呪われた黒猫姫は一途すぎる騎士に愛される /香月航



呪われた黒猫姫は一途すぎる騎士に愛される (夢中文庫セレナイト)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★
2019年11月刊。
面白かった!
呪い持ちの姫と護衛騎士が旅をしながら悪魔を狩る、主従ラブファンタジー。
タイトル通りの話なのだけど、「騎士の愛」の意味(というか印象?)がクルクル変化するところが面白かったです。この一途さは業が深い。

☆あらすじ☆
「俺はずっとお傍にいますから。この命尽きるまで、ずっと」
かつて悪魔に呪われたことで、国を追われた王女ベアトリス。彼女は唯一の護衛である騎士ウィルフレッドと二人で、仇である悪魔を退治しながら償いのため旅をしていた。〝悪魔狩り〟として名を馳せる二人は、この日も依頼を受けてとある町にやってきたのだが、この町では女性ばかりが暴力沙汰を起こす奇妙な事件が起こっていて……?
夜になると呪いで姿を変えられてしまう王女と、彼女をひたすら守り続ける一途な騎士、二人きり贖罪の旅の行方は……?

以下、ネタバレありの感想です。

 

悪魔に呪われたことで、夜は子猫の姿に変わってしまう王女ベアトリス
かつて自分がきっかけで多くの悪魔を呼び込んでしまったことに責任を感じるベアトリスは、全ての悪魔を狩るために護衛騎士ウィルフレッドと二人きりの旅を続けているーー というお話。

 

悪魔狩りファンタジー×主従ロマンスです。
人の欲望や願いを叶える悪魔が引き起こす騒動を調査し、原因となる悪魔を退治するベアトリスとウィルフレッド。
人に虐げられ悪魔に願ってしまった女性たちの物語にやりきれなさを感じつつ、その一方で、徐々に明らかになる主従の「本当の関係性」が面白くてぐいぐいと楽しく読めました。

 

ウィルフレッド、お猫様のしもべだと判明した時も「愛って猫愛か!」と笑ってしまったし(そんな訳ないのもわかってる)、護衛騎士にしては姫との距離感が不埒すぎて笑うし(猫を吸ってるだけかと思ったらそんなことなかった)、その正体が判明した時も業の深い愛情に思わず笑ってしまいました。
そりゃあ「愛してしまって、ごめんなさい」って謝りますよね。
彼の想いだけは一途だし、ベアトリスを傷つける気は毛頭なかったんだろうけど、結果的にベアトリスの人生を歪めてしまったわけだ。
ベアトリスが旅に出てからどれだけの時間が経ったのか分かったときにゾッとしたんですよね。
彼女はそれに気づいていないの?ウィルフレッドの正体のことといい、色々と認知を歪められているような感じがしてゾワゾワするんですが??

 

でもベアトリスとウィルフレッドの両片思いな恋路はとても素敵でした。
悲痛な使命感を抱えるベアトリスの旅はウィルフレッドの献身があるから成り立っていて、それも含めてどこまでも業が深い。
もはやベアトリスに残されたのはウィルフレッドだけで、それはウィルフレッドの最初の願い通りの結果じゃないですか。
なんだろうなぁ。報われてよかったねという気持ちもあるし幸せな結末だと思うんだけど、どこか背徳感があるような気もしたり……

 

きっと全ての事実を知ってもベアトリスは今さらウィルフレッドを拒否したりしないだろうし、共に悪魔を狩ることもやめないのでしょう。
「愛してしまって、ごめんなさい」のセリフをしみじみ心に浮かべてしまうくらい、愛されてしまった時点で運命となるしかない恋だと思いました。
とても悪魔的で良いですね。面白かったです。

 

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