身代わり婚約者なのに、銀狼陛下がどうしても離してくれません! /くりたかのこ



身代わり婚約者なのに、銀狼陛下がどうしても離してくれません!(ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK⭐︎WALKER】

評価:★★★★
2021年9月刊。
『瑠璃龍守護録』のくりたかのこ先生による最新作!
妹の身代わりとなり、訳アリ国王の婚約者となった少女。
これは不幸な境遇によって心を潰された少女が、自分を認められ、必要とされ、そして恋をして、立ち直っていく物語です。
そしてそれは彼女だけの話ではなくて、彼もまた同じ。

王道のシンデレラ・ストーリーとして読み応え抜群でした。
わんこ系ヒーロー(ただし獰猛な大型犬)がヒロインにめちゃめちゃ懐いてるのが可愛くも色っぽかった笑
綺麗に終わっているけれど、もしシリーズ化するなら是非読みたい!

☆あらすじ☆
「俺はお前に撫でられたい」獰猛な銀狼陛下がわんこのように懐いてきます!
国王の婚約者である妹が失踪し、急遽身代わりとして王宮へ上がった伯爵令嬢アイリ。銀狼の血を引き、暴君と噂される国王に正体がバレたらお家没落!? 何とかやり過ごそうとするも、流れで一夜を共にすることになってしまう! 絶体絶命のアイリだったが――「気持ちいい、もっと撫でてくれ」獰猛なはずの彼がなぜかわんこのように懐いてきて!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

狼神の末裔である王家との契約により、「月の聖女」の血を引く娘を王妃として輩出してきたベルンシュタイン伯爵家。
しかし暴君との噂がある国王ギルハルトの婚約者に決められていた義妹クリスティーナが失踪したことから、伯爵家で冷遇されていたアイリが「クリスティーナ」として謁見をすることに。
義妹が見つかるまでの時間稼ぎをするはずが、正式な婚約者になる儀式を受けることになったアイリは、その最も難しい第一段階「人狼の血で凶暴化した陛下と一晩を過ごし、生きて朝を迎えること」をクリアしてしまうのです。

 

物騒!!!

 

あらすじに「流れで一夜を共にする」とあったから、うーん私は寸止めラブコメの方が好きなんだけどな〜とか思ってたんだけど、蓋を開けてみたらちゃんと寸止めラブコメでした。良かった〜!笑

 

なぜか動物から異様に懐かれる特技を持つアイリは、人狼の血により荒れ狂うギルハルトもひと撫でで魅了。あっという間にアイリに懐くわんこの出来上がりです。
まさに天性のテイマー。聖女というか調教師じゃん???

暴君とか銀狼とか言いつつチョロい男だな…とか一瞬思ったけれど、話はそう単純なものではなくて。

母の呪いによって人狼の血とその象徴たる獣耳を嫌悪するギルハルト。
祖母の呪いによって罪悪感を押し付けられ「自分」を持てずにいたアイリ。

それぞれ呪いを抱える二人は運命のように出会い、「儀式」を重ねて心を通じ、互いの存在によって呪いを解いていくのです。
テンポが良くてコミカルなお話だけど、個人的には救済と再生の物語として素晴らしかったと思います。
特に、ギルハルトから溢れんばかりの愛情と肯定を注がれ、空っぽだったアイリの心が徐々に満たされていく様が本当に良かった。
自分を持つことができなかったアイリの、「私、あなたを選びます!」のセリフは心が震えました。

 

シリアスっぽい感想になってしまったけれど、本作は基本的には明るく楽しい溺愛ラブコメ。
アイリに全力で懐くギルハルトに何度も笑いました。
自分を選ばせようとアイリに迫る姿はとても色っぽいのに、思考が、、、思考が残念すぎる!
犬の世話…ならぬ「儀式」の内容でお察しなんですが、わんことして扱ってほしい感がすごい。
人のプライドとか撫でられる心地よさの前にはどうでもいいのか??いいみたいです。
むしろ耳だけでなく全身を獣化できたら良かったのに、とか思い始めてる電子版SSに爆笑しました。本当にな!

 

あと、キャラ的にはクリスティーナも好きでした。
彼女は「父同様に姉を虐げるだけの悪役」ではなく、かといって「実は姉を守っていたシスコンの妹」でもない。そういう単純なキャラ造形じゃないのが印象的で。
姉への愛情と苛立ち、父親への嫌悪、貴族社会への虚無感。そして血筋による衝動ーー
一言では表せない複雑な心境を抱えているクリスティーナは主役二人に負けないくらい人間味があって魅力的でした。
このまま退場するのは勿体ない。もし続編があるなら再登場を願いたいところです。
「貴様はアイリに危険を押し付け逃げ出した」「『危険』のご本尊が何かおっしゃられているわぁ」の掛け合いがめちゃ好きなので、再登場するなら是非またギルベルトと喧嘩してほしいな!笑

 

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