魔神少女と孤独の騎士2 /三月ふゆ



魔神少女と孤独の騎士 2 (ヒーロー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年3月刊。
面白い!めちゃめちゃ面白い!
内向的でいじめられていた少女の、憂鬱な異世界召喚譚。
この第2巻では、第1巻で仕込まれていた「謎」が大きく動き、徐々に物語の空気が変容してきました。

異世界と現実世界の交錯。過去は未来で未来は過去。
部外者すらも引きずり込み、この世界で一体何が起こっているのか。

ワクワクが止まりません。続きが楽しみ!むしろ今すぐWEB版に飛ぶか!?

☆あらすじ☆
「面白すぎる」「続きが待てない」と大反響! ドキドキが止まらない2ヶ月連続リリース!
黒い本に呑み込まれ、異世界の森へと彷徨いこんだ少女、七子。
七子は自らの「眷属」へと変えた騎士、エリアスとともに、現実世界に帰る手掛かりを探すため、魔の森の「最下層」を目指していた。
七子たちは最下層へ降りる協力を仰ごうと、魔の森で出会ったグレンに連れられ、ティフ神聖国に向かうことになる。
女王アビゲイルと交渉した七子は、大陸会議への参加が決まるが、会議までの滞在中、何の因果か、クラスメイトの瑞樹優花と再会する。
一方、現実世界。
「篠原七子の葬儀」の参列を終えた木島礼津は、その帰り道、突如出現した黒い本に呑み込まれてしまう。
次に礼津が目を覚ますと、そこは過去の世界だった。
――物語は世界と時空を越え、動きだしていく。

以下、ネタバレありの感想です。

 

さぁ前巻の引きは何だったのか??とドキドキしながら開いた第2巻。

 

え・・・・・・

 

ば、バッドエンドしちゃったんですけど???????

 

町の女たちに鍛えられ、ちょっと明るくなった七子の姿に、これからの彼女の成長とか変化を感じていたところだったのに。
あまりにも突然のバッドエンドに「ページ飛ばした?」となりました。
それくらい唐突だったし、受け入れがたい展開だった。
ていうか七子とエリアスの主従関係をそんな悲惨な形で尊く描くとか・・・!
望まぬ主従関係だったとはいえ、エリアスは今度こそ主のために命を散らせたんだね・・・・・・みたいな感動するべき場面!?なのかな!?!?!?(動揺)
いやいや主も死んどるし!

 

混乱著しい読者(私)を置いて、物語は現実世界へ戻っていきます。
前巻から登場していた瑞樹有木島礼津の、この物語における役割がようやく明らかになるのです。

 

この中盤からの展開、これがもうめちゃくちゃ面白かった。
「異世界召喚」という現象を「外側」から考察していく構造なんですね。こういうの好きだよ好きだよ!

 

なぜ七子は異世界に連れて行かれたのか。
七子を飲み込んだ「本」は一体何なのか。
そして、「本」に触れた礼津たちに起こっている「七子の死を起点とするループ」の出口はどこにあるのか。

 

礼津の従兄弟・滝彦が中心人物(あるいは狂言回し)として登場したことで、現実世界の方も物語を動かす準備が整ったように感じました。
この謎めいた展開がどこにつながるのか分からないけれど、少し民俗学っぽい要素というか伝奇譚みたいになっているので私の興奮は止まりません。
1巻だけでも面白かったけれど、その面白さが跳ね上がった感じ。
そういや「うつろ船」の絵って見たことありました。UFOとか言われてるやつじゃなかったっけ?

 

まぁ、礼津たちが直面していく「七子を待つ未来」は、あまりにも憂鬱なんだけど。
いや、今の七子にしてみたら「すでに体験した過去」なのか・・・?吐きそう。
七子の黒タイツとか気にしてなかったなぁ。
時系列の整理に戸惑ったのだけど、1巻時点ですでに暴力は受けていたってこと?
それが更に悪化したきっかけが絵本事件?
なんか他にもやばそうな気配があるんだが(状況証拠しかないから告発できない「犯人」って・・・?)

 

どちらにせよ、結局のところ思い出してしまえば全てが七子の「過去」になるわけですよね。
仮に礼津たちが上手く立ち回って破滅の未来を回避できても、七子の心の傷がなかったことになるわけじゃないのでは・・・?吐きそう本当に吐きそう。
いや、最後に記憶が完全に消去されれば「なかったこと」にできる可能性もあるのか。それが胸糞なのか救済になるのかは描き方次第になりそうだ。

 

鬱すぎて苦しいものの、リスタートした七子に可能性が残されていることだけは不幸中の幸いなのかもしれません。
謎のたぬきのおかげでエリアスとの関係が緩和したのは可愛くて笑っちゃった。
でも今の七子を支えてくれる可能性があるのはエリアスだけだから、どうにかこの主従には上手くいってほしいものです。

 

可能性といえば、あの子の正体もある意味「七子の可能性」のひとつだったわけですよね。
でも随分はっちゃけたな、七子(仮)・・・・・・
その「可能性」は拒み、自分を受け入れたことは大きな進歩。
たとえ一進一退を繰り返していく子だとしても、どうにか救いのある未来へ進んでいけるよう祈るしかありません。

 

まぁ現実世界どころか異世界の状況もまったく改善してないんですけどね。
出てくる度にヘイトを稼いでくる瑞樹優花ちゃんの居候先にご案内!やだー!

次巻も楽しみです・・・!

created by Rinker
主婦の友社
著者 三月ふゆ イラストレータ ともぞ

 

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