椅子職人ヴィクトール&杏の怪奇録3 終末少女たち、または恋愛心中論 /糸森環



椅子職人ヴィクトール&杏の怪奇録(3)終末少女たち、または恋愛心中論 (ウィングス・ノヴェル)

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年10月刊。
アンティーク椅子工房のオーナーとバイト女子高生が遭遇する謎と恐怖を描くオカルトミステリー第3弾。
相変わらず怖いです。怖いんですよ・・・!もう!!!泣
心霊現象の渦中にあって、椅子談義で現実逃避するヴィク杏コンビが可愛いのも平常運転。
今回も緩急と飴鞭の使い方が最高にキマっていました。

ところで3巻サブタイ、語感の妖しさがとても良いですね・・・(うっとり)

☆あらすじ☆
霊感体質の女子高生・杏は、バイト先の椅子工房「TSUKURA」のオーナーであるヴィクトールとはるばる北海道白糠町を訪れた。望月晶の願いどおり彼を見つけた後、二人は当地のホテル三日月館に宿泊。例のアレも出るそのホテルで、杏はゴスロリ衣装に身を包む二人の少女と出会う。心中願望を抱く少女たちに、杏は『毒薬』ーー小瓶入りのピンクの粉末を預けられるが……? ついに杏がヴィクトールへの恋を自覚したり(他の工房に)浮気したり、ふんわりオカルティック・ラブ第三幕!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

終末少女たち、または恋愛心中論

2巻ラストで終わったのかと思いきや、ヴィクトールと杏のドキドキ二人旅は続く模様。
なお、この場合の「ドキドキ」とはあらゆる意味でのドキドキでした。知ってた!

いや、あのね?
私だったらホテルの予約でトチったところで引き返しますよ??ソッコーで寺に駆け込むよね。
でも幽霊からのお電話なんて日常茶飯事の二人は「こわ〜〜〜〜」と青ざめながらも先に進むんですね。勇敢すぎるよ・・・・・・

 

宿無し待ったなしの状態から何とか見つけたホテルに滑り込んだヴィクトールと杏。
そこで待っていたのは心中願望のゴスロリ少女たちと、今まで以上の頻度で起こる心霊現象でした。

 

本当、ひっきりなしに怪奇現象が起こるから心休まる暇がない・・・・・・ワケでもないのが本作の良いところ(そして沼なところ)

 

今回はなんといっても「初めての二人旅」というシチュエーションを存分に使い倒してましたね!!
3巻の内容を思い返すと、ときめくシーンが山盛りで最高だったなぁ。

カップルみたいにスマホを預けたり(塩漬け)、同じお風呂に入ったり(塩漬け)、見知らぬ土地で並んで歩いたり(塩まみれ)、旅先の工芸店で工作体験したり(ねぇ、誰と話してるの・・・)、同じベッドで眠ったり(気絶)、、、

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・心霊現象が山盛りの間違いでは?

 

いや、ときめいたんだ。間違いなく。

だってほら、帯にもある「二番目の男は嫌だ」発言とか良かったよね!?
まぁあそこは爆笑シーンなんだけども。
またヴィクトールが怪しげな発言をしよると思ってたら杏の方がノリノリだったという。
「二番じゃなくて、一番になってくれますか」「初体験はヴィクトールさんがいいです」のセリフは健全です。
強いて言うなら人前でこんな発言をしたこと自体は不健全かもだけど、不健全は不健全で相殺されたのだ・・・・・・「人前」じゃなかったから良いんだよ・・・!

 

悪夢と現実の境目が曖昧なのが本作の特徴だけども、今回は旅先ということもあってか、最初から最後まで丸ごと悪夢みたいな読後感でした。もう何も信じられない。何もかもだ。
あそこまでいくと三日月館自体が実在するのか疑わしくなりません?最後に説明してくれたホテルマンは生者ですか?本当に?帰ってから検索しても何もヒットしないとかない???

 

赤い靴の秘密

前話のオチがあんな感じだったので、「もうこれ雪路くんの友達とか言いつつ死者じゃないの?三人もいたら一人くらいは幽霊でしょ」とかなり疑って読み進めた中編。

 

あぁーーーーそうだったそうだった。このシリーズはそうだった。怖いのは幽霊だけじゃないんだった・・・!でも幽霊も怖いんだけどな!!!(怖さ2倍にするだけ)

 

ヴィクトールたちは警察や探偵ではないので、事件の謎に触れてもそっと蓋をするけれど、それがまた怖すぎる。
真実を闇の中に葬るなよ・・・・・・頼むから・・・・・・

 

ああああああああ

 

今回も面白かったです!!!!!!!!泣

 

スポンサーリンク
 
1

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。