ティアムーン帝国物語 断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー /餅月望



ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年10月刊。
これは楽しい!そして可愛い!
革命により断頭台に散った帝国の姫が、なぜか子供時代に時間遡行。
イラスト担当のGilseさんの「マリー・アントワネットを再解釈したような物語」というコメントに、まさにそれだ!と膝を打ちました。

ポンコツわがまま姫は一度失敗して、ちょっと成長したポンコツ姫へ。
しかし実際の成長以上に周囲は彼女を過大評価していって・・・・・・というすれ違いモノ。

アホの子がデキる子だと誤解されていく話なんだけど、このアホの子がとても愛嬌があって可愛いんです。
主人公の素顔が魅力的だからこそ「勘違い」が光る作品だと思いました。
良いものを紹介してもらえました。続きも読んでこ!

☆あらすじ☆
崩壊したティアムーン帝国で、わがまま姫と蔑まれた皇女ミーアは処刑された――はずが、目覚めた彼女は12歳に逆戻り??第二の人生でギロチンを回避するため、帝政の建て直しを決意する。手始めに忠義に厚い下っ端メイドと、左遷されたが優秀な文官を味方につけ、失敗した過去をやり直す日々が始まった。けれど、ミーアの本音は「我が身の安全第一」。仇敵を遠ざけ、人脈作りに励むうちに、なぜか周囲の忖度で次々と奇跡が実現!やがて、身勝手なはずの行動は大陸全土の未来を大きく変えていくのだった……。
「こ、これぐらいわたくしにかかれば簡単ですわ!」
保身上等!自己中最強!小心者の元(?)ポンコツ姫が前世の記憶を使って運命に抗う、一世一代の歴史改変ファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

今度こそギロチンを避けようとする第一皇女ミーア
前回の自分の記憶と日記をたよりに、ミーア姫は必死で味方をつくり、革命が起きないよう奔走し、万が一の逃亡用の人脈を構築しようと決意します。全ては自分が助かるために。
一方、まるで慈悲深き賢者のような行動をとるミーアの姿に、周囲の人々は彼女を「帝国の叡智」だと褒め称え、心酔していくようになり―― というストーリー。

 

過大評価ここに極まれり。

ミーアが自分のために頑張れば頑張るほど、「なんて素晴らしいお方なのか・・・!」と感動する周囲の人々。
ミーアの行動すべてをクリティカルに都合よく捉えてくれるんですよね。完璧に考えすぎの妄想なんだけど、その勘違いがうまくミーアの思惑と客観的な状況にハマっていくんです。これが面白かった。
ミーアの本音と周囲の評価のひどい高低差が良いんだよなぁ。もう、こんなの笑っちゃうでしょ!

 

でもこの設定、ミーアのキャラ付けがもう少し違えば、私はあまり好きになれなかった気がします。だって主人公に都合が良すぎるもの。
いくら前回の経験があるとはいえ、イージーモードでは話がつまらない。

が、本作は勘違いの中心に立つミーアのキャラクターこそが秀逸だと思うんです。

ミーアって、小心者だし、微妙に器も小さいし、寛容というより臆病だし、すぐ調子乗って失敗するし、まごうことなきポンコツ姫。
特にシオン王子への恨みつらみの発露はとても小物っぽくて、笑っちゃうくらい「お姫さま」らしくないんですよ。

でも彼女はそれだけじゃなくて。

前回のアンヌの忠義に報いようとする気持ちとか、アベル王子の親切にすぐ気づくところとか、本人は無自覚っぽい優しさや気配りがとても心に残る。
前世のトラウマや打算を取り払ったところにあるミーアの本質って、とても素朴なお人好しっぽい気がして。
ネガティブな一面も含め、等身大の普通の女の子なんだよなぁ。

 

うーん、やはり前世のミーアの不幸は、すべて「皇女として生まれたこと」にあるよなぁ。
だって少しずつ語られる前世のミーアも決して悪女というわけじゃないのだし。
むしろシオン王子に断られて半泣きでお弁当を食べてたエピソードとか可哀想すぎて可愛かったし・・・・・・あそこらへん、「前回のミーア」もミーアなんだなってほっこりしました。
とはいえ、無知ゆえの傲慢と無関心が「皇女」としてはアウトだった訳だけど。

 

そんな「アウト」からの逆転を目指す今回のミーア。

誤解や勘違いはさておき、着々と仲間を増やしていく様子はとても微笑ましいです。
お見舞いシーンの幸福感にちょっとウルッときました。この調子で幸せを掴んでいってほしいな。

 

そんな仲間うちでは、アンヌとの主従関係がとても好みでした。
すぐ調子乗って失敗するミーアが泣きながらアンヌを呼ぶの、ドラえもんとのび太くんを連想してしまう。かわいい。頼られるアンヌもちょっぴりポンコツなので更に可愛い。この少女主従は癒やしですね。お風呂でキャッキャッするシーン好き。

 

ラブコメ方面も気になるところ。
アベル王子との甘酸っぱい雰囲気・・・・・・これは、これは、ラブコメを期待していいんですね!?!?
私としては、前回の恨みを抱えるミーアと、そんな彼女に惹かれてるのに袖にされて不貞腐れるシオン王子の関係にも微妙なエモさを感じて気になるところなんだけど・・・笑

 

色々と楽しみです。
続きも近日中に読んでいきたいと思います。

 

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