お狐様の異類婚姻譚4 元旦那様が恋を知り始めるところです /糸森環



お狐様の異類婚姻譚: 4 元旦那様が恋を知り始めるところです (一迅社文庫アイリス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから

評価:★★★★★
2020年8月刊。
最高か・・・?
このサブタイでこの物語を出してくる糸森環先生を永遠にお慕いしてしまう。
繰り返すけど最高か・・・?
もう何も分からない・・・・・・4巻が最高だったことしか分からない・・・・・・

☆あらすじ☆
もののけたちの世界で薬屋を営む雪緒の元旦那様は、八尾の狐・白月。彼のことが信用できないでいたが、ついに復縁することを決意!ーーしたのに、雪緒が鬼の青年に執着されたことを理由に周囲に反対されてしまう。そんな中、里で呪が原因と思われる奇妙な病が流行りはじめて……。え? これは鬼の呪で、原因は私!? 仕方なく里を出ることにしたら、かわいいモフモフがお供についてきました!?
大人気★お狐様との異類婚姻ラブ第4弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

帯ィーーー!!

 

自分で「恋する狐様だぞ」とか名乗る白月さま is 何!?と思っていたんだけど(でも「ひれ伏せ」と続けるところは白月様すぎる)、意外と早くきた該当シーンでめちゃめちゃ笑いました。雪緒が読者の代弁者となっている。

 

まぁ白月は日頃の行いが悪いのでそれは良いとしても、相変わらずこのお狐様は化かしてくる。
雪緒がちびもふたちと遊びながら楓と真面目な話をする、シュールほっこりなシーンのオチには死ぬほど笑いました。
ほんとそういうところだぞ!!白月さま!!!

 

それはさておき・・・・・・と言いたいところだけど、この件、全然まったく横に置けません。

 

今回は、白月は雪緒を化かす存在であるという思い込みに完全に騙されました。あるいは、雪緒を化かす存在は白月である、と言い換えても良い。

 

楓に化けて「なんで気づかないんだ!」とプリプリ怒っていたのも、
仔狐に化けて、互いに気づかないフリしたままイチャイチャしていたのも、

 

全部、全部、最後のオチのための仕込み!!!!!

 

特に白月が仔狐に化けてたシーンの罠っぷりがすごい!
あのシーン、1巻からの「化かし愛」という二人の基本スタイルをそのままに、二人の関係の進展具合を感じさせるところだったじゃないですか。
互いに気づかないふりをしたまま、素知らぬ顔で思いっきり甘い言葉を囁いて、一目もはばからずイチャついて。
色々あったし未だに含むところもあるけれど、この二人はあと一歩なんだなぁと思わせるシーンだったじゃないですか。

 

だから、だから、私は・・・・・・

 

なんとなく瞳の色の描写に違和感を覚えても流しちゃったんだよ・・・!

 

あれ?怪しくね?とは思ったの。本当に。でもその後のあれこれで気づけばすっかり忘れてました。
そして忘れた頃に殴ってくるのが我らが糸森環先生なのである。

 

で、ここからの展開が更にすごかった。

てっきり、再び雪緒と縁を結べた三雲が猛攻をかけてくると思ったんですよ。
また鬼にさらわれちゃう展開かな?とか予想してました。

 

そんな甘いものじゃなかった・・・・・・

 

人と怪が違う存在とはどういうことか。
人と鬼が近い存在とはどういうことか。
そして「恋」とはどういうものなのか。

 

七夕祭りの騒ぎのなかで、少しずつ張り巡らされ、心にそっと置かれてきた疑問を、最後の最後に畳み掛けるように突きつけてくる。

もう、本当に、なんて鮮やかな展開だろう!!
ここぞという時にバシィッと決まる激しい鞭!!!
(表紙怖・・・!)

これだから糸森環作品を読むのはやめられないんだ!

 

そして最後の最後に今回のサブタイトルの意味もえげつないほど効いてくる。

白月様が恐怖した「変化」は、きっと「恋」の芽生えなのだろう。
でも雪緒が頑固に抱き続けた「恋」はどこまでが「恋」なのだろうか。

いやいや、まさかここにきて雪緒が心変わりするなんて有り得ないでしょう、盲目的に一途な恋こそ雪緒の本質でしょう。
と、メタ的には思うんですよ。雪緒は絶対に白月以外に目を向けないと。

 

ただ、彼女のなかでゆらぎが生じているのも事実だと思う。
最初、そのゆらぎは指切りの儀式によるものかとも思ったんだけど、そこはまだ謎ですね。どちらにせよ、ゆらぎは起きてしまった。
これが私の恋なのだと語りながらも、「お願い、そうであって」と祈る姿は不安を掻き立てられます。
孤独で盲目的な恋は、何気ない賑やかな団欒に涙するほど雪緒を追い詰めていたことも知ってしまったからなぁ・・・・・・

 

ここを乗り越えることに、きっと大きな意味があるはず。
これから、彼らは互いに覚悟を問われていくのでしょう。
人と怪の違いを強調してきたこの異類婚姻譚が、両思いになったからハッピーエンドです、なんてする訳がないのだから。

 

でもまぁ雪緒が揺れるのも仕方ないよねぇ。三雲さんは素敵だからな・・・!(徐々に三雲推しになりつつある私)(不憫健気系に弱い)(ビジュアルも好き)

 

しかしね、白月の恋の予感にワクワクしていた昨日までの私の気持ちはどこへやればいいんですか?
あのサブタイからこのラストの二人を想像しろって無理じゃない?最高か???

 

あんなに近づいたと思っていた二人が、関係を進めたことで遠ざかる。
果たして雪緒自身も気づけない彼女の心はどこにあるのか。

 

彼女の心をあらわす、その味は。

 

・・・・・・ここで5巻を待つしか無いのかーーー!!嘆

 

うまく感想本文にねじ込めなかったので余談で続けます。

まず宵丸!

前巻は最後の最後でゾクッとさせてきた宵丸が、4巻はどう絡んでくるのかと思いきや、想像以上のあざとさを振りまいて「ずるい!!!」ってなりました。
仔獅子モードなんだよあれ、ずるいよ。可愛すぎるじゃろうが。

それは千速の特権だろと思っていたら、チビもふもふには相乗効果があると知りました。可愛いが2乗3乗4乗・・・・・・

凪かすみ先生のイラストも今回もふみ多めで最高でした。
宵丸にばんざいされて死んだ目する千速が可愛すぎる(そして隣のちびが・・・笑)

 

今回も新キャラが続々と登場したんですが、個人的にインパクト抜群だったのが烏那

テンプレオネェキャラだと思ってたーーーーー!!!ちがったーーーーーー!!!!

その正体というか、オネェキャラっぽい理由にぞわりと。これこそが怪の愛だよな。いやぁ、正直めっちゃ好きです。

 

それにしてもラストシーンめちゃめちゃ美しかったですね・・・・・・

最後の白月と雪緒、抱き合いながら心がすれ違っているところが本当に切なくて絵になる。

恋がわからなくなった雪緒と、恋を知り始めた白月。
これ以上考えたくないから奪ってほしい雪緒と、考え始めたゆえに奪えなくなった白月。

美しいなぁ。このサブタイで、サブタイ通りの話で、こんなにも美しくて切ないすれ違いの結末になるのか。流石すぎる。

 

 

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「お狐様の異類婚姻譚4 元旦那様が恋を知り始めるところです /糸森環」への2件のフィードバック

  1. こんにちは、糸森さんの小説にはまりこちらに辿り着きました!お狐様4読み終わり、気持ちのやり場に困り、、コメントさせてください。笑
    帯ーー!!!からの、、、
    白月の恋の予感にワクワクしていた昨日までの私の気持ちはどこへやればいいんですか? ←激しく同意です。
    それぞれの思いに胸がくるしくなります。
    三雲推しになってくる気持ちもわかります。笑 宵丸も、なんなら真っ直ぐすぎる由良だって素敵すぎる。
    でもですね、やはり白月様がどんな変化をしていくのか楽しみで早くも5巻が待ちきれません。もちろん揺れる雪緒の気持ちの行方も。。
    ちなみに、何げない烏那と化天の会話、“人は憎い相手でさえ当たり前に救う”“天昇して神階を駆け上がるような者もまた、似た性質を持つと思う” という発言も気になります(°▽°)
    そんなわけで(全然まとめられませんが)、本当に4巻最高ですね!

    別件ですが、糸森先生のおすすめ一覧参考にさせていただき読み進めてます。今後も楽しみにしています!

    1. ともさん、コメントありがとうございます。

      糸森先生の作品は良いですよね!
      大ファンなので、糸森先生繋がりで当ブログにお越しいただけて大変光栄です!
      4巻は最高すぎたので気持ちを叫びたくなりますよね・・・・・・ぜひぜひ、うちのコメント欄で良ければ遠慮無くどうぞ(^O^)/

      「お狐様」は全ての登場キャラが魅力的で困りますよね。
      私は微妙に三雲が気になってたまらなくなっているのですが、それはキャラ単体の話でして。
      カップルでいえば絶対に白月×雪緒です!!
      この二人の関係性の変遷に毎回たまらなくなります。今回の二人の心境の変化とかドキドキしっぱなしでした!

      >ちなみに、何げない烏那と化天の会話、“人は憎い相手でさえ当たり前に救う”“天昇して神階を駆け上がるような者もまた、似た性質を持つと思う” という発言も気になります(°▽°)

      おおー!素晴らしい着眼点かと。
      言われてみれば確かに気になるセリフですね・・・!
      お狐様はまだ数多くの伏線が残されているので、今後どんな展開になるのか楽しみで仕方ないですよねっ!!

      >別件ですが、糸森先生のおすすめ一覧参考にさせていただき読み進めてます。

      ありがとうございます!!
      糸森先生の作品は全て好きなのですが、特に好きなものを私の趣味で選ばせていただきました。
      楽しんでいただければ嬉しいです(*^^*)

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