神様は少々私に手厳しい7 /守野伊音



神様は少々私に手厳しい 7 (ヒーロー文庫)【Amazon】【BOOK⭐︎WALKER】

1巻の感想はこちらから

評価:★★★★★
2020年7月刊。
感情の振れ幅が大きすぎて情緒が大変なことになる最終巻でした。
あっちで吹き出し、こっちで泣いて、涙が止まらないうちに次の笑いの波が来る。
ほんと良い最終巻だったなぁ。
異世界トリップした主人公の選択と、大事な人たちが彼女に向ける様々な想い。
その優しさ、温かさ、切なさに胸がいっぱいになりました。
とても面白かったです。最高でした。

☆あらすじ☆
皇都エルサムで始まった戦争の中、カズキは人質解放の条件として一人でディナストに追いかけ回されていた。
宮殿内を走り回って逃げていると、異世界にやってきていたある人物と出会う。
その出会いがきっかけとなり、大きな決意をするカズキ。
そして、城で待つディナストの元にルーナがようやくたどり着き、長かった戦争はついに決着する。
戦乱の時代を駆け抜けた少女カズキと騎士ルーナの運命は?ハンカチ必須の感動のクライマックス!

以下、ネタバレありの感想です。

 

いよいよディナストとの決戦の時。
単身で彼と対峙することになったカズキと、彼女を想って苦しむルーナ。どうしようもない悲劇の予感を前に、ルーナがカズキの首に手をかけるシーンが切なくてたまらなくて。

ああ、これから最後の地獄が幕を開くのか……とか覚悟していたんですが、そこはさすがのカズキでした。
うーん、脱衣鬼ごっこの時間稼ぎとしては正しいんだけど、カズキの語り口が面白すぎてハラハラすれば良いのか笑えば良いのかわらなくなるのよ!笑ったけども!

 

そして遂に対面を果たしたカズキとイツキ
異世界でお互いしかいない同郷の人間。初対面なのに、互いに縋り付くように寄り添う姿がとても印象的でした。
ルーナでもツバキでも代わりにはなれない。
異邦人であることの苦しみと絶望を分かち合える存在というのは、なんというか、哀れな気持ちを抱かせるものですね。彼らに寄り添ってくれる人がいる事実にホッとしました。

 

そんな最終決戦がクライマックスへ差し掛かった直後、待っていたのは予期せぬ帰還。
カズキはもしかしたら一度日本に帰ることになるかもな、という予想はあったのだけど、まさかこんなにいっぱい同伴者がいると思わなくて、初っ端の大惨事から爆笑してしまいました。いや、多すぎる。賑やかで大変良いと思います。

 

舞台が日本に移ってからの話は、本当に楽しくて笑えて、そしてたくさん泣きました。

カズキが異世界で出会った優しさ。でも同じだけ優しくて温かい絆は日本にもある。
たくさん愛してくれた人たちと二度と会えなくなる決断をしなければ、たくさん愛してくれた人たちの元には帰れない。

悲しくて苦しい二者択一。それでもルーナの世界を選んだカズキと、カズキの決断を受け止めた家族の優しさに涙が溢れるんです。

もうさぁ、カズキの家族だー!って感じなんですよ。みんな。
めちゃめちゃ笑うのに(ルーナとカズキ父の初対面が「パパでちゅよ」なのが酷すぎて1時間くらい笑いを引きずった)、カズキにかける言葉の一つ一つに愛情が詰まっていて胸が痛くなる。
これから二度と会えなくなる娘と時間ギリギリまで一緒にいようとするのではなく、娘がこれから生きていく人に娘を理解してもらう時間を与えようとするの、本当に「愛」だと思うんですよ。

同伴者がルーナだけじゃなくアリスたちも一緒だったこと、彼らと一緒に日本の日々を過ごしたことは、きっとこれからカズキが寂しくなるたびに彼女を支える思い出になるんだろうな。
自分の故郷の話を共有してくれる人がたくさんいることは、すごく心を慰めることだと思うから。

 

でもカズキが異世界に戻る瞬間に家族が堪えきれなかった悲嘆を思うと、やっぱり胸が痛いのだ…

 

それでもカズキは決めたから。ルーナと共に異世界で生きることを。
その決断がきっと幸せなものになるだろうと予感させるエンディングはとても素敵でした。
ここに辿り着くまで長かったなぁ。
ルーナとカズキは間違いなく幸せになろうだろうけれど、最後の最後で「愛してる」を伝えたアリスに胸がキュンとしたりズキっとしたりして、ああ私は登場人物の中でアリスちゃんが一番好きだったんだなぁとふと思いました。アリスちゃんも幸せになっておくれ。。。

 

本当に楽しい異世界トリップファンタジーでした。とても面白かったです!

 

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