寡黙な王太子の最愛政略婚 春を呼ぶ王女と呪われた雪の王国 /青柳朔



寡黙な王太子の最愛政略婚~春を呼ぶ王女と呪われた雪の王国~ (夢中文庫セレナイト)【Amazon】 【BOOK⭐︎WALKER】

評価:★★★★☆
2022年2月刊。
良かった〜!
儚げな薄幸美女と、彼女に一目惚れした王太子と、魔女と呪いの物語。
雪に覆われた国を舞台とするに相応しい、静かで落ち着いた雰囲気。そこにじんわりと広がっていく温かみが心地よいラブロマンスでした。
優しい人たちが優しいまま求め合う話って素敵だよね。
短めのお話だけどしっかり楽しめました。面白かったです。

☆あらすじ☆
常春の国ストランドから、魔女に呪われ雪に閉ざされた冬の国ラヴィネンへ嫁ぐことになった王女シルヴィア。この婚姻は呪われた冬の国に春を呼ぶため、五十年に一度必ず交わされるものだった。夫となった王太子アルベルトがシルヴィアに向けるのは、まるで興味がないような素っ気ない態度。春の国ストランドの王族でありながら、氷のように冷たい銀髪と水底のような青い瞳というシルヴィアの姿にアルベルトもがっかりしたのだろうと落ち込むが──……彼は無愛想に見えただけで実はシルヴィアに一目惚れしていた。しかし二人は互いに嫌われていると思い込んでしまう。さらに、シルヴィアが嫁ぐことで訪れるはずの春は一向に来る気配がなくて……?

以下、ネタバレありの感想です。

 

冬枯れの魔女に呪われた国・ラヴィネン。
魔女がおとぎ話の存在になってからも、ラヴィネンは春を呼ぶために常春の国ストランドの王女との婚姻関係を続けていた。
そんなラヴィネンに嫁ぐことになったストランドの王女シルヴィア。
家族から愛されない孤独を抱えたシルヴィアだったが、政略結婚の相手である王太子アルベルトやラヴィネンの人々の優しさに触れるうちに、少しずつ心に変化を起こしていくーー というお話。

 

傷つくことに疲れ果てた薄幸美女の再生物語って大好きです。幸せになって!!と泣きながら願いたくなるキャラ造形なら尚更です。
その点、シルヴィアはすごく良かった。
特に終盤で、自分が春を呼べないかもしれないという問題にぶち当たってから見せてくれた心の強さが良かった。
愛されないことに慣れて、流されるままにラヴィネンにやってきた王女。
そんなシルヴィアが、自分の意思で自分の居場所を掴み取ろうとするんですよ。自分の愛を貫くために。
静謐な佇まいをしていたシルヴィアが、吹雪に負けず、凍てつく世界の中をしっかりと立ち、声を張り上げて愛を叫んだシーンがほんと好きです。彼女の変化がストレートに心に響きました。芽生えた愛が春を呼ぶのが素敵すぎる。彼女こそ冬の世界に春を呼ぶ王女…!

 

そのお相手であるアルベルトも良かった。
静かに一目惚れして静かに恋してるの、タイトルの「寡黙な王太子」に偽りがなさすぎる。冬の国の無骨な王子様って感じでイメージぴったりです。
でも温かみがあるキャラなのがいいですよね。寒い冬のこたつみたいな。例えが庶民すぎるか?暖炉にしよう。暖炉みたいな温かい男。語彙が貧困か?
とにかく、シルヴィアの傷ついた心をフワッと包み込んで癒していく姿が素敵でした。ちょっとした吹雪じゃ揺らぎそうにない屈強さも良い。ガタイの良い男と儚げ美女の組み合わせが好きすぎる。。。

 

ところで本作って「おとぎ話が終わる時」を描いたものですよね?私こういうのも好きなんだよなぁ。冬枯れの魔女の物語は悲しいものだったけれど……
この世界観で、魔女の愛に囚われた話も読んでみたいなぁと思いました。

スポンサーリンク
 
2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。