十三歳の誕生日、皇后になりました。3 /石田リンネ



十三歳の誕生日、皇后になりました。3 (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年6月刊。
『茉莉花官吏伝』のスピンオフとしてスタートした本作。
これまでは単独で楽しめる内容になっていたけれど、この3巻は『茉莉花』の4巻まで読んだ後に読んでほしいやつだな、と思いました。
今回は『茉莉花』3・4巻の赤奏国編を、赤の皇帝夫妻サイドから描いたストーリー。
いよいよ茉莉花が登場しました。この時を待ってたぜ!

☆あらすじ☆
「ご褒美は、くちづけよりもっとすごいものでもいいですか?」第三弾!
暁月の理想の皇后になるべく日々がんばる莉杏だが、幼い身でできることは少ない。
それでも、暁月の深夜の外出の謎を探ったり、宛名のない手紙の落とし主を探したり、白楼国からやってきた聡明な女性文官・茉莉花と交流を重ねるうち、皇后としての役割を学んでいく。
そんな莉杏に、若手文官の海成から「内乱を止めるため人質になってほしい」とお願いされ……!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

内乱の危機が高まるなか、助っ人として白楼国から赤奏国へ送り込まれてきたのは若き女官吏・皓茉莉花だった――

この外伝シリーズが『茉莉花官吏伝』3巻に辿り着く瞬間をとても楽しみにしていました。
だって赤奏国編といえば、幼い赤の皇后を人質役にして根がお人好しの敵将軍を釣り上げる作戦があったじゃないですか。
あんなヤバい作戦に莉杏が投入されると決まったとき、莉杏と暁月は、本心では何を思っていたんだろうって。

 

もうねー、、、、、大満足!!

 

まず莉杏。
格好良すぎですよ。良いオンナすぎて惚れるしかねぇ!
私は莉杏の恋愛脳なところが大好きです。
「恋愛」という感情を小馬鹿にされても否定されても、圧倒的なパワーで真正面から殴り返すところが最高に好き。
彼女は暁月への愛に全てをかけている。
子どもの戯言ではなく、恋に恋をしているわけでもなく、正真正銘、自身の全てを暁月への愛に捧げているんです。
それは献身的な愛だけど、一人で完結するような優しい愛では決してなくて。

「わたくしは、妹として愛されたいのではありません。あなたに女として愛されたいから、陛下の望みよりも早く大人になります」

今回の莉杏も名言のオンパレードだったんだけど、一番好きなのがこのセリフ。
彼女の行動原理の全てが詰まっていると思いました。
皇后教育を頑張るのも、「自分にできること」を探そうとするのも、その結果として人質作戦に身を投じるのも、全ては暁月の愛を勝ち取るため。
なんてアグレッシブな恋心だろうか。片思いの相手を絶対に落とす!という気概が強い。
いつもは幼さが目立つのに(夫婦の危機!でワクワクしちゃう莉杏かわいい)、ここぞという時で既に覚悟が完了していることを見せつけてくるんですよね。
これは落ちちゃうよ〜〜〜!抗うことなどできようか!!

 

一方の暁月。
莉杏誘拐作戦の提案を受けた時、茉莉花本編では飄々としてましたよね?と思わず3巻を確認しにいったり。
その裏でこんな事があったのか〜〜〜とニヤニヤしちゃいました。
覚悟が決まっている莉杏と、覚悟を決めきれない暁月。
あのシーンは、暁月の中にある莉杏と育んできた絆が切実な形で現れていて、本っ当に良かったです・・・!
「まだ子どもでいてくれよ!」ってセリフいいよね。既にそうではないと思えるから。
莉杏の成長は止められない。じゃあ彼女の比翼連理の夫として、暁月もまた覚悟を決めなければならない。
そして、その覚悟の決め方が「仕返し」なのが最高に暁月らしいし、この夫婦らしくて大好き!となりました。絶対に帰ってくるという確固とした信頼、良い。

 

そういえば今回の話で「お手紙」が重要アイテムだったの、茉莉花サイドと合わせてあるんでしょうね。
暁月が莉杏に宛てた初めてのお手紙が可愛すぎて死にました(そういや白の皇帝はライオンがサイコロ振りそうな面白お手紙セットだったな)

 

莉杏が帰ってきたあとのシーンも良かった。
互いに覚悟を決めた夫婦が、ようやく元に戻れて、そこでちゃんと全ての感情を吐き出して。莉杏は自分の弱音や恐怖を暁月に受け止めてもらって。
で、そんな風に隠してた感情を剥き出しにした莉杏がまた最高なんですよ。

「陛下のためなら死んでもいい!でも、死ぬのは怖い・・・・・・!」
「死ぬときは一緒がいいです!陛下の傍で死にたい・・・・・・!」

莉杏、死ぬのが怖いというか、暁月と離れた場所で死ぬのが怖かったのかなって。
どんな瞬間でも愛に覚悟を決めている女だということが伝わる莉杏の激重恋愛感情、素晴らしかったです。

 

あ、そうそう、煽りにあった「くちづけよりもっとすごいご褒美」
めちゃめちゃ笑いました。これはぜひともかっちょいい台詞に相応しいイケボでやってほしいね!笑
暁月が最高に嫌がりそうで、かつ、莉杏が最高に喜びそうな案を的確に出してくる海成は天才じゃないだろうか。絶対に微塵も暁月が喜ばないように配慮されてる。
そして表紙はこのシーンですよね??(ちゃんと読み上げてる暁月、えらい!)

 

夫婦の話だけでどこまでも書けそうなんだけど、やはり今回の話では茉莉花に触れねば。
茉莉花といえば、なんか莉杏視点だとすっっっっっごく美少女じゃありません!?
莉杏による茉莉花の容姿描写が美辞麗句にあふれていて驚いたんだけど本編ではどうでしたっけ。「可愛らしい顔」くらいじゃなかったっけ。
外から見るとこんなに美少女だったの、茉莉花・・・?
茉莉花が瞬きしたら小鳥だって見惚れてさえずりを止める、とは????
本編の最新巻では外から見た茉莉花は不気味なモンスター扱いだったのに。こっちもギャップすごいな笑

 

さて、無事に内乱を防いだ赤の皇帝夫妻。
莉杏が白楼国に訪れたのは本編で知ってたけど、こちらではがっつり後宮内の描写があり面白かったです。
そして序盤の「最初の女官設定は必要だったわけ?」「わたくし、後宮設定をどうしても入れたかったのです」を思い出して笑った。
後宮設定、本編ではどれくらい使われたっけな・・・・・・

 

今回も楽しかったです。
コミカライズもあることだし4巻出るかな?わくわくしながら待ってます!

 

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