マルタ・サギーは探偵ですか?2 冬のダンス +短編集2 /野梨原花南



マルタ・サギーは探偵ですか?2 冬のダンス (富士見ファンタジア文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから

評価:★★★★☆
『マルタ・サギーは探偵ですか?2 冬のダンス』2005年3月刊。
『マルタ・サギーは探偵ですか? a collection of s.2』2006年4月刊。

少しずつ読み進めています、マルタ・サギー。
この作品の醸し出す空気、最高すぎません?
異世界の街にひとり、馴染みつつあっても、溶け込むまではいかなくて。
楽しくやってるんだけど、どこか寂しそうでもあって。
なんだか胸がしんみりしつつ、ふわっと包まれるような温かさも存在するんですよ。その感覚がとても心地良いんだ・・・・・・

☆あらすじ☆
大人気ファンタジックミステリー、お待たせの長編第二弾!
舞台は異世界、霧の街・オスタス。スレイリー・ドラゴン誘拐事件で一躍その名をあげたはずのマルタだったが相変わらず貧乏だった。そんな折、オスタス市民に愛される、怪盗ドクトル・バーチが突如消息を絶った……。

以下、ネタバレありの感想です。

 

マルタ・サギーは探偵ですか?2 冬のダンス

 

カード戦争勃発!!!!

1巻で話に出てきたけどもオスタスに流れ着いてからは宙に浮き、そのまま短編集を読んだものだから、うっかり存在を忘れかけていたんだけど(記憶力ザルか?)、2巻で本格的に始まるんですね。これはワクワクしてきた!

オスタスでのマルタの暮らし(というかバーチとの対決)とカード戦争って関係あるのか疑問だったので、ここでC派やF教室の話をもってくるのがテンションあがる。
カード戦争部外者かと思われたバーチも関係者だったわけですか。
その一点で協力できそうな気もするけれど、探偵と怪盗はあくまでライバルだからタッグは組まないか。今のところは。

 

そしてアウレカ再登場!

わーーーーい!!!
アウレカ、憎めない曲者って感じのキャラクターが最高に好きだったので物語に舞い戻ってきて嬉しいです。
マルタを挟んで「相棒」と「助手」がバチバチしてるの可愛い。なにこの男だらけの三角関係。バーチ(男性Ver)も参戦しよ!

 

この2巻、他にバーチ負傷でマルタが活躍したり、リッツの素性が明かされたりもして、物語が本格的に動き出したな〜〜という感じが楽しかったです。

 

個人的に好きなシーンは、愚弄されたと激怒するバーチをクールになだめた後で部下に「潰せ」と支持するジャック氏。
こういうの好き〜〜〜〜!見よ、この忠義を!!!!

 

マルタ・サギーは探偵ですか? a collection of s.2

 

続けて読んだ短編集2冊め。
「マリアンナ」のときのバーチとここで初めて知り合うんですね。なんかもうずっと前から知ってた気がするのに(?)

この短編集、本編よりも明るくてにぎやかで楽しいんだけど、それでいて、マルタが時折みせる寂しげな雰囲気がとても印象に残ります。
特に胸がしめつけられたのは、ひとりになったマルタが「鉄腕アトム」の主題歌を口ずさむシーン。

マルタは小さく歌いきる。
それでもしばらく、オスタスを見つめた。
二番は今は思い出せない。
知らないのかも知れない。
誰にも訊けない。
マルタしかアトムを知らない。

元いた世界では、家族とは疎遠で学校も中退したマルタ。たぶんそこに彼の居場所はなくて。
一方のオスタスにはリッツもジョセフ犬もいるし、ライバルもいるし、仕事もあって、ちゃんと彼の居場所はある。

それでも、「帰りたい訳じゃない」と言いつつ歌うアトムが郷愁をさそって、なんだかとても切なくなりました。
ああ、マルタは異邦人なんだなって。ここに彼と根を同じくする人はいないのだ。

ひとりぼっちではなくても、孤独な存在であるマルタ。
普段はのほほんとしているマルタがにじませる影に心が奪われてしまいます。これがエモいってやつですよ。好きだなぁ。

 

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