終焉を招く神竜だけど、パパって呼んでもいいですか? /年中麦茶太郎



終焉を招く神竜だけど、パパって呼んでもいいですか? (GA文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2020年5月刊。
ホームドラマ×終末バトルファンタジー。
父娘ものを強調されているけど、嫁もいます。
男女バディなバトル要素もあって、そこが結構好き。

バカップル夫婦が、ひょっこりできた子どもを溺愛して、子どもも全力で懐いて―― という感じで愛にあふれる家庭が爆誕。
しかしその「子ども」を、いつか夫婦が斬るかもしれない。
不穏な未来を予感させつつ、全力でほっこりさせてくる物語でした。

個人的にはあとがきの設定で出してほしかった気もするけれど(めっちゃ笑った)、続きが楽しみです。

☆あらすじ☆
マホテキ9999の年中麦茶太郎が放つ、ほっこり×幼女×家族愛の最新作!
史上最強の女の子を拾って愛でる超無敵『父娘』ファンタジー!
境界領域ブルーフォレスト公爵領。
『人』と『魔』と『神』とが混在する、地上で最も危険で、熱気ある街。
十五歳にしてブルーフォレスト公爵領の現公爵を務める少年リヤンは、最愛の『妻』レイと共に神々が気まぐれで起こす世界崩壊に今日も立ち向かっていた。
そんなある日、リヤンは戦場で保護した少女をワケあって家族に迎えることにしたのだが――
「パパって呼んでも――いいの?」
少女の名はアマデウス。人間の形をした厄災『終焉の神竜』という剣呑極まる存在だ。
しかし、子供を熱望していたリヤンたち夫婦にとっては、目の中に入れても痛くない愛娘に他ならない!
つまり、溺愛・不可避ッッッ!!!!
「あああ、娘の可愛さが致死量に達した!!」
家族も世界も守るため、天才魔法士――最強かっこいいパパになる!
ほっこり可愛く最強無敵な『父・娘』ファンタジー、ここに開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

神々の侵略を受け、常に崩壊の危機にさらされる世界の最前線となっている街・ブルーフォレスト公爵領
その領主である少年リヤンと、彼の最愛の妻・レイは、神々が気まぐれに送りつけてくる災害「レリック」の対処に追われていた。
そんな日々のなか、レリックキャリアーの中からレリックとみられる少女・アマデウスが現れたことから、リヤンとレイの生活は一変することになるのです。

 

子どものいない学生夫婦に、子どもができて、3人で一緒に暮らすようになって、家族で高校にも通う・・・・・・という一番最後にギョッとしつつ笑っちゃいました。
見た目も性格も幼女なのに、知能だけは学生レベルという「アリなん???」という設定もファンタジーなら許される。そして私はそういうの結構好きだ。

 

そんな感じで四六時中一緒にいることになったリヤン一家。
ひたすら夫婦がアマデウスを溺愛して溺愛して溺愛しまくるお話でした。
ひと目見たときから恋に落ちる、みたいな感じで、愛情が膨らんでいくスピードがめっちゃ早い。
正直ちょっと家族愛が出来上がるのが早すぎるかな?と思うところもあるんだけど、アマデウスちゃんが可愛いから仕方ない。
ついでにリヤンとレイ自体がイチャイチャしまくるバカップルなので、そのノリで子どもを愛でても違和感がないんですよね。世界は愛で満ちている。

 

そういうラブラブ親子の話なんだけど、一方でこれは終末ものでもあって。
冒頭で天気予報のノリで「打霧警報もなく、週末は終末を気にせずお出かけできそうです。その分、来週には打霧濃度が高くなる可能性があり、今週が世界最後の一週間になる恐れがあります」と報じるニュースが印象的。
こういうノリ好きです。終末が日常のなかにある感じ。異常が日常の忙しない街なんですね。

 

そうそう、あとがきにも書いてあったので名前を出すけど、本作は『血界戦線』が着想のひとつにあるのだとか。
言われてみてなるほどなーと納得しました。世界を守る結界を維持する都市。なるほど。
「ブルーフォレスト公爵領」の由来にも笑いました。
個人的には、割と本気で青森舞台のままやってみてほしかった気もするなー。
ぶっちゃけると、「ウチキ・リ」とか「テコイ・レ」とか出る度に、ちょっぴりセンスが合わないな・・・とか思っていたんだけど、青森が舞台だった頃の名残だと言われれば納得できるんですよね。
エブリデイ・マジック系の話がもっと増えればいいのに。でもそうなるといよいよ血界戦線っぽくなって色々と微妙なのかもしれない。

 

それはさておき、そんな終末ギリギリ世界でホームドラマをやっちゃうよ!という本作。
娘の正体が終焉を招くドラゴンだということはタイトルどおりなので、問題となるのはその先なんです。
今回はうまくトラブルに対処できたけれど、それは終末を避けたことにはならない。

アマデウスは無事に世界を滅ぼさないまま成長できるのか。
アマデウスが世界の破滅を呼ぶ存在になったとき、リヤンとレイは彼女を斬ってしまうのか。

ほんわかムードのなかに、わずかにシリアス成分が混じる塩梅が良いと思います。
続きに期待!

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SBクリエイティブ
著者 年中麦茶太郎 イラストレーター にもし

 

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