探偵は御簾の中2 鳴かぬ螢が身を焦がす /汀こるもの



探偵は御簾の中 鳴かぬ螢が身を焦がす (講談社タイガ)【Amazon】【BOOK⭐︎WALKER】

前巻の感想はこちらから

評価:★★★★☆
2021年8月刊。
三人目の子供の誕生から始まる政略結婚夫婦の平安ラブコメミステリー第2弾。
平安貴族的に変人同士なこの夫婦。それは前巻で散々笑ってときめいた要素だったのに、今回はなんだか切なくなりました。笑えないくらい生きづらそう。生まれる時代が悪かった。
平安時代に高級貴族の夫婦が純愛を貫くことに、ロマンを感じる前に「この二人、鬱になりそうだな…」って心配することになるとは。
エグい展開にしんどくなったけど、容赦なく心を鷲掴みにされ引き摺り込まれた気分。めちゃくちゃに乱されて、どうしようもなく面白かったです。
でも、どうか、どうか、この純愛が貫かれますように。。。

☆あらすじ☆
両片思い夫婦にときめいた。
「私が決める、向こう1000年で最高のラブコメ本格ミステリー!」
――斜線堂有紀さん絶賛!
夫はヘタレな警察トップ、妻は隠れた名探偵。
平安ラブコメミステリー「探偵は御簾の中」(略して、探御簾<たんみす>)シリーズ最新作!
平安貴族には珍しく妻一筋だけどヘタレな検非違使別当(警察トップ)・祐高と頭脳明晰な年上の妻・忍。京で評判のおしどり夫婦なのに、後宮の恋物語に憧れる忍にとっては、二人の情愛は危うさが足りないらしい。そこで夫と始めた秘密の駆け落ちごっこ。だが道中で殺人事件が発生し、なぜか祐高が容疑者に。真犯人を見つけなければ、別当はクビ、妻は出家!? 夫婦の危機に、忍が真相に迫る!

以下、ネタバレありの感想です。

 

また特殊プレイしてる、この夫婦……
忍さまの思いつきで遊び始めて、祐高の方がノリノリで盛り上がるっていう展開ほんと好きです。
妻が好きすぎてハメを外しちゃう夫、可愛すぎる。

 

序盤は相変わらずな夫婦のラブコメっぷりにニヤニヤしてたのに、どうして、どうしてこうなった。

 

忍さまが祐高の女関係をコントロールしたがっていたのは知ってたけど、そういう行動を選ぼうとする感情の変化が切なくてたまらない。
平安貴族の女が、夫の純粋な愛情を信じ続けるのはあまりにもハードルが高いし、心を削るんだろうな。
ただ恋に浮かれるには、忍さまは聡明すぎるし、歳を重ねすぎているのかも。いやまだ全然若いんだけど。

 

この作品で描かれる平安貴族の恋愛事情は本当にエグくて(女は恋愛遊戯の駒であり政治ゲームの駒でしかないのか!)、純粋で一途な愛情というものがあまりにも夢幻にすぎる。
まさか何も生み出さない不実な恋こそサイコー!とかほざく朝宣の方がまだマシな部類に思えるとかそんなことある!?あるんだなぁ。

 

女の扱いが本当に読んでて辛いです。
この社会の恋愛は全く平等なものではなく、男の気持ち一つに振り回されて。理不尽に襲われて、理不尽に利用されて、理不尽に捨てられる。
その背景を知りながら夢が終わるのが怖いと泣く忍さまをどうして可愛いと笑えるか。いや、理解して笑う女はとても強いと思いますが。

 

あーーーーー、しんどい。

 

そういう事情に直面して、気持ち悪いと感じる祐高の存在が清涼剤すぎる。本人は吐いてるんだが。
だから祐高は大丈夫だよって思いたいけど、忍さまたち女の側から見たら「今はね」とも思う。

 

あーーーーー、しんどい。しんどい。

 

あまりにもしんどくて、もうここで物語が終わる方が幸せだろうなって思う。
祐高は永遠に忍さま一途で他に女を作らなくて、ひたすら重く愛された忍さまは祐高と一緒に仲良く墓に入るんだって。
そう信じて終わりたい。
私だってそう思うんだから、忍さまが早く幸せなまま終わりたいって気持ちになるのも仕方ないです。
もう終わろう。これ以上思いつめると鬱になる。
そうでなくても祐高は忍さまが好きすぎて鬱になりそうなのに。

 

でも3巻が出たら絶対に読みます。
このしんどい気持ちに頑張って耐えるから純愛を貫いておくれ。純愛を貫く夫婦を見せておくれ。
まさか朝宣と気持ちがシンクロするとは。もっとひどいのが出てきて好感度が相対的に上がるとか勘弁してくれ。

 

そういや今回は忍さまが事情を知ってる側だったせいか、朝宣が探偵役の一端を担ってましたね。
御簾の中にいる時間は長そうだからタイトルに偽りはない。

 

もし3巻が出たら皇女降嫁騒動が再燃するんだろうか。
祐高はどうにか潰せると考えてたけど、彼の政治力に期待を持てないんだが。
怖いよー!楽しみです!

 

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