金星特急・番外篇 花を追う旅 /嬉野君



金星特急・番外篇 花を追う旅 (ウィングス・ノヴェル)【Amazon】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年6月刊。
『金星特急』と言えば、謎の美女「金星」にプロポーズをするために彼女が用意した金星特急に乗り込んだ主人公・錆丸の世界を股にかけた冒険小説。
彼の旅は終わったけれど、彼の娘の旅はここから始まるようです。

そう!次世代編ですよ!!

ウィングス本誌では連載がスタートしています。
この番外編はその続編に繋がる物語であるとのこと。
錆丸から愛娘・桜へ。物語のバトンが受け継がれていくのを感じる内容でした。
後日談的な番外編としても続編の前日譚としても面白かったです。続編が楽しみだ〜!

☆あらすじ☆
金星特急の旅から八年、横浜で経営するバーを人に任せ、当時お世話になった面々を訪ねる旅に出た錆丸。月氏の幕営地で無名の赤子と初めて顔を合わせ、北極圏の村で夏草の母の墓を建て、最後に辿り着いたグラナダで先行していた砂鉄とユースタス、さらに愛娘・桜と合流する。この旅は、七歳になった桜に母親である金星について教えるための旅でもあった。初めて父と離れ、世界を巡った桜は何を見たのか――?
大人気小説「金星特急」番外続篇集!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

表紙〜〜〜〜〜〜!!!からの、扉絵〜〜〜〜〜〜!!!!
未だに錆丸大人バージョンのイケメンっぷりに動揺する私がいます(脳内錆丸がプリティーフェイスで止まったまま)
イケメンパパにグズりながら抱きついてる桜ちゃんも可愛すぎる。これは母に負けない美女になりますね・・・!心配!

 

という感じで心配する保護者が大量にいる桜ちゃん。
序盤から男4人で顔を突き合わせて桜の問題を話し合うシーンがなんだかシュールで笑いました。
だって普通に「殺しとく?」とか言うんだもの。物騒すぎるわ。

 

武力行使という名の顔面圧力も最高でした。高山しのぶ先生のイラスト大好き・・・・・・
桜ちゃん、イケメンハーレムじゃん。帰り道の、誰と手をつなごうかな〜〜〜って迷う仕草のお姫さま感が可愛すぎて悶絶しました。
そしてレアキャラ伊織を選ぶ抜かりなさも好き。レアキャラはポップしたときに大事に扱わないといけないもんね。

 

それはさておき、この話はなんだか不思議な気持ちで読んでしまいました。
あれだけのスケールで恋をした錆丸と、そもそも人間ですら無い金星の娘。
そんな子が、平和な島国の偏った「当たり前」「普通」を押し付けられて心を陰らせているのが、何とも奇妙な感じがして。
でも、そうなんだよな。背景がどうであれ、桜自身は他の子たちと同じように「普通」に育てられた子なんだから。
桜の物語は、その小さな世界を抜け出すことから始まるのですね。

 

母親を恋しく思う年齢になった桜。
そんな彼女に金星との思い出を語るため、錆丸は桜に追体験の旅を用意します。

桜のお供になるのは砂鉄とユースタス。
そして、錆丸は別ルートから知己を訪ねつつ桜を追うのです。

 

桜がユースタスに己が知らぬ母を重ねる姿に切なくなってしまいました。
今まで、母がいない桜に周囲がどんな目を向けてきたのか、桜の仕草から察するに余りあるので・・・・・・外野のそういう視線って大抵は無意識だけど受け取る側は敏感だから。私も気をつけねば。。。

 

桜や錆丸の追憶の旅はとてもとても良かった。
激動だった金星特急の旅路を穏やかに辿れば、世界はなんて広くて美しいのかと思う。風景はもとより、人が美しい。
人の営みには、どういう形であれ「家族」という存在が関わっている。良くも悪くも。
その多様な「家族」像に触れていくのもまた面白くて。

「家族」とはルーツだよなぁとも思った。それは「故郷」に通じるもの。
自分は、どこから来た存在なのか。
それを花が探し、人が語り、みんなで発見する旅だったのかな。

夏草が故郷を見つけるシーンが印象的でした。
失われても、その気になれば見つけ出すことができる。
その希望が見えた三月の話は続編で触れるとのこと。わくわくしますね。

 

しかし無名さんの育児ノイローゼはびっくりだったな(月氏の幕営地にいてもワンオペなのかよ・・・という意味で)
あの男児は続編に出てきそうですね。楽しみ〜!どんな性格に育つんだろ!?

 

この「花を追う旅」、ユースタスと砂鉄の結婚式が最高の最高でした。
なんだあの誓いの言葉〜〜〜〜〜〜!!!!良すぎか!?!?!?!?
砂鉄の誓いもユースタスの返事も素敵すぎて、さすが本作の我が推しカプ・・・!と唸りながら転がりました。

 

これが続編につながる話になるのかな?

「金星の娘」としての宿命から、桜は逃れることができないらしい。

幼い彼女の優しい選択が、悲惨な未来を運ばないように願うだけですが・・・・・・まぁヤバいことになったら三月おじさんが全ブッコロしてくれるから大丈夫ではなかろうか。うむ。

「桜もいつか誰かに恋をしたら」的なことを錆丸は何度も考えていたけど、三月がいる限りフラグを立てようがなくないですか?むしろ三月とのフラグしかないのでは??ダメだ私、カプ厨脳を自重しろ。でもおにロリはすk・・・・・・

 

うう〜〜〜〜、続編が楽しみすぎる!
単行本派だけど、やはり応援のためには本誌を買わねばですね。今更ですがポチってきます。

 

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