【WEB小説感想】死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ) /六つ花えいこ


書籍版1巻の感想はこちらから

書籍版1巻を読み終わり、居ても立ってもいられずにWEB版へ直行しました。
1巻の良さにあれだけ呻いていたのに、その続きが更に良いなんて信じられない。途中で止めるとか無理でした。全部読まないと落ち着かないよ、もう!
恋人の死を防ぎたい少女の奮闘から始まる、焦ったくて甘くて切ない両片思いの学園ファンタジー。これは傑作です。
今後私は「両片思い」というシチュエーションを求める人に本作をスッと差し出すことになるでしょう。
略称は死にプロだそうです。最高の両片思いを求める人、死にプロを読もう!

以下、WEB版最終話までのネタバレあり感想です。

 

ヴィンセントのターン!
書籍版1巻はタイトル通りのオリアナの奮闘で、その続きはタイトル通りのヴィンセントの奮闘でした。
男女平等に苦しみ足掻いて焦がれるラブコメ、最高です。

 

2巡目ではあれだけツンデレしてたヴィンセント。
3巡目はツンツンする余裕などなく、必死に「3巡目のオリアナ」へ立ち向かっていたのがとても格好良かったです。奥手恋愛初心者の少年とか思っててごめん。そんな時期は失われてしまった。3巡目のヴィンセントは愛を知る青年でした。
でもたまに恋する少年の顔もチラ見えするのが可愛すぎてずるいぞこのやろー!笑

 

3巡目のヴィンセントの物語、本当に良かったなぁ。
自分たちの関係が、どれだけオリアナの努力と愛情と献身によって成り立っていたのかを全て失ってから思い知るというのが、切なくて苦しいんだけど大変に「良い」です。こういうの好き。胸が痛いのに性癖に刺さるから口もとが緩む…!
だってそれはオリアナが2巡目で思い知ったものだから。
そして2巡目のオリアナに心を寄せている読者としては、ようやくヴィンセントがオリアナの努力を完全に理解して共感してくれたのが嬉しくて仕方ないんです。「そうだよ、オリアナはすっごく頑張ったんだよ!」と後方親友ヅラをしたくなるじゃない。

 

2巡目のオリアナと3巡目のヴィンセントの感情と状況は綺麗に逆転し、それなら今度は自分の番だと懸命に努力して「悪あがき」して。
まさか勉強頑張るところまで一致するとは。
ああもうなんて素敵な恋人たちなんだろうか!たとえ片方が何も知らなくても、二人は如何なる時でもずっと「恋人」だったよ!

 

とはいえ片方が何も知らないので、状況は相も変わらず両片思いなんですが。
一度通じ合っても何度でも両片思いできちゃうって何?すごくない?天才の発想か?
その両片思い状態の心情描写が秀逸で「いつまでも読んでいたい…」と思わせてくれるレベルだから、この設定が光るんですけどね!
特にオリアナが恋に落ちてからの、距離感をはかり合う二人の攻防が最高だったよ〜!これ以上見つめていたら恋心に気づかれちゃうって目を逸らすオリアナ可愛いよ〜〜〜ヴィンセントはガン見だよ〜〜〜!!!彼氏ヅラ隠せてないよーーー!!!

 

二人の攻防にニヤニヤする一方で、予想以上に楽しかったのはあちこちで繰り広げられる友情と恋愛の青春群像劇。ちなみに両片思いの宝庫でした。一つの作品でこんなに両片思いを見せてくれるとか贅沢すぎる!

 

まずヤナとアズラク。
ほんっっっとうに良かった!またミゲルがお邪魔虫の貧乏くじを引くんじゃないかとハラハラしていたので、アズラクガチギレに胸がスッとしました。
お姫様の意地に付き合わされたアズラクは少し可哀想だったけど、お姫様が可愛いから全てOKです。
あんなに聡明な美人なのに恋に目が曇りすぎておバカになってるの可愛すぎない?
このヤナ、三巡目の隠し事のないオリアナとは壁のない友情を築けていることもあって、二巡目の時よりも更に可愛い顔を見せてくれるんですよ。これは惚れちゃう。
恋する乙女たちの恋愛偏差値が低くて鈍い会話も可愛かったです(アズラクは母が好きなの…って言われて確かに年上美女と似合いそう!ってなるオリアナに2巡目のオリアナとの恋愛偏差値の差を感じた)(誰か2巡目のオリアナを召喚して!)

 

他の友人カプも全て良くて、なんだか胸がいっぱいなんだけど、ひと組だけ個人的に意外なところを刺してくるカップルがいて。
コンスタンツェとハインツ先生のことなんですが。
実は私、年齢差に開きがある創作カップルに結構な苦手意識がありまして。
おねショタとかおにロリとか年齢差が100を超えたりすると逆に平気なんだけど、高校生と30代40代くらいの恋物語とか避けがちで。
だからコンスタンツェの恋が描かれているときも、ハインツ先生かぁうーんって思ってんだけど、、、、、いや参りました、、これは良すぎた、、、
30を超えた男が、昔から可愛がっていた少女の成長を見守りながら自分の心境の変化に戸惑ったり焦ったりするのって、こんなに良いの!?えっ、私ここにきて新たな性癖を開かれてしまった!?嘘でしょ!?
幼なじみ要素との合わせ技も効いたけれど、六つ花えいこ先生の表現力に完敗しました。
年齢の壁に打ちひしがれる三十路男の良さとか何なの……混乱してしまう……
ハインツ先生の舞踏会参戦の大人気なさと自嘲が本当に最高でした。イイ歳して若い子に対抗しちゃってさぁ。好き。。。
しかもこのカップルも両片思いなんですよ、なんですか、各種両片思いを取り揃えたんですか、ありがとうございます。

 

他のカップルについて書く体力がハインツ先生に奪われてしまった。恐ろしい男だ。

 

で、感想の最後に書きたいこと、というか叫びたい名前は読者共通だと思うんですが、、、

 

 

ミゲルーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

 

 

うわぁぁぁぁ!泣いた!もう泣いたよ!!!
きっとたくさん頑張ったんですよね。心が折れてしまうまで。
あんなに優しくオリアナたちの恋を見守ってきたひとが、自分には何もできないと諦めてしまうまで。
それでも恋がうまくいくように口を出してしまうくらい、優しい人なのに。
本当に、どれだけ傷ついてきたのか。長い年月を、何回も。
ミゲルミゲルミゲル。泣くよそんなの。幸せになってよ。ミゲル!流れ星に願った涙を思い出してもらい泣きしたよ。ミゲルー!!!

 

私、2巡目で好きだったイベントを、3巡目のヴィンセントがかけがえのない失われた思い出として語るときの切なさが好きだったんです。
ミゲルはどれだけの思い出を抱えているんだろう。誰とも共有できない「みんなとの思い出」をどれだけ持っているのか。

辛い、これは辛いし、切ないし、ミゲルが愛しくなる。

 

だから、ラストのミゲルをパジャマパーティに誘うオリアナの姿に更に泣けました。
失われた彼女たちとの思い出は、掴み取った「明日」に取り戻すことができたんだなって。
同じだけど違う。違うけれど同じ。失われたオリアナとヴィンセントが戻るわけじゃないけれど、今のオリアナとヴィンセントがミゲルと一緒にこれからたくさんの楽しい思い出を作っていくんだなって。
それは今度こそ失われることがない、かけがえのない思い出になるのでしょうね。

 

ううう、、、素敵すぎる物語でした。
両片思いラブコメとしても楽しめたし青春学園ものとしても面白いしループものとしても傑作だし、そして何より珠玉の友情物語でした。
至福の時間を過ごせました。死にプロ最高!!!
書籍版の続きも楽しみに待ってます!

 

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