悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる  /稲井田そう



悪役令嬢ですが攻略対象の様子が異常すぎる【Amazon】【BOOK⭐︎WALKER】

評価:★★★★
2020年7月刊。
破滅回避を目指す悪役令嬢が、知らないうちにヤンデレハーレムを築いてしまうド修羅場ラブコメです。
攻略対象の様子は異常だけど、攻略対象以外の様子も異常というか。異常者じゃない方が少数派では??
普通に暮らしているだけで周囲の心を捻じ曲げていく主人公が恐ろしいです。一番恐怖を感じているのは彼女なんだけども。
破滅回避どころか地獄が形成されていく様を、ふふっと笑える楽しい語り口で描く作品でした。とにかく地の文が面白すぎる。
1巻時点の推しは婚約者かな。普通の少年が徐々に心を病んで壊れていく様子がとても丁寧に描かれていて、性癖のピタリ一致を感じました。続きも読んでいきます。

☆あらすじ☆
十歳の誕生日、前世を思い出した悪役令嬢ミスティアは、乙女ゲーム『きゅんきゅんらぶすくーる』の世界で――無意識に次々とキャラクターをヤンデレ化!?
破滅エンドを導く“ヒロイン”と恋敵にならないため、彼女は「王子様系同級生」との婚約解消に奔走開始! ……するはずが、超お人好しな性格のせいで逆に好感度アップ!? 「享楽主義の貴族」、「純情ヤクザ教師」などのトラウマも解消してしまい、彼らに歪んだ愛情を抱かれてしまう。さらにゲームで見た覚えのない専属侍女もいて――
すべてが異常だらけのなか、ヒロインと出会う貴族学園入学までにシナリオ改変できるのか?
勘違いの錯綜でドキドキがとまらないっ!
気付かない間に地獄絵図のサスペンス学園ラブコメディー

以下、ネタバレありの感想です。

 

幼少期から始まる悪役令嬢転生もののオーソドックスなストーリーなんですが、本作の特徴は「みんな頭がおかしくなる」に尽きると思います。

 

破滅の未来を回避しようと、まずは婚約解消を目指す悪役令嬢ミスティア
しかし婚約者レイドをはじめとして、やたらと攻略対象と関わる幼少期を送ってしまうことになります。ゲームの舞台となる学園入学はまだ先なのに。

 

ゲームの攻略対象が全て悪役令嬢のハーレム要員となってしまうのだけど、面白いのはミスティアを取り囲む彼らの内面。
ミスティアに出会う前は普通の人だったのに、ミスティアを好きになってから頭がおかしくなっていくんです。

 

私的に一番楽しかったのはレイド。
ミスティアがレイドに怯えているから二人の関係は全然親密にならなくて、レイドもそれに気づいているからしょんぼりしながらも婚約解消を考えたりして。
好きな子に冷たくされて可哀想だなぁ、彼女を苦しめるなら解放しようと考えるなんて健気だなぁ、と同情していたんですよ。途中まで。
そんな健気で切ない片想いが見事に変質しました。すごいシームレスにヤンデレ化した。ミスティアが留学しようとしてるのを知って壊れちゃった。あーあ……
ミスティアのことを想って悩んでいた時間が、少しずつ彼を歪めていったのでしょう。
こういう壊れ方をする恋心が大好きなのでとても楽しかったです。
稲井田先生が後書きに「狂気や病みが完成されたヤンデレヒーローが出るのではなく普通のヒーローが徐々に病んでいく過程を描いている」と書かれていて、思わず「それが読みたかったんです!」と心でガッツポーズを決めました。これが読みたかったんですありがとうございます。

 

途中で異常者に変貌したのはレイドだけではなく、そこもまた楽しかったです。
友達<主従<家族という謎の方程式からご主人呼びをはじめたエリク(発想がぶっ飛んでない?)も面白かったんですが、それ以上にヒーヒー笑ったのがジェシー先生。異常者度で言えばぶっちぎりでは?(攻略者を除くと料理長がダントツに気持ち悪いが)
なんか、こう、寡黙なくせに脳内を妄想で満たしているところが…
十歳の女の子を一方的に恋人だと思い込んでいる青年ってお巡りさん案件すぎる、、、
ほぼ喋らないくせに脳内があまりにも雄弁で、ジェシー先生のターンが来るたびにずっと笑ってました。怖いけど面白すぎる。でも怖い…!笑

 

気づかないうちに異常者に取り囲まれたミスティア。
小さい頃からしっかり準備した地獄を伴って学園に入学したわけですが、彼女の未来はどうなるのか。
たぶん誰かが死ぬか捕まるかするんだと思う。楽しみですね。
続きも読んでいこうと思います。

 

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