錆喰いビスコ7 瞬火剣・猫の爪 /瘤久保慎司



錆喰いビスコ7 瞬火剣・猫の爪 (電撃文庫)【Amazon】【BOOK⭐︎WALKER】

評価:★★★★☆
2021年3月刊。
キノコ守りの少年コンビの冒険活劇第7弾。
ぶっ飛んだ世界観をぶっ飛んだキャラクターが走り回る楽しい本作。今回は輪をかけて狂ってました。もちろん褒め言葉です。
これはまさにネコチャン時代劇。猫による猫の世界に猫なりかけのビスコたちが迷い込み、切った張ったの大立ち回り。
そんな戦いの中で、ビスコは自分の心と向き合うのです。ハチャメチャな話だったけどラブロマンスだったなぁ。
もうね、最後の見開き挿絵が素晴らしすぎるのよ!!

☆あらすじ☆
半猫ビスコとミロ! いざ、猫世に潜む悪を討つ!
忌浜の街では人間が次々と猫化する事件が発生。どうやら、ビスコとミロが黒革へ放った超信弓で、異世界との扉が開いてしまったことが原因らしい。
「猫病」を止めるべく、扉をくぐり抜けた彼らがたどり着いたのは、猫侍たちが治める猫摩國!
猫摩の将軍・八ツ橋羊羹とともに、この国を苦しめ、猫病を蔓延させる元凶の邪仙猫・甘草月餅に挑む。しかし、月餅の肉球には輝く超信矢が握られていた! しかも半猫になってしまったビスコは得意の弓術も封じられ……
かくなる上は唸れ尻尾、牙と爪! それから肉球! 最強キノコ守りコンビ、にゃんとも不思議な世界でも大暴れ!

以下、ネタバレありの感想です。

 

今度の舞台は、ビスコたちの住む世界の異相に存在する猫の国「猫摩国」
人間が猫に変わる奇病を解決するため、猫摩国に飛び込んだビスコとミロは、猫侍の将軍・八つ橋羊羹と邪仙・甘草月餅の戦いに首を突っ込むことになります。

 

猫ちゃん時代劇・暴れん坊将軍です。殿がめっちゃカッコいいんだが。

何から何まで猫ナイズされた時代劇で、艶やかな白い毛並みの美猫が敵で、猫たちが変えられたキノコならぬ鬼ノ子が雑兵としてワラワラ湧いて、最終的には江戸城ならぬ猫摩城まで巨大鬼ノ子になって襲ってきて、、、、

 

な、何だこの混沌…!

 

鬼ノ子たちのキャラクターがまたすっとぼけてるんですよね。可愛すぎて毒気が抜かれる。なんかビスコたちも心なしかボケてませんか?真面目にやれ…ないよね!笑

 

どこまでも混沌として可愛くてシュールな世界観でした。
今回はまた元気よく狂ってるなぁと思うのに、そこで描かれる羊羹と月餅のすれ違いが切なくてずるい。
ヘンテコ時代劇にニヤニヤ笑ってたのに、突然容赦なく月餅の苦しみを投げてくるなよぉ!そしてあれをビスコに追体験させるの鬼じゃない?

なんかもう情緒がガクガクになるお話でした。

 

そんな今回の戦いの中で、ビスコが自分の心(あるいは「祈り」)と向き合っていたのが本当に良かった。
人間社会の中で生きるパウーと、自由な冒険の旅を求めるビスコのすれ違い。
序盤のデート、不安がっているパウーが可哀想で、でも社会に縛るとビスコの心が死ぬんだよな……まさか離婚とか言わんよな……と怖かったんですよね。
パウーは妻だけど、彼女の存在がビスコにとってどれだけの価値があるのか、もっとハッキリ示して欲しいなって。

だからビスコが二人の関係を見つめ直してくれる展開は本当に嬉しかった。がっちりハッキリ踏み込んだ!

「俺たちはビスコとパウーっていうつがいの猛獣なんだ。もともと『人間』と手を繋ぐには、ちょっと爪が鋭すぎる」
「決めたんだよ、パウー。俺の運命に、お前を連れていく」

このセリフ、好きすぎる!
究極に情熱的なプロポーズじゃん最高…!
このシーンの見開き挿絵、パウーの吹っ切れた笑顔がめちゃキュートでした。パウーが可愛すぎるよ〜

 

ビスコの運命の中にミロはすでに分かち難く組み込まれているけれど、そこにパウーも入ったのが良かった。ミロにとっても良かったですよね。愛する姉を差し向けて愛する相棒を囲い込もうとした男だからね、ミロ。

ミロといえば、今回も相棒に対する愛情が激重で満点でした。

「世界中をキノコで滅ぼしても、僕だけはきみの隣でキレイだねって言ってやる。なにを選んだって、たとえきみに殺されたって!地獄の底まで、僕はきみについていくっっ!!」

ミロ、発想と言動はヤンデレのそれなんだよなぁ。病んでないけど。相棒への愛が巨大すぎるだけで。。。

 

ああ、また今回もミロが叫んだ愛のセリフを引用してしまいました。確認したら大体毎回ブログに引用してた。恐らく次回もそうなるでしょう。

 

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