【WEB小説感想】ヤンデレ至上主義の悪役令嬢はハッピーヤンデレカップルを慈しみたい! /染井由乃


Twitterで「ヤンデレが好き」と定期的に鳴いていたらオススメいただきました。めちゃめちゃ面白かった〜!

『公爵令嬢レイラの逃避行』の染井由乃先生による悪役令嬢転生もの。
ヤンデレばかり揃えた乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生し、各種ヤンデレカップルを愛でながら、彼らのバッドエンドを回避しようと奔走する物語です。

様々な病んだ恋愛が描かれ、それらをニヨニヨしながら見守る悪役令嬢。
「ヤンデレ×美少女のココが良い!」という熱い主張に、何度「わかる!」と叫んだことか。ヤンデレスキーの性癖に対する解像度が異様に高い。

そして、もちろんヤンデレものとしても楽しい作品でした。
よそのヤンデレカップルを愛でる悪役令嬢の背後で、ひっそりふつふつと煮詰まるように育っていく執着心……
こういうの、大変美味しいですねっ!!

☆あらすじ☆
16歳の誕生日、エレノアは自分が、ヤンデレ系恋愛シミュレーションゲーム「狂愛のスノードロップ」の世界に転生していることに気づく。
ヤンデレ塗れのこのゲーム、バッドエンドは悲惨も悲惨。ヤンデレたちの拗らせ執着の末に、ヒロインですら死亡、監禁は当たり前。
肝心のエレノアの立場はというと、これまた死亡フラグだらけの悪役令嬢。だが、歪んだ愛をこよなく愛する彼女は、自らの境遇に絶望することもなく一人ほくそ笑む。
フラグ回避? 改心していい子ちゃんになる?
それももちろん大事だけれど、最も大切なことは「ヤンデレ×美少女」の恋路を見守ることではなくって?
悪役令嬢の対場を利用して、ハッピーヤンデレルートを見届けるまでは死んでも死にきれない!
「さあ、見せて頂戴! 歪んだ愛の美しさを!!」
これは、ヤンデレ至上主義の悪役令嬢が、ヒロインたちのバッドエンドを全力で回避しながら、尊いヤンデレカップルの成立を見届けるために奔走する喜劇の物語。

以下、最終話および番外編までのネタバレあり感想です。

 

5組のヤンデレカップルが登場する乙女ゲーム『狂愛のスノードロップ』。
その悪役令嬢に転生したことに気づいた公爵令嬢エレノアは、ヤンデレたちの歪んだ愛の物語を間近で見られることに歓喜し、彼らが悲惨なバッドエンドに落ちないように、「コントロールされたハッピーなヤンデレエンド」を迎えられるように、彼らの恋路を手伝うことを決意します。

 

コントロールされたハッピーヤンデレエンド!
この言葉のチョイスにめちゃめちゃ笑いました。わかりすぎて!
私もヤンデレものは大好きだけどバッドエンドは許せない。
狂気と理性のギリギリの綱引きを乗り越え、なんとか狂気を抑え込んで幸せになるヤンデレエンドこそ最高。
ちょっとハラハラする部分を残しつつも平穏無事に生きてほしい。そういう終わり方が好ましいのです。
まぁ壊れた愛が美しいメリーバッドエンドは別腹ですが、それはさておき。

 

というわけで、初っ端からエレノアに共感の嵐でした。
エレノアのメタな発言にひたすら笑ったし、一緒にニヤニヤしてしまいました。
ヤンデレがいかに美味しいか、というエレノアの主張が全部いいんですよね。完全に同意した。狂った愛に耽美を感じる器官が生えたヤンデレスキーの生態分析が的確すぎでした。

 

さて、ヤンデレ観察コメディのように始まった本作ですが、第二章から徐々に雲行きが怪しくなっていきます。
ヤンデレカップルたちのハピエンを目指すエレノアの後ろで、何やら妖しい気配を漂わせていく義兄ルーク
極端に少なかった口数が増えるにつれて、ルークのエレノアに対する言動はどんどん不穏なものに。
エレノアがヤンデレカプのために危険な行動をとるたびにルークの歪みは増していくのだけど、それがもう楽しくて楽しくて。
私、「背後から手を伸ばして少女の視界を塞ぐヤンデレ仕草」がめちゃ好きなので、ルークがそれをやる度にキャッキャしてました。

そしてここに、ヤンデレカップル←を観察してニヤニヤするエレノア←を観察してニヤニヤする読者、の構図が出来上がるわけです。

なんというメタい構造!深淵をのぞくとき、深淵もまたエレノアをのぞいてるんだ!

 

エレノアが鑑賞しつつ手助けする各種ヤンデレカップルも大変美味しいのですが、やはり本作で一番良かったのはルーク×エレノアの物語。
基本的に雰囲気がコメディだったから油断していました。
それにエレノアはヤンデレ好きなだけあって「病み」の気配に敏感だったし。かなり慎重に言葉と態度を選んでいたし。

それがまさかの本作随一の窮地に陥るとは。

コメディな雰囲気が一瞬で消し飛び、空気が軋むように病んでドロ沼化したことにびっくり。ヤンデレ同士がタッグを組むのは流石に予想できなかったな……
ヤンデレとは油断ならない、恐ろしい生き物ですね(愉悦顔)

 

一番はエレノアたちですが、他のヤンデレカップルもとても良かった。
特に男装騎士と騎士団長の幼馴染殺し愛ヤンデレケンカップル。
こんな美味しい組み合わせを、なぜここで使ったの?これで一本書いてくれませんか…?
あとヤンデレにはヤンデレをぶつけるんだよ!の主従カップルもとても美味しかったです。
ウィルの方が執着しているように見えて、リリアーナの方が病んでるっていうのがツボでした。ヤンデレ男を愛でるヤンデレ美少女、いい。とても耽美で病んでて良い。

 

予想外のハプニングも乗り越え、無事に5組のヤンデレカップルをハッピーエンドに導いたエレノア。
ヤンデレの子供がちゃんと(?)ヤンデレに育っている番外編に笑いました。
エレノアの転生チートを受けられない次世代のヤンデレカップルの運命はやばそうだなぁ。

最後までとても面白かったです。書籍化してほしいな!

 

ヤンデレ至上主義の悪役令嬢はハッピーヤンデレカップルを慈しみたい!(小説家になろう)
https://ncode.syosetu.com/n3206gh/

 

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