浅草鬼嫁日記 九 あやかし夫婦は地獄の果てで君を待つ。 (富士見L文庫)【Amazon】/【BOOK⭐︎WALKER】
1巻の感想はこちらから
評価:★★★★☆
2021年7月刊。
嫁のピンチを前に立ち上がった旦那!
馨主人公の地獄行を描く第9弾です。大変な事態であっても拭いきれないゆるさがあるんですよね、このシリーズ。そこが好き。
☆あらすじ☆
『――絶対に、連れ戻す。地獄の果てまで、お前を探しに行ってくるから。』
ライの凶刃に倒れた真紀。その魂が落ちたという地獄へ、馨は迷うことなく向かう。地獄では酒呑童子となり、鬼の獄卒として働く馨。彼岸花の咲く地獄の果てで、朽ちていく大魔縁・茨木童子――真紀を救い出すために。
以下、ネタバレありの感想です。
地獄に落ちた真紀を助けるため、叶たちの力を借りて地獄に飛び込んだ馨。
最下層の無間地獄を目指し、地獄の獄卒としてスピード出世を目指すのです。
悪夢の地獄で苦しむ真紀も、一刻も早く真紀を救出したい馨も、すごくすごく大変な事態なんですよ。それは分かる。分かるんだが、馨の地獄社会人ライフがどうしようもなくゆるい…!笑
地獄の観光パンフが出た時点でシリアスが死にましたからね。閻魔大王もゆるいしね。
なので緊迫感があるのやらないのやら…って感じで、良い意味で肩の力を抜いて楽しめました。
あと私は嫁が好きすぎる馨視点が大好物なので、今回は全編どっぷり堪能できてそこも良かった。
真紀が隠してきた苦しみの記憶をようやく馨が分かち合えたのも良かったな。。。
そして叶冬夜=安倍晴明の正体と目的も明らかに。
何を狙ってるのかと思いきや、普通に良い人じゃないですか。誤解されやすいタイプっていうレベルじゃないな!
彼は彼なりにミクズと自分たちの戦いに夫婦を巻き込んだことに責任を感じていたんですね。まぁ説明聞いたらとばっちりも甚だしいからなぁ。
とはいえ、すでにミクズとの因縁は真紀たち自身のもの。
いよいよ次巻から最終決戦だそうです。それによって本編完結とは寂しい。
てっきり京都編がスタートすると思ったのに。話の流れ的に。陰陽師学園ものやりませんか?
何はともあれ続きが楽しみです。