嘘と詐欺と異能学園 /野宮有



嘘と詐欺と異能学園 (電撃文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★
2021年7月刊。
面白かった!
選りすぐりの異能者たちが容赦なく振るい落とされていく異能学園に、何ら能力を持たずに乗り込んだ一人の詐欺師。
学生を、学園を、そして世界をペテンにかけようとする彼の壮大な挑戦にゾクゾクしました。
異能バトルの形式ではあるけれど、やっていることは騙し合い。
敵も味方も油断ならない奴らばかりで、彼らが繰り広げる情報戦と心理戦が楽しくて仕方ありません。
共犯者となるヒロインとの関係も良かった。続きがとても楽しみです!

☆あらすじ☆
国中から集まったエリート異能力者が日々熾烈な競争を繰り広げるハイベルク国立特異能力者養成学校。
 無能力者なのにもかかわらず入学試験を突破した天才詐欺師のジンは、〈災禍の女王〉と恐れられる少女・ニーナと出会う。実は彼女も、天才的な演技で周囲を騙し続けてきた無能力者だった。
 お互いの秘密を共有した二人は、学園の頂点を目指すため共犯関係を結び、エリート異能力者たちを策略にハメていく――。
「俺とあんたが組めば、世界すら騙し通せる」
 最強の嘘吐きたちがあなたを魅了する、究極の“騙し合い”エンターテインメント。

以下、ネタバレありの感想です。

 

異能者のエリートだけで組織された特務機関〈白の騎士団〉。
そこへ入る唯一のルートである国立特異能力者養成学校に、二人の無能力者が入学した事から物語は始まります。

天才詐欺師であり、ある目的のために学園のトップを目指すジン・キリハラ
異能者のエリート一族に生まれ、異能者のふりをして生きてきたニーナ・スティングレイ

互いの正体を知って手を組んだ二人が、学園の異能者を相手に壮大なペテンを仕掛けていくーー というのが本作のストーリー。

 

この作品で、めちゃ面白いなと思ったのは「異能バトルを始める前の情報戦・心理戦によって勝敗が決している」というところ。
異能者の学園で異能者のふりをしながら異能者に勝利する、というハードルの高さを、ジンは本当にペテンのみでクリアするんですよ。その勝利に必要なのが事前の情報収集と下準備。
そんなに前から!?そんなところまで細工を!?という驚きに何度鳥肌が立ったことか。
事前に勝敗が決するといっても、相手は強力な異能者なのでバトルの緊迫感がキープされているのも良い。準備を無駄にせずにペテンを成功させるのはジンの度胸あってこそ。そのギリギリ感も楽しかったです。

 

ジンの共犯者となるニーナの活躍と、彼女の魅力も良かった。
途中の展開で「ニーナ、嘘でしょ!?」とハラハラしたのは私だけじゃないと信じたい。完全に騙されました。
演技が得意なだけでここまで流されてきた不憫な子だと思ってたのに。
天才詐欺師に対して「演技が上手い」だけではコンビとして釣り合いが取れないのでは?と思ってたけれど、演技が上手いという設定を甘く見ていました。反省。
そして彼女もまた天性の勝負師ですよね。ギリギリのスリルに高揚する人種。お似合いの二人だなぁ!

 

また、本作で面白いのは敵の心理戦も相当なものだというところ。
強力な異能持ちであっても、ほとんど油断せずに情報戦を仕掛けてくるのが良い。ただの詐欺のカモではないのです。
真正面から異能戦を受けることはできない上に、心理戦で読み負けてもいけないというハードモード。
強敵の用心深さはジンたちの挑戦の無謀さを象徴しているかのようで、彼らの今後の苦難を想像してワクワクが止まらなくなります。

 

最初から「なんか怪しすぎない??」と思っていたキャラがラストで動き出したことだし、この続きに何が起こるのか楽しみで仕方ありません。
続きが待ち遠しいです!

 

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