やがてはるか空をつなぐ (ファミ通文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
評価:★★★★☆
2019年1月刊。
幼い頃に別れた少女との思い出に未練を残し、彼女への複雑な想いをロケットに託して飛ばしていた少年。
彼を中心にして繋がっていく5人の少年少女を描く青春群像劇です。
心に爪痕を残す苦い思い出や、ままならない自分自身への葛藤。
「自分らしさ」とは何かと苛立ちながら、それでも祈り、繋がりを求める少年たち。
今は遠くに感じるあの人に届きますように。どうか自分を見つけてくれますように。
彼らがロケットに託した願いは、果たしてどこへ辿り着くのか。
荒削りに感じる部分もあるのだけど、それでも良い作品だと思いました。私は好き。
登場人物達の苦しい胸の内に切なくなりつつ、爽やかなラストに気持ち良く読み終えることができました。
☆あらすじ☆
部室ではバルーン実験の準備が進んでいた。メンバーはロケットオタクの青桐七海、プログラマー山花俊、天真爛漫な後輩、町田佐奈の三人だ。実験の当日、彼らは近くの高校に通う赤森遙と出会う。活動に興味があるという遙は物理部へ入部を希望するのだった。彼女にはどうしても校庭でモデルロケットを打ち上げたい理由があるのだという。しかし過去に青桐が起こしたある事件をきっかけに実験は禁止されていて――。ロケットが紡ぐボーイミーツガールが幕を開ける!
以下、ネタバレありの感想です。