お狐様の異類婚姻譚6 元旦那様は元嫁様を盗むところです /糸森環



お狐様の異類婚姻譚: 6 元旦那様は元嫁様を盗むところです(一迅社文庫アイリス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

シリーズ第1巻の感想はこちらから

評価:★★★★★
2022年4月刊。
た、楽しすぎる…!
執着するくせに恋してくれない非情なお狐様に翻弄されつづけてきた雪緒。
それでも手放さなかった恋心が、手放せなかったゆえに、どんなものに変貌したのか。
雪緒の変化にゾワゾワと心が波立ちました。これもまた恋の一面。濁りきったら透明になるのか?
ここからの展開が楽しみすぎます。とても良かったです。

☆あらすじ☆
「どうして、俺はいまも満たされぬままでいる?」
幼い日に神隠しにあい、もののけたちの世界で薬屋を営む雪緒の元夫は八尾の狐・白月。何かと復縁求めてくる彼の目的が別にあることに気付いた雪緒は、恋の成就はあきらめ白月に尽くすことを決心する。思い通りになったはずなのに、別里の長となり彼と距離を置こうとした雪緒に、白月は憤り詰め寄ってきて……!? 恋とは無縁のはずの大妖が恋狂い、元嫁を追い詰める?
お狐様との異類婚姻ラブ第6弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

白月を守るために、綾槿ヶ里の長に祭り上げられることになった雪緒。
そこは鬼穴から鬼が生じ、また、祭事を汚したことで悪霊まで出没していた(どうしようもない里すぎる…)
事態を収拾しようとする雪緒だったが、一方で白月は怒り狂っていてーー というストーリー。

 

恋とは無縁で、雪緒の恋心を利用し続けてきた白月。

Q .そんな白月が恋に落ちたらどうなるのか?

 

A. 祟る。

 

これだから怪は!!!!!!

 

片想いから両片想いに進展したらもう少し甘酸っぱい雰囲気が芽生えてもよくない!?
お互いに恋をしてるのに、なんで片方は相手を祟って、片方は恋心を信仰心に上塗りしてるの!?訳わかんない!楽しすぎか!!

 

好きな子を祟って悪夢をプレゼントする白月様は最高でした。
人外らしく残酷に恋狂いをしているくせに、望んだ結末を得てから何かを間違えたと不安になる白月様が最高……目の前で無惨に雪緒を失った瞬間の白月様の反応はもっと最高……

 

恋狂いの白月様以上に狂ってしまった雪緒の現状も良かった。
恋をして、恋が割れて、それでも手放せず、諦めて、この恋を命と共に捧げると決めて。

「とても苦しくて、私はあきらめてしまった。恋を手放すことを、あきらめました。白月様を好きだと思うことが、幼い頃の私を生かしたんです。私は、その頃の私を否定することができません。過去を捨てられないんです。」

雪緒の恋心の在り方がとても好きです。今さら切り離せば崩れてしまうほど、彼女の人格に深く根付いた呪いのような恋心。
成就できないなら殉じるしかないという、濁りきって歪みきって、逆に透明感を強めているようにも見える。
すごく病んでいて良いです。病んでるくせに「手放すくらいなら死んでやる。強欲なんです、私」と言い切る雪緒のリベンジャー精神が大好きです。
恋しくて恋しくて恨めしいんだよな。呪いのような恋心を呪いとして男にぶつけようとする女の情念が素晴らしいです。

 

これだけドロドロとした愛憎を描いているのに、コミカルを失わないところがまた良い。
「拗ねた!」とか最高だったな…。「なあ、雪緒の直し方を知らないか、獅子野郎様」もめっちゃ好き。

 

雪緒と白月の会話、ほのぼのとホラーの乱高下が激しくて、読んでる側としても感情が落ち着きません。糸森環節が今回も絶好調です。愛してる。
あと今回は宵丸も良かったですね。ほんと良かったですね。
白月よりも、三雲よりも、さらにマズイ相手にマズイ対応した感が半端なくて良かったですね。
どうするのこれ?宵丸、振られると同時に勝利したのでは…?新たな呪いが生まれてるんだけど、楽しいですね???

 

ま、まぁ、来世はさておき、大事なのは今世の恋です。
ようやく初恋の衝撃で祟っていたお狐様が、別方向からの衝撃で立ち直ってマシになったので(うきうき血染めのショック療法だ)、ここから二人の関係がどうなるのか楽しみです。

どうせ素直にハッピーエンドとはいかないんでしょうけど!

 

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