【WEB小説感想】 F-エフ- /ia(糸森環)


糸森環先生の新作『かくりよ神獣紀』が良すぎて、糸森環熱が爆発しました。

 

もうダメだ!我慢できぬ!と、なんだかんだ躊躇していた糸森環先生のia名義のオンノベサイト『27:09の地図』にようやく着手。

正直、未完の沼に落ちるのが怖かったんですよね。あとスマホ対応してないオンノベは読みにくいなって。

 

でも腹をくくったのでもう逃げません。
スマホ非対応オンノベはSafariのリーダー表示を使えばヨシと言う知見も得たし(遅い)

 

全部読むつもりですが、まずは『F−エフ−』(http://ash-map767.riric.jp/F-TOP.htm)から。

『F』は角川ビーンズ文庫から書籍化されている作品で、そちらは読んでいます。

しかし1巻が出たのが2014年かぁ。もうそんなに経つの??月日の流れは恐ろしいですね。

 

で、読んできましたよ、サイト版『F』!

ほどよく内容を忘れていたので書籍化された第1部も超楽しかったし、完璧に初読な第2部も最高に面白かったです。

なーーーーーーーーーんでこんなに面白いのに書籍版は打ち切りなんだろ!ふしぎだね!(泣)

そんな感じでWEB版の感想いきます。例によってネタバレありです。

 

全3巻で書籍化された第一部。

運命を司る貴人・フォーチュンに選ばれ、異世界エヴリールにて試練を与えられ、それに失敗した少女・響。
オーリーンとシルヴァイという神々に拾われた響は、彼らから事情を聞き、力を授けられる。
彼女が救うべきは、人々がレイムとよばれる化け物に変えられた終焉の世界エヴリール。
唯一の生き残りである騎士・リュイと聖獣・エルを伴とし、響は世界の救済を目指すのだが―― というストーリー。

基本的に書籍版と同じ内容ですね。
導入部の変更があったり、書籍版では大量の加筆があったりするけど、書籍版もWEB版も同じように鞭・鞭・鞭の地獄のような展開です(吐血)

 

本当に地獄なんだよなぁ。

何も知らない15歳の女の子が、神々の力と神剣を携えて世界を救おうと立ち上がる。
しかし彼女が降り立った場所は荒廃した大地。夜な夜な湧いて出るのは化け物となった人間。

そういう状況の中で、響は幾度となく選択を迫られるんです。

こちらに留まり、あちらを見殺しにするのか。
あちらを救うため、こちらを見捨てるのか。

まるでトロッコ問題みたいな状況が、この極限状態の世界のなかでは何度も何度も繰り返されていく。

響が向かい合う問題はいつだって過酷で、容赦がない。
全てを救いたいという響の願いは、傲慢に思えるほど難しい。
苦境に追い詰められ、「なるようになれ!」と考えなしの行動をとれば、その結果はすぐにしっぺ返しされ、響の心を傷つけていくんです。
あまりにも一つ一つの選択が重すぎる。

 

最初に私が悲鳴をあげたシーンはレイムを聖水で燃やしたシーンかな。
響は、ただ逃げたかっただけなのに。
少しでも足止めできれば良いと、パッと思いついたことを安易に実行しただけなのに。

こちらも救い、あちらも救おうとして、その結果の大量虐殺。

ひぃぃぃ・・・・・・!
唸るしかないでしょ、こんな展開・・・!

だいたいさ、この直前なんて、初めてレイムを人に戻せた記念すべき第一号が速攻で別のレイムに喰われてるんですよ。
執拗かつエロティックな惨殺っぷりに目眩がした。
ちょっと鬼畜展開すぎないかい???(第二部で明かされる「蘇生チャンスは一度きり」という設定を踏まえると更に鬼畜度が増す)

この一連の事件は響に重い十字架を背負わせ、世界を救おうとする彼女の心に贖罪の影を落とすのです。

 

鞭展開はまだまだ続く。

せっかく命がけで蘇生させても、「なんでこんな怖い場所で蘇らせたの!」と怒られる。
レイムに変わった人間は元に戻せるけど人のまま死んだら蘇生できないと知られ、「もう殺してしまったのに!」と嘆かれる。
神の力を持った平凡女子という響の変なステータスのせいで「お前ほんと何なんだよ!」と猜疑の目を向けられる。

世界を救うぞー!と頑張ってる女の子に対し、運命も人間もビシビシバシバシと鞭を振るうのです。
破滅の恐怖も苛立ちも、15歳の少女に遠慮なくぶつけられる。
それに響はじっと耐えるのです。
心の中で泣き言をこぼしながら、自分の罪を意識しつつ、人を導く灯火ならんとするんです。健気すぎか・・・!

あまりにも辛い仕打ちのなか、絶対の信頼をおける味方であるエルと、ツンデレしつつ支えてくれる神剣ソルトだけが癒やし。

リュイ?あいつはヤンデレだからな・・・・・・

 

そんな感じで「あぁ、Fってこんな感じのきつい話だったわ〜〜〜」と地獄っぷりを楽しみつつ第一部を読了。
引き続き読んだ第二部は完全に未知の領域。なんで書籍化しなかったんだよう。

この第二部は、第一部後半から増えた人間が更に増えていきます。
第一部後半でも「人が増えると面倒だな・・・」と気が遠くなりそうだったのに、そこから更に増えるんですよ?もちろん面倒事しか起きないよ!

なぜお偉いさんを真っ先に蘇生してしまったのか。世界が滅びたのに身分にこだわる滑稽さに笑えない。
様々な立場の思惑が響の手足を絡め取り、思うように進まない時間がスタートするのです。

 

そんな第二部の鞭展開のなかで、最も衝撃だったのは「琥珀」の一件。
響よ、なぜリュイそっちのけで新顔の騎士を祝福してるんだ?と思ったら、あー、あー、そういう伏線ねっっ!

死して武器化とか、その設定がFっぽいですね!!

確かに神剣の数が足らないから増えさなきゃ駄目ですよね。うんうん。慈悲はないのか?
「琥珀」の名前も記憶も奪われ、「神剣琥珀」だけが残る。
心は傷んで悲しいのに、悲しむ理由がわからないからうまく悲しめないって・・・・・・そんなの、あんまりだよ・・・!

琥珀、きっと第二部が書籍化してたら何かしらのエピソードが追加されてたのかもなぁ。
もっとリュイと「響の騎士」の座を争ってほしかった。。。
ところで書籍で追加されてるやりとりのなかでリュイは「響の剣になりたい」とか抜かしてるんですよね。フラグか!?

 

琥珀がOUTし、代わりにINしたのがザザ王子。

当初は面倒オブ面倒な王子さまだったけれど、なんやかんやって(マジで色々あったな・・・)響が攻略できたのは良かったんですが、ここでプツリと更新が止まってるんですね(第2部30話)

 

うおおおおマジかぁああああああ

 

知ってたけど、わかってて突撃したけど、、、辛いな!!!
続きが読みたさすぎて辛い!!!

響をめぐる人々の不審、信頼、思惑が錯綜する展開はワクワクするし、ここから更に面白くなりそうなんですよ。

ううう、続き・・・・・・続きください・・・・・・いつまでも永久に待ちますので・・・・・・

 

まさに「戦う乙女」。しかし戦い方は知らないので実戦で修行中というハードモード。
神剣ソルトと意思疎通できるようになってからのバトル描写の盛り上がりっぷりが半端ない。そのため戦闘シーンは2部のほうが読んでて楽しかったりして。

響って、かなり冷静に自己を分析し、どれだけ苦しくても人に手を差し伸べるのをやめない子なんですよね。
改めて思うけど、めちゃめちゃ好きなタイプの主人公です。
15歳にしては大人びていると思う瞬間もあれば、自分をガリガリと削るような高潔さは若さゆえだよなって思うこともある。

響は自己憐憫に陥る自分を執拗に戒めるけど、むしろ周囲にも運命にも散々鞭打たれてるのに自分で自分に鞭打つのやめて・・・!と叫びたくなります。
誰かもっと響を甘やかしてやって・・・・・・とりあえず響はソルトとエルを絶対に離しちゃだめだ。

 

ヤンデレ騎士。
通り名が「月迦将軍」で容姿を月に例えられいてるのも分かるなーってくらい精神がルナティック。
世界に一人残されたリュイは、いったい何度、月の輝く夜にレイムと戦ったのだろうか。その地獄は想像を絶する。

正気と狂気の境目で揺れ動き、突然現れた響に救われ、再度の孤独に怯えてしがみつき―― うーん、めちゃめちゃ好き。
WEB版を読んでから気づいたのだけど、書籍版は加筆によってリュイのヤンデレっぷりを強調されていたんですね。
書籍版3巻ではぐれたリュイと響が合流したシーンの「俺を、いったいなんだと―」「私の騎士だよ」「あなたは、よくも・・・・・・っ!」のくだりが挿絵込みでめっちゃ好きなんだけど、あのやり取りが加筆だと知った時の衝撃よ。
リュイの狂おしくて鬼気迫るほどの執着が最高なのに。響という存在に振り回される哀れな男って感じで。

まぁWEB版リュイの狂気は、第一部でヤンデレ度をあまり強調されてなかったぶん、第二部で爛熟したかのように溢れ出すんですけどね。それもまた良かった。
王族殺しの罪を告白し、それを盾にして響を脅すリュイの狂気、最高に怖くて最高に耽美でした。
精神がギリギリすぎる。狂ってる人って綺麗ですよね。
「あなたのために?」と聞いたリュイ、とても美しく月色に輝いてた・・・・・・

ううう、、第二部の書籍化はまだですか?私が発狂しそう。

 

もふもふ。そういえばエルって糸森環印の元祖もふもふになるのか?少なくとも初期には入る?

エルは良いですよね。後輩のもふもふたちとは違い、絶対の味方だと思える。
何があっても響を裏切らないと信じられるところが良い。これでエルが裏切ったら何も信じられなくなりそう。

そんなエルはめっちゃ可愛いんだけど、もふもふ描写に関しては最近の作品の方が洗練されているというか先鋭化されているように感じました。
糸森先生の「もふもふ」へのこだわりはどんどん深まっているんだなって。
初期を知ることで感じる研鑽・・・・・・

 

ツンデレ人外枠。しゃべる神剣。
第一部までしか読んでなかったから知らなかったんだけど、第二部のソルト、もはや准ヒーローじゃん。戦闘のサポートどころか参謀役にもなってるとは。
『かくりよ神獣紀』に登場する太刀があまりにも可愛くて糸森先生の人外萌が極地に達したのかと考えていたんだけど、むしろ原点回帰だったんですね。ソルトはめっちゃ喋るけど。

 

ホラー映画なら絶対に死ぬヤツみたいな行動を起こしたときは、何だこいつ!!と腹が立って仕方なかったんだけど、終わりよければ全て良しというか、喉元すぎれば熱さも忘れました。
30話を読み終わった頃には好感度ランキングを駆け上ってた。これがザザ王子マジックか。
勝手に突っ込んでいった死地から戻り、響の膝枕で泣いてるシーンがハイライト。そういう弱さをみせてくるのはずるいと思うな!(好き)

 

チャラい(?)有能おじさん枠。おじさんだっけ。おじさんくさいんだよな。
味方とまではいえないけど、敵でもない感じの絶妙なポジションがいい。さりげなく響をサポートしてくれるし。
多分この人は、申し訳なさそうな顔していつか響を裏切るんだと思う。

 

年齢不詳ショタ枠。年齢止まった系美少年も好きですよね、糸森先生(私も好き)
率帝は響に崇拝的な感情を向けているっぽいけど、私は知ってる、この手の糸森キャラは良かれと思って裏切ってくるんだ。

 

噛みつきすぎて逆に安心。

 

 

はーーーー、たのしかった。そしてコンニチハ待機地獄。

サイトの他の小説も随時読む予定です。
積読本を少し挟みつつ、次は「she&sea」を読む予定。
今月中に全部読めるといいなー。いや、そんなに急いで読むのも勿体ないか・・・・・・


F‐エフ‐ 黎明の乙女と終焉の騎士 (角川ビーンズ文庫)

 

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「【WEB小説感想】 F-エフ- /ia(糸森環)」への2件のフィードバック

  1. こんにちは。
    いつも本を買う際の参考にさせていただいています。

    そして深く果てしない沼へようこそ・・・・・・!!
    S&Sもマジかってところで終わっていますし、花術師もマジかってところで停まっていますようふふふふ・・・

    S&Sと花術師の感想が更新されるのを楽しみにしております。。。

    1. ばなな豆乳さん、コメントありがとうございます。

      ついに、ついに、沼に足を突っ込んでしまいました・・・!

      オンノベ小説はほぼ未完と聞いているので、戦々恐々しております。でも絶対面白いんですよね・・・・・・そこが更に恐ろしい!!読むのが楽しみです(震)(泣)

      今後は、他の新刊作品と交互になる感じで、少しずつサイトの小説を読んでいく予定です。
      S&Sからいく予定ですが、花術師もその次に!
      花術師は書籍版でも読んだことがないのでめっちゃ楽しみだったりします。

      もちろん感想もアップする予定ですので、よろしくお願いします!(^O^)

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