矛盾が神を殺すまで 1~その矛は世界を穿ち、その盾は神々を砕く~ (HJ文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
評価:★★★☆☆
2020年4月刊。
最強の矛と最強の盾を対決させたらどうなるのか?から始まるファンタジー。
敵同士の家に生まれた恋人というロミジュリっぽい設定のカップルですが、悲恋系ではなく仲良しの幼馴染カップルでした(もう少しロミジュリ設定を生かしても良かったんじゃないかとは思う)
まったく正反対の性格で、その凸凹がかっちりハマってる感じの二人組です。とても可愛かった。
内容的には序章すぎて評価に迷うところ。続きを読ませてほしいな〜
☆あらすじ☆
『絶対貫通の矛』と『絶対防御の盾』。王国に伝わる矛盾する二つの至宝が、何の因果か同じ時代に揃う。それぞれの継承者、矛の騎士ミシェルと盾の騎士ザック。恋人同士であることを隠している二人に、突如「矛盾の結末を明らかにせよ」という決闘の王命が下る。ミシェルとザックはどちらの『絶対』が上かを証明するため激突することになり―― その対決の結果は……あまりにも予想外のものだった!!
世界の裏側を知ったザックとミシェル、二人の運命が動き出す!
以下、ネタバレありの感想です。
神々の落とし物『遺物』。
そのうちの二つである「絶対防御の盾」と「絶対穿貫の矛」を継承したザックとミシェルは、敵対関係にある家に生まれながらも密かに交際してきた恋人同士だった。
しかし二人の日常は、功名心にかられた国王の「どんなものでも貫き通す矛で、どんな攻撃でも防ぐ盾を突いたらどうなるか?」という実験によって無惨にも壊れてしまう。
遺物喪失の失態を隠そうとした国王によって命を狙われることになったミシェルとザックは、ザックのメイドであり他国のスパイだったドロシーの手を借り、国外へ逃亡することを決意して―― というストーリー。
全ての発端となる『神魔戦争』。最強の盾と矛に隠された秘密。
ザックたちを呼び寄せようとする神聖エリアス国の真意。
などなど、様々な伏線が置かれていますが、1巻の時点ではその多くが謎に包まれています。
すごく面白くなりそうなんだけど、序章すぎて何とも言えない感じ。
国外逃亡に至った経緯があまりにも理不尽というか、ぶっちゃけ稚拙だったので、少し微妙な気持ちになったりもして。
国王も黒幕のデミアンも発想が短絡的すぎて小物臭すごかった・・・・・・
が、彼らは序盤のボスでしかないようなので、物語が壮大になっていくのはこれからなのでしょう。
それよりも良かったのはザックとミシェルのラブコメとバディっぷり!
生真面目で理屈っぽいザックと、天真爛漫で感覚派のミシェル。
正反対のキャラクターをしてるんだけど、互いに互いの不足を補い合っている感じがすごくお似合いのカップルでした。
特にミシェルは可愛かったな〜。
アホの子なんだけど、ザックを無邪気に信じたり、かと思えば「うちの彼氏、メシマズ・・・?」とドン引きしてたり、くるくると感情が動いていく快活さが良かった。
バトルシーンも二人の息ピッタリなコンピプレーが良かったですし。
盗賊とかデミアン相手では物足りないので、今後もっと強大な敵との戦いに期待したいところです。
何はともあれ続いてほしいな。
今後の展開に注目したい新作でした。