婚約者が悪役で困ってます2 婚前旅行記 /散茶



婚約者が悪役で困ってます: 2 婚前旅行記 (アイリスNEO)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから

評価:★★★★☆
2017年12月刊。
前巻で綺麗に終わっていたと思ったんだけど、なるほど終わってなかったわ!!となった第2巻。
乙女ゲームの世界に転生し、「悪役」の婚約者となって、彼の破滅を回避して。
そこまで来てようやく見えてくるものがあるのだと知りました。
これは良い続編だった。とても面白かったです。

☆あらすじ☆
ゲーム世界のモブに転生し、美形だが冷徹な悪役・ベルンハルトの婚約者になってしまったリジーア。破滅回避のための『ベルン死んだふり作戦』も無事成功し、穏やかに結婚までの暮らしを楽しんでいた二人のもとに、ベルンを慕う令嬢(縦ロール)がやってきて――? 人気作品の続編が書きおろし短編付きで登場☆

以下、ネタバレありの感想です。

 

ベルンの破滅を回避して、死んだふりで継承問題も解消して、ようやく訪れた平穏な時間。
しかし牢獄でベルンが囚われている悪夢を見続けるリジーアは言い知れない不安を抱えていた。
そんな折、ベルンを追いかけて現れた伯爵令嬢エルメンヒルデの亡命を手助けすることになったリジーアは、悩みを振り払うかのように婚前旅行へと出ることになるが―― というのが2巻の話。

 

10歳で記憶を取り戻して以来、リジーアは彼女なりに必死でベルンに寄り添って運命を変えようと気を張ってきたわけで。
その憂いがなくなったことで、ようやくリジーアは彼女自身と向き合うことができるようになったのでしょう。

エルメンヒルデが発した「ずるい」という言葉が刺さってしまったリジーア。
そういや前巻でもダリウスに「お前は選べないんじゃなくて、選ばない。それは卑怯に思える」という趣旨のことを言われていたなぁ。

シナリオを知っているリジーアがもっと頑張って動けば、もっと良い結末があったのかもしれない。
都合がいいときだけ知識を利用して、あとは流れに任せていたリジーアは中途半端なのかもしれない。

でもさぁ、それって結果論じゃん、と私なんかは思うわけですよ。
リジーアにとって自分が生きる世界と乙女ゲームは完全にイコールだと確定したわけではなくて(だから相違点も普通に受け入れていたわけだし)、何がどう動くのかも分からないなかで頑張れるわけないじゃん。怖いよ。だって大事な人たちの破滅がかかってるんだから。

必要最低限の介入だけして、ベルンの動向だけに目を光らせて、悪いことが起こらないように祈り続けて・・・・・・

それを卑怯だ中途半端だ愚図だと自分を責め立てるリジーアの姿が痛々しくてたまらない気持ちになるんです。
いや、世界に責任を負いすぎでしょ・・・・・・悪い結果になったヴィオラやアロイスは彼らが好きなように行動した報いなんであって、それにリジーアが責任を感じる必要はこれっぽっちもないでしょうが!

と、思うんだけど、そういうこと考えちゃうのがリジーアの優柔不断で、優しいところなんだろうな。
シナリオを知ってる自分がベルンに大事にされていることすら、今さらながら強く負い目に感じちゃったんだろうなぁ。ベルンにはもっと他の未来があったんじゃないかと。

 

そういう迷いを抱えたリジーアの夢に現れた【ベルンハルト】。
最初はなんで悪夢を見せてるんだろうと思ったんだけど、これってリジーアのいう「ベルンにあった他の未来」を見せてたわけで、、、逆説的に、今リジーアの隣で笑っているベルンがどれだけ幸せなのかを教えていたわけで。

そして、【ベルンハルト】はリジーアにこそ「他の未来」もあるんだよって知らせたかったのかな。繋いできた手をここで離してもいいんだよって。
でもこっそりと負荷をかけてリジーアを試すあたりが【ベルンハルト】もベルンだなぁと思いました(悪意と暴力に慣らそうとしてた人間と根っこが一緒だなって)(2巻リジーアの場慣れ感すごかったすね)(度胸めちゃめちゃ付いてるww)

 

「僕は君に救われたなんて思わない」と言いながら握り潰す素振りをみせて、それでも綺麗なままのエリカの花(幸せな恋の象徴)が手から落ちていくのを【ベルンハルト】は悲しげに見つめていて・・・・・・
そんな顔して「だから君も、もう自由になりなよ」とか言ってもさ、あざとい!さすがベルンあざとい!!と思っちゃいますよ。
そんなことされてリジーアがベルンを放り出すわけないじゃーん!演技と分かっていてもベルンのしょぼくれ顔に弱い女だぞ!笑

 

でも、良い展開だなぁとしみじみ思いました。
乙女ゲーム転生もの、やっぱり「ずるい」と思う部分はあるからね。先に多くの情報を持って戦いに挑むので。
だからこそ、そういう「ずるさ」に向き合ってくれるのは面白いし、そこを乗り越えて、何にも囚われない素朴な感情を描いてくれるのが嬉しい。
何だかんだ振り回されてきて常に余裕がなかったリジーアが、ちゃんとベルンに恋していることを描いてくれたのが何よりも嬉しい。

 

色々あったけれど、好き同士がラブラブハッピーエンドを迎えてくれれば文句なし。
というか、あんな皮肉屋で破滅型の【ベルンハルト】を見たあとで、ダッシュでエリカの花を取りに行くベルンを見せられたらさ、これ以上の結末あります!?!?!?って思うしかないでしょ。
今が最高の未来だよ、リジィ。

 

とても面白かったです。オススメいただいた方々に感謝を!
WEB版にはこの続きが書いてあるようなので(転生者疑惑のママの話?)、そちらも読んでみようと思います。

 

婚約者が悪役で困ってます(小説家になろう版)

 

 

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