お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 (GA文庫)【Amazon】/【BOOK☆WALKER】
評価:★★★★☆
1巻2019年6月刊、2巻2020年4月刊。
お隣に住む美少女と少しずつ距離を縮めていく男子高校生の日常を描いた青春恋愛小説。
じれじれ両片思い良いよね〜〜。私も好きです。
このシリーズはじれじれ感がとても上手いです。
本当にゆっくり、だけど確実に距離が近くなっていく様子が描かれていく。
この作品を読んでいると「好意」という感情のグラデーションを感じます。
知人に対するもの、恩人に対するもの、優しい同級生に対するもの、そして――
初対面→良き隣人→→熟年夫婦(!)→→新婚夫婦(!?)という、順番!と突っ込みたくなる距離感の変遷が楽しいシリーズです。
あと、お澄まし顔でクールな美少女がペース乱されて耳だけ赤くするのって可愛いよね!
☆あらすじ☆
Webにて絶大な支持を集める、甘く焦れったい恋の物語がついに書籍化!
藤宮周の住むマンションの隣には、学校で一番の美少女・椎名真昼が住んでいる。特に関わり合いのなかった二人だが、雨の中ずぶ濡れになった彼女に傘を貸したことから、不思議な交流が始まった。
自堕落な一人暮らしを送る周を見かねて、食事をつくり、部屋を掃除し、なにかと世話を焼く真昼。
家族の繋がりに飢え、次第に心を開いて甘えるようになる真昼と、彼女からの好意に自信を持ちきれない周。素直でないながらも二人は少しずつ距離を縮めていく……
「小説家になろう」で絶大な支持を集める、素っ気なくも可愛い隣人との甘く焦れったい恋の物語。
以下、ネタバレありの感想です。1巻と2巻の内容に触れています。
雨に打たれていた隣人兼同級生・椎名真昼に傘を貸したことで、色々あって彼女と一緒に食事をとる仲になった高校生・藤宮周。
誰とも打ち解けない孤高の美少女と、自己評価が低い不摂生な少年。
「異性として過剰に意識しない」「変な期待も下心も持たない」ことを基礎とした関係は二人にのんびりとした時間を与え、気を張らない穏やかな日常のなかで、周と真昼は少しずつ互いに心を許していくことになるのです。
真昼に対する気持ちについて、周はしつこいくらいに「この好意は恋愛感情のそれではない」と内心で繰り返すのだけど、そこがなければ始まらない関係なんですよね。
秋波を送る異性に対する真昼のガードは固いので。
自分を恋愛対象としてみない周だから真昼は心を許していることを、周はよく理解している。
最初は茶化してくる周囲への苦言みたいな形で「恋愛感情ではない」と否定していたんだけど、真昼への好意が強くなるにつれて段々と言い訳のような否定になっていくのが面白いんです。
二人の始まりとなった「色目を使わない信頼」が、少しずつ重しになっていく感じ。
と言ってもシリアスな空気ではなく、まだ認めたくないな〜と勿体つけているような。
ラブコメは付き合う直前が一番楽しい説がありますが、まさにそういう焦れったさが楽しいんです。
一方の真昼は、もうね、どんどん可愛くなる・・・!
彼女の内心は描かれないので、周視点の情報しかないのだけど、それで十分お釣りがでるくらいに可愛く悶える内心が挙動から見えてきます。
初期はあんなにツンツンしてたのになぁ。
真昼の周に対する感情、「なんだこいつ?」→「警戒はしなくてよさそうな隣人(放置すると死ぬのでは?)」→「ご飯おいしく食べてくれる良い人」→「そばにいると落ち着く」→「この天然タラシめ・・・!」って感じでしょうか。
距離が縮まるにつれて周の真昼に対する賞賛はどんどん遠慮なくなり、それをモロに浴びる真昼。毎回あわわする真昼ちゃんの慌てぶりが可愛くて可愛くて!
それにしても、天然タラシに育てられた男も天然タラシになるのか。
父の薫陶を受けて真昼を褒めちぎる周、素直か?
最初は存在を認識する隣人程度だったのに、いつの間にか熟年夫婦のような空気で半同棲生活を送っていた周と真昼。
でも少しずつ積み重なった好意が「熟年夫婦」の空気に「新婚夫婦」のような甘酸っぱさを添えてくるんです。この塩梅が非常に素晴らしかった。
互いに抱く「好意」のグラデーションがいいんですよね〜
相手に対する「好意」がじわじわと「気になる異性への好意」に変化していくのが最高。
名前をよんだり、手をつないだり、頭をなでたり、少しずつボディタッチに遠慮がなくなっていくのも良し。
信頼のために距離を取りながら始まった関係が、信頼から生まれた好意によって距離を詰める。そういうの美味しくてたまりません。
1巻は割とのんびりしていたんだけど、2巻はギアをあげて接近していたし、この調子で行くと3巻はどうなることやら。
果たして真昼ちゃんの顔色は真っ赤から戻れるのか? 無自覚天然タラシ男の猛攻に耐えられるのか??
そして照れ照れしながら大胆に甘えてくる真昼に周の理性は耐えられるのか??いやまじで周の背中に襲撃する真昼かわいすぎでしたね??????
色々と垣間見えてきたシリアスな事情も気になります。続きが楽しみです。
余談。
両親、息子の家でお風呂一緒に入ったの・・・?仲良すぎじゃない!?
あの夫婦に対してツッコミ不在すぎるんだけど私の感覚がおかしいのか!?(でもパパママのイチャラブっぷり、正直好きだよ!)
まあ1巻高評価してたし多分気に入ってもらえるだろうと思いつつ、ここまで数ヶ月間ゴリ押しし続けてきて肌に合わなかったらどうしよう……と思っていたので、気に入っていただけたようでなによりです!
1巻から2巻まで通して読むと、ふたりの変化がどんどんわかって可愛いですよね。
2巻とか、これで付き合ってないなんて嘘でしょ?って思う描写が多々ありましたね……。
「たとえそばが市販の物を茹でただけでも、いいのだ。二人でゆっくりと食べて時を過ごす、という事の方が重要なのだから。」読者に隠れて交際してません?付き合って初めての年越しじゃないの?
ほかにも焦れ焦れの甘々で、まだ付き合ってなくてこれって、付き合ったら一体どうなってしまうんでしょう。
佐伯さん先生のツイートいわく、1巻2巻はぶっちゃけまだ甘くないと思ってて、3巻はより甘くなるらしく、落ち着いて読まないと糖尿病になりそうで不安ですね……。
スズナリンゴさん、コメントありがとうございます。
長らく・・・本当に長らくお待たせいたしました!!
めちゃくちゃ腰が重くて申し訳ないです。でも2巻も面白かったですー!
うっかり1巻再読しないまま2巻も積読に埋もれかけていたので、背中を押してもらえて助かりました(笑)
2巻の甘さ急上昇っぷりやばいですよね!?
1巻から通して読んでも「あれ?告白シーン飛ばしちゃったかな?」と思ってしまうレベル。
いえ、丁寧に変化を描かれているんですが・・・・・スピードが早いと言うよりもギアが上がった感じというか。
年越しシーン好きです〜!
デレが素直すぎて、破壊力高い。
3巻はこれ以上甘くなるんですか!?
もはや凶器になるのでは。。。あとがきの「小悪魔まひるん」もめちゃめちゃ気になってるんですよね。3巻を読んで、私は生きて帰れるだろうか(震)