テスタメントシュピーゲル1 /冲方丁



テスタメントシュピーゲル1 (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前シリーズの感想はこちらから

評価:★★★★★
2009年11月刊。
面白すぎる・・・・・・あまりにも面白すぎる・・・・・・
オイレンとスプライトの段階でも「おっもしろーい!ひゃっほーう!」となってたのに、嘘やんこんな面白くなるとかありえるの・・・?

本当はブログに感想を書くよりも続きを読みたい気持ちでいっぱいです。
でも1巻を読み終えたこの瞬間の絶望と感動と興奮は今しか書けないと思ったので、グッとこらえて感想を書きます。

もうね、心が血塗れなんですよ。
今までの全てが容赦なく心を握りつぶした。丁寧にすり潰されて、ぺしゃんこになった。

なのに悔しいくらい面白い。

どうしたらいい?面白すぎるんだけど、これ、まだ1巻なんですよ??
本当にどうしたらいいの・・・・・・

☆あらすじ☆
西暦2016年、国際都市ミリオポリス。憲兵大隊(MPB)に所属する涼月、陽炎、夕霧は今日もささやかな休息を寸断され、テロリスト集団と対峙していた。機械化された肉体を武器に重犯罪者と戦う〈特甲児童〉、だがその心にはいまだに癒えぬ痛みがある。単純に見えた事件の奥に過去へと繋がる断片を見出し、独自の調査へ乗り出す少女達。事態は重大な局面へ……。
『天地明察』で2010年本屋大賞第1位を獲得した冲方丁の衝撃的ライトノベル、新シリーズ突入第1弾!

以下、ネタバレありの感想です。

 

まずプロローグで血を吐いた。

さよなら、ミリオポリス。
あたしは今日、死ぬことにしたよ。

テスタメント・・・・・・「遺書」。遺書だよ。そうか遺書。うん。。。。

 

眠る吹雪の横で、切々と神に訴えかける涼月。
静かに滔々と綴られる絶望。『A.S.A.P』に込められた約束。「世界を救いたい」ことの意味。
謝罪と感謝と、――拳銃の位置を確かめながらのキス。

このプロローグ、あまりにも地獄すぎて一周回って最高に好きです。
こんな心から血を吐くようなラブレターある?
絶望の中で愛が炸裂し、私の心は血塗れです。

 

ドアが開いてるか確かめたかっただけだという箇所にも辛くなる。
人生の選択肢を奪われた少女。確認せずにいられなかった不安。
「選んだと思いこむ」のではなく、本当に選びたかっただけなんだと・・・・・・

 

で、そんなプロローグで殴ってきたくせに、物語は能天気できゃわいいWデートに移行するんですよ。
冲方丁先生には心がないと思った。
ねぇこれどんな気持ちで読めばいいの? ラブコメを楽しめばいいの? 「かつてあった幸せな時間」に変わることを切なく思えばいいの? ねぇ教えてよ先生。。。

 

テンションの落差に心が追いつかない中、またも事件が発生するミリオポリス。
脳を奪われた少女とAP爆弾の関係、枢機卿が犠牲になった遊覧船爆破事件。
そこから見えてくる、過去の事件との繋がりとは―― というクライム・サスペンスな面白さは秀逸で、徐々に最初の動揺からも立ち直っていきました。

 

むしろ物語の深みに迫っていく内容はテンションぶち上げるほどに面白かった。

捜査官としての尋問スキルを学ぶ一方で受験本番に挑む涼月、
過去のトラウマと向き合う覚悟を決めた陽炎、
白露への想いを込めて危険な電子戦に身を投じる夕霧。

これぞ最終章!という感じで、今までの全てがリンクし、全体像を浮かび上がらせていく。
このシリーズで描こうとする「絵」が見えてきそうな予感だけでもワクワクします。
まだ全貌は見えてこずとも、その「絵」の大きさだけは感じる。なんだこの壮大さ。最高に面白い。

 

MPBを主軸に物語が進むけれど、MSSのメンバーも登場して、オイレンとスプライトの合流を感じるのも楽しいんですよね。
「逃げていい?」と聞いた雛に「逃げろ」と言った涼月、痺れるくらい格好良かった。。。

 

あとシリアスな中にもコメディが光ってて、特にピクリーンのくだりが大好き。
やけくそで真面目にピクリーンする涼月が楽しすぎたし、涼月の頑張りを後から知ってノリノリで加わりつつ少し怒っている陽炎と夕霧に「絆ァ・・・!」となった。小隊長ひとりに恥ずかしいことさせないぜ!ヤー!!ケルベルス小隊大好き!!

 

好きといえば、夕霧に振り回されるMSSとMPBのマスターサーバーが可愛くて可愛くて。
まさかここでもカップリングができるとは。シュピーゲル、すかさずカプ厨を喜ばせてくるの本当に何なの?

 

やっぱシュピーゲルおっもしろいな〜〜〜〜と読み進めて。

 

どんどん高揚感が増していって。

 

 

そして地獄に堕ちました。

 

 

終盤の、なに、なにこれ、、、なに?

 

自分がサンドバッグになった気持ち。絶え間ない攻撃。畳み掛ける真実。
目に飛び込む文字の全てが強烈すぎるパンチ。呼吸が出来ない、息が吸えない、誰か助けてと叫びたいのに誰が助けてくれるのかも分からない。誰も信じられない。
裏切られた。勘違いしてた。知らなかった。なんだこれなんだこれなんだこれ・・・・・・

 

なんだこれ。

 

ああ、地獄なんだと思った。あるいは悪夢。

 

涼月が出口を探してくれるっていう陽炎の信頼。その末路をこんな形で描くとかある??

 

いやいやいや知ってたはずだ。はい私は知ってました。だってプロローグの「テスタメント」を読んだじゃないか。
いくら中盤の物語が面白すぎたからとはいえ、忘れていたとは何たる怠慢。

 

そもそも、あれだけ「シュピーゲルのラブコメを楽しむのは危険なんじゃないか?痛い目みるんじゃないか?」と何度も何度も自分で警戒してたじゃん。ある意味では予想通りでしょ。嘘だ無理無理こんなの予想できるか!

 

だいたいさ、

陽炎が真実と向き合う形で成長をみせて、なんか中隊長と対等になってる雰囲気なの最高じゃない?
通過儀礼を乗り越えたときに、少女は「大人の男」に相応しい「大人の女」になれるのかもね!(でも頭よしよしされて花畑咲いちゃうの可愛い)

とか呑気に読んでた私の気持ちを考えてくれよ。
そして陽炎のラストの告白を読んだ私の気持ちも考えてくれ。
クソッタレ!!!と叫べば良いのか、ありがとう!!!と叫べば良いのか。心がぐしゃぐしゃだよ・・・!

 

これ以上はもう受け止めきれないんですけど・・・と泣きそうになったのは夕霧の腎臓の話だし、地味に一番ショックだったのは涼月の両親の真実でした。
マジであれが一番心にキた。今まで見ていた世界が一瞬で色を変える感覚。優しくて残酷な真実という二律背反をぶっこんでくるテクニックが憎い。

 

怖い。
私はシュピーゲルが怖い。
こんなにも苦しいのに、最後の最後で一気に心を高ぶらせてきたシュピーゲルが怖い!!!
鳥肌が総立ち!!!!!!!!!

 

なんだよもう!!!!!
最高に面白いじゃないか!!!!!!
なんなんだよ!!!!!!!!!!!!!!!

 

私は吹雪くんのメッセージでギャン泣きしたんだからな?
101回めは幸せなキスをして終了しないと私の心が吹っ飛んじゃうからな??

お願いしますよ・・・・・・

 

というわけで2巻、いってきます・・・!!

 

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