茉莉花官吏伝10 中原の鹿を逐わず /石田リンネ



茉莉花官吏伝 十 中原の鹿を逐わず (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

1巻の感想はこちらから

評価:★★★★
2021年5月刊。
白楼国から仕掛ける侵略戦争が始まるのか否か。
岐路に立たされた茉莉花が、また一つ変化を迎える第10巻でした。安定して面白い!

☆あらすじ☆
珀陽の次なる課題は――北国をひっかきまわすこと!? 立身出世物語第十弾
茉莉花の度重なる活躍で、本人の意思に反し白楼国には侵略戦争への機運が高まっていた。
そんななか、大逆罪で囚われていた珀陽の叔父・仁耀が脱獄。
茉莉花の師、子星にまで手引きの容疑がかかる。
かつて仁耀と共謀し、珀陽の命を狙っていた黒槐国が関わっている可能性を考えた珀陽は、茉莉花へ黒槐国に行き仁耀がいるか確かめてほしいと命を出し!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

主人公が属する国から戦争を仕掛けるか否かの話になる展開、私的には割と珍しい流れで面白かったです(攻め込まれるから防衛するぞ!ならよく見るけれど)

豊かな強国だけに、戦争を仕掛けても勝てる。
でも戦争をすることへの倫理的な忌避感はつきまとう。

今まで珀陽に言われるがまま手柄を積み重ねてきた茉莉花が、その功績によって開戦論を巻き起こしてしまう。
それに対して茉莉花は何を思うのか、戦争をしたくないならば何をもって開戦論を封じるのか、という切り口が楽しかったです。

茉莉花の立場がどんどん重みを増していくのを感じます。
流されるまま言われるまま動くのではなく、彼女自身が国を動かす重臣の一人としての自覚を問われている。脳内で箱庭を作る遊びはここに繋がっているんだろうなぁ。
茉莉花はすでにただの公務員ではなく統治者側の存在なんですよね。格好いい。

 

さて、そんな茉莉花の今回の任務は脱獄した仁耀の行方を追うこと。
これが国宝盗難事件から始まる黒槐国のトラブルにつながっていくストーリーがとても面白かったです。
なかでも一番楽しかったのは仁耀から「誘拐犯とは何ぞや」の指導を受けるシーン。あっという間に仁耀から知識や経験を吸収していく茉莉花の化け物っぷりに震えます。でもいったい何度「気持ち悪い」って思われてたんだろう。言われすぎじゃない?全面同意ですけどね??
茉莉花は可憐な美少女の皮を被ったバケモノちゃんなので、一般人から気味悪がられても仕方ないのです。だんだんそれが平常運転化してきましたね〜

 

茉莉花のバケモノちゃんな中身を知っても親友ムーブを崩さない大虎や翔景は本当に良いキャラしてる。
この親友トリオの空気感大好きです。
そんな関係にある大虎のことを良い人だなぁと思った後に「このタイプの攻略法はこれ」と即行動に移す茉莉花は流石でした。そういうところだよ!
珀陽をして「茉莉花は人の心の嫌な部分を利用させると誰よりも上手い」と言わせるだけあります。
この人心掌握術をさらに磨いてほしいような、これ以上になると怖すぎるような、ドキドキする気持ちでいっぱいです。

 

どれだけドキドキしても、茉莉花の成長がここで止まるわけがなく。
今度の課題は「絶対に失敗する大きな仕事を成功させること」ですか。めちゃめちゃ楽しそうですね!

 

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「茉莉花官吏伝10 中原の鹿を逐わず /石田リンネ」への1件のフィードバック

  1. ことりさん、拍手コメントありがとうございます。
    ブログ管理人のみかこです。
    茉莉花の規格外っぷりと可愛げを残したキャラクターは「バケモノちゃん」って言いたくなりますよね!共感ありがとうございます!
    しばらく忙しくて止まっていたのですが、ブログの更新を再開しました。気づいていただけて嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします(^ ^)

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