漣娘娘とは何か?
烏漣娘娘がおそれる「梟」とは一体誰なのか?

以下、ネタバレありの感想です。

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