続・金星特急 竜血の娘 /嬉野君



続・金星特急 竜血の娘(1) (ウィングス・ノヴェル)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2021年3月刊。
初恋の女神にプロポーズするため、危険な特急列車の旅を駆け抜けた錆丸の冒険を描いた『金星特急』。
その錆丸の娘を主人公とする続編がスタートしました。

これを機に「金星特急」を最初から読み直したのだけど、何度読んでも傑作ですね。
私は金星特急の魅力は「世界各地を旅してまわる、愛と絆と駆け引きに満ちた冒険のワクワク感」だと思っているのだけど、連載開始から10年近く経っても、展開を知っていても、全く色褪せない名作だと思います。再読なのに徹夜してしまった。

とはいえ、しっかり完結した作品の続編は、オリジナルの面白さを引き継げるのか?

そんな不安を吹き飛ばす続編第1巻でした。
いやぁ予想外!かなり思い切った転換をしてきたなと思いました。

物語の雰囲気はガラリと変わり、今度は閉じた箱庭から何も知らない少女が放り出され、未知の世界へ漕ぎ出しました。
彼女の目的は果てしなく、物語の全貌もまだ見えてこない。
それでも壮大な旅になるだろうという予感にワクワクして、「ああ、金星特急が帰ってきた!」と思わせてくれました。
続きがとても楽しみです!

☆あらすじ☆
女だけが暮らす絶海の孤島・犬蛇の島で育った桜。彼女が15歳になったある日、島にいわくありげな二人の男が降り立った。男の一人は桜を見つけると、満面の笑顔でこう言った――「迎えに来たよ、桜」。三月と砂鉄と名乗る彼らは桜の父親の仲間で、自分も知らない自分の過去を知っているらしい。まだ見ぬ世界をその目で見るため、彼らとともに島を出ることにした桜だが……? 今度の主人公は錆丸と金星の娘・桜。大人気「金星特急」続篇スタート!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

桜が15歳になってる!
しかし何故か女囚人ばかりの絶海の孤島で成長して、錆丸たちの記憶がない。
幼い頃に目一杯の愛情を注がれて育ったはずなのに、なぜ今の彼女は迎えの三月の顔すら知らないのか?
そして桜を迎えにきた三月たちは、彼女に何をさせようとしているのかーー

 

外伝や番外編で幼い桜が錆丸たちに見守られて暮らしていたことを知っているだけに、この続編の始まり方は意表をつかれました。
後書きにもあったけど、てっきり現代日本から物語が始まると思っていたんですよね。
桜の能力開花の話は既にあったので、やはり彼女の力を巡るトラブルが舞い込んでくるのかな?って。

 

トラブルどころの話じゃなかった。

 

700年後?????

 

めちゃめちゃびっくりしました。
読者と一緒にびっくりしてるのがアルベルト王子なのもびっくり。しれっと蘇ってる!爬虫類なのにキャラが崩壊してないのすごい!さすが殿下!笑

アルベルト殿下、島の暮らし以外何も知らない桜の教師役兼参謀役として大活躍でした。洞察力や観察眼を叩き込みながらの情操教育まで担ってるし。三月おじさん、立場がないのでは笑

 

まぁ三月には狂犬ボディガードとしての、砂鉄には三月のストッパーとしての役割があるので、そこはいいんですけど。三月の伯父バカぶりが相変わらずすぎてほっこりしました。

 

 

三月と砂鉄が迎えにきたことから始まった桜の冒険。
それは、母である金星の願いに応えるための救世の旅路でした。

死んだはずの金星がまだ力を振えたことに驚いたのだけど、よく考えると金星って本当に死んだの?女神にとっての「死」とは?
本編7巻を読み直したら「私は回収されなければならない」って言ってるんですよね。今回で砂鉄も「連れ戻された」と表現してるし。
錆丸たちの世界では観測することができないけれど、どこかに存在している可能性が?期待しすぎ?

 

それと、もしかして桜の旅は「この世界の仕組み」に踏み込むのでしょうか?前作では不可触の真理のごとく説明されるにとどまったけれど……
桜の旅に立ちはだかる、人類滅亡を目論む新人類「蒼眼」。
万能の女神・金星が危険視する彼らの能力が、ユースタスの銀魚によく似ているのも気になります。

 

まぁ、とはいえ、1巻時点では予想しようがありません。
だってこれは金星特急の続編だから。
読者を「えぇっ!?」と叫ばせる仕掛けがいくつも用意されてるんじゃないだろうか。きっとそうだ。そうに違いない。
蒼眼を隠したまま桜に近づいた蜜蜂の正体や目的すら謎ですし。まだまだ情報が足りません。伏せられたカードに何が書いてあるのかと思うだけでワクワクします。
あと未来なのに歴史を逆行する世界観が大好物なので、これからの桜の旅路が楽しみで仕方ない。

 

とりあえずは仲間を揃えることになるのかな?
砂ユス推しとしては700年ユースタスを想い続けた砂鉄に身悶えしたのですが、ラストの鬼畜展開に絶句。
いや待てよく考えろ。仮にユースタスが砂鉄のことを忘れていても、彼女がもう一度砂鉄を好きになるのは確定事項では?ということはもう一度あのムズムズする両片思いを楽しめるのでは?それはそれでアリ……

 

というわけで続きも楽しみです!
知識的にも感情的にも完璧な無垢に育った桜の恋愛展開もあるんだろうか?1巻登場キャラだけでお約束に従うなら蜜蜂?
誰が相手になろうと三月の壁を越えないといけないわけだけど。ならもう三月が良いのでは?(家族愛だって言ってるだろ!)

 

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