婚約者が悪役で困ってます /散茶



婚約者が悪役で困ってます (アイリスNEO)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2017年6月刊。
面白かったー!
乙女ゲームの世界に転生し、「悪役」の婚約者という微妙な立場に割り振られてしまった主人公。
大切な婚約者が悪いことをしないよう見張りつつ、仲良しこよし(時々血みどろバイオレンス)の学園生活を送る物語です。

この婚約者、のほほんマイペース犬型悪役系思春期男子でした。
なんだそれって感じですか?めっちゃ可愛いってことですよ。

それにしても「悪役」って良いね。
ヒーローの闇が深い案件が好きな人にはたまらないと思います。私は大好物なやつだった!

☆あらすじ☆
ある日、私・リジーアは気がついた。この世界は乙女ゲームで自分はモブだということに。しかも破滅ルートのある悪役、ベルンハルトと婚約することになってしまい……。かっこいいし有能な次期公爵だし、親切で優しい人だけど、もしかして裏では悪いことを!? 仲良くなって彼の破滅を回避しないと! きっと、仲良くできる! 仲良くしてみせる! ……たぶん。悪いことダメ絶対。破滅回避の学園ラブファンタジー☆

以下、ネタバレありの感想です。

 

乙女ゲームのモブキャラに転生した侯爵令嬢リジーア
ゲームにおける最大の悪役ベルンハルトの婚約者となった彼女は、継承問題によって常に命を狙われてきたベルンの境遇を知り、寂しがり屋なベルンの傍にいる覚悟を決めます。ベルンが悪いことをしないように見張ろう!と。

 

というわけで、乙女ゲーム悪役令嬢転生モノの派生パターンな本作。
この話でまず面白かったのは、「シナリオ」を知った上で介入してくる人間が何人もいることでした。
ゲームヒロイン・ライラの不気味さや、レールから外れるように「モブ」のリジーがトラブルに巻き込まれていく展開はハラハラドキドキ。

何がドキドキするかって、リジーがピンチになるとベルンが凶悪化するんですよ。「悪役」の出番だ!ってなっちゃうの。

ベルンってリジーのピンチに微妙に間に合わない男なので、役回りが復讐者みたいになっているんですよね。仕返しは任せろって感じ。
いや、これは恐らく、リジーの寝込み襲撃事件のあとの拷問シーンの印象が強烈に残ってるせいか。
すごかったなー、あのシーン。血みどろ。バイオレンス。
ベルンハルトは基本的にのほほんとした男なんだけど、ああ本当に悪役なんだなぁとしみじみ理解できるシーンでした。金槌こわい・・・・・・

 

あのシーンはリジーも「拷問は夫婦(予定)の共同作業!」とか素っ頓狂なことを言い出して面白かったです。
でも後々ベルンハルトがリジーを試して悪意と暴力に慣れさせようとしていたことが判明して、もうゾッとするやらワクワクするやら(笑)

確かにリジー、途中から慣れたというか麻痺してたもんね。
殺しはよくない→拷問はよくない→流血はよくない→(金槌ゴッ)→死んでないからヨシ! の流れはめちゃめちゃ笑ってしまった。笑い事ではない。

私は乙女ゲー転生ものを読んでいたはずなんだ。しれっと極妻を育成するんじゃない!笑

 

脳天気なリジー視点で語られるから、軽快でコミカルなノリに笑いながら楽しく読めるんだけど、ふと彼女の後ろを見ればゾッとするほど闇が深い。
ライラ問題の顛末とか、棺の穴埋めにされた人もそう。
個人的には、リジーを悪意に慣れさせようとしたことにベルンハルトが自覚的だったことが一番闇が深いと思いました。
どこまで自分についてこれるのか、途中で逃げださないか、試して試して、それでも安心できなくて。
でもそんなやり方じゃリジーを闇に引きずり込むだけだから安心なんかできるわけないだろー!って思った直後のリジーの言葉が最高でした。

「ベルンにとって何が普通なのか、私にはわからない。でも私たちは私たちの普通になればいいんだと思う。それが他の人から見たら少しおかしくても、私はそれでいいよ。後悔なんてしない」

ベルンの抱える闇ごとふわっと受け止めるリジー、ほんと素敵。
リジーってベルンを悪役にしないように頑張ってきたけれど、彼の悪役的な部分を否定はしないんですよね。いやだな〜っていう自分の気持はやんわり伝えるけど拒絶もしない。
だってそれはベルンの一部じゃんって自然に受け止める一方で、普通に「え、こわ・・・」と怯えてる。
その普通じゃない普通さがすごく良い。だからこその「私たちの普通でいいんだよ」という言葉の説得力。
私なら目の前で金槌が振り下ろされた段階で尻尾巻いて逃げてますよ。うん。だって金槌こわいじゃん・・・?(2回め)

 

なんかベルンの悪役モードの感想ばかり書いてしまったけれど、リジーにお手製刺繍ハンカチをプレゼントしたり、照れてベッドから転げ落ちたりする思春期モードも好きです。
抱えた闇は深いくせに、リジーへの気持ちも(彼女に返してほしい気持ちも)激重なくせに、同衾には「不健全だ!」って叫ぶベルンかわいすぎか?羞恥心のスイッチが分からなすぎて可愛い。

 

オススメされて読んだ作品なんですが、とても面白かったです。
ていうか綺麗に終わってるのに2巻もあるんだ??続けて読みますね!

 

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