プロペラオペラ2 /犬村小六



プロペラオペラ 2 (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年3月刊。
飛行戦艦がぶつかり合う、恋と空戦の戦記ファンタジー第2弾。
戦闘シーンの理解が私には難しくて苦戦してしまったけれど、それを加味しても面白い作品だと思います。
思うままにならない不条理な圧力と戦い、圧倒的に不利な戦力差に立ち向かい、たったひとつの命を抱えて彼らはどこまで進むことができるのか。
戦争ものは読んでいて辛くなることが多いのだけど、そこできらめく命の輝きに、どうしようもなく目が奪われてしまいます。
あとやっぱりこの幼馴染ケンカップルが本当にいいんだわー!

☆あらすじ☆
美少女艦長+天才参謀、死の淵へダイブ!!
極東の島国・日之雄。その皇家第一王女・銀髪の美少女イザヤは18歳。
同い年で幼なじみのクロトは、10歳の時にイザヤにとんでもない“狼藉”をはたらき皇籍剥奪された曰く付き。
しかしふたりは今、タッグを組んで飛行戦艦「飛廉」を駆る国民的人気の艦隊司令官&超切れ者天才参謀である。互いを意識しているくせに素直になれないイザヤとクロト。イザヤと人気を二分する巨乳艦長リオ。彼女たちのためならいくつでも命を捨てたいファンもとい乗組員たち。その乗組員たちを我が手足として支配するために不謹慎で不埒な策略をこっそりと練るのが策略の天才クロト。
ということで、何も起こらないはずがない南の島のビーチでの休日……の後は、敵国リングランド艦隊との決戦が待っている!!
ファン待望の犬村小六真骨頂「空戦ファンタジー戦記」、スケール&面白さアップの堂々第二幕!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

戦争はまだまだ続く。
「井吹」から「飛簾」へと乗り換えたイザヤとクロトは新たな戦地へと赴くが―― という第2巻。

 

ここで突然の水着回!
冒頭からめっちゃ笑いました。
不敬全開(むしろ逆に敬意MAXか?)でプリンセスの水着を求める部下一同の素直すぎる欲求にお腹が痛くなる・・・!
クロトはクロトで多感な10代男子とは思えぬ無関心ぶりで更に笑います。
「生物学的希少性からいえば、おれのほうがあいつらの数十倍、撮影する価値がある」は大真面目なんだろうな・・・・・・何言ってるんだろう・・・・・・わからない何もわからない。

 

さて、そんなコメディ全開でスタートした第2巻は、本編で遊びをいれる余裕が(一部除き)なかったから冒頭に突っ込んだんだな・・・・・・と思わず納得するような内容でした。

若輩であるイザヤたちの活躍が気に入らない日之雄のお偉方。
日之雄への殺意全開で罠を仕掛けるガメリア軍。

とにかく上層部が話を聞いちゃくれない。献策も忠告も全部蹴る。
国の未来ではなく保身しか考えないから邪魔で邪魔で仕方ないんですよね。
一方の敵軍は格下相手にも油断せず、無理めに思える作戦をどんどん展開していくので有能さが際立つこと・・・・・・しかも使える人材も豊富。
傍から見てもこりゃ勝てねーわー、、、、と思っちゃいます。
やりにくい環境の中でなんとか最善を尽くすべく、罵り合いつつ話し合うクロトとイザヤの姿に同情がやまない。

 

そんな悪条件の中でも冴え渡るのはクロトの頭脳と「飛簾」の絆。
ぶっちゃけ私には艦隊戦はとても難しくて、必死に文字を追っても上手く頭にイメージができないことが多々あったのだけど、それでもやっぱり面白いのは面白い。状況を全て理解できなくても、戦場のドラマがちゃんと面白いから楽しめる。

立てまくってたフラグを見事に回収したクライマックスの衛角攻撃とかね。
予想通りで予定通りの展開なのに、あんなに泣けるシーンになるとは思わなかった。
船が体当たりするために何が必要かって、よく考えれば分かる話だった。
戦意高揚のために「アイドル」に徹する姫たちと、彼女たちの立場も覚悟も理解した上で命を支げる部下たちの絆が・・・・・・
その絆の美しさが、私にはとても怖い。戦争って本当に怖いと思ってしまう。
そのへんの欺瞞を無視せずに、けれどエンタメとして面白く仕上げているところがやはり上手いなぁと感じました。

 

クライマックスといえば、ラストシーンのクロトとイザヤの雰囲気が最高でした。
いつも喧嘩してるくせに、悪態ばかりのくせに、こういう時だけ素直になるのずるい・・・!
途中で新キャラのユーリが投げた「クロトが戦うのはイザヤを守るためなんですね!」という爆弾、なんてエモく爆発するのか。
イザヤもイザヤで、あんな揺れる乙女っぷりを披露してたくせに、どうしてそんな哀しい願いを託すのか。。。

わたしたちに幸福な結末はあり得ない。

死ぬことまでが仕事の「悲劇の王女」か・・・・・・
いやいや、それを覆してこそのカタルシスでしょ!クロトが全部ひっくり返すんだ!間違いない!!

 

戦況は相変わらず不利なのでドキドキしますが続きも楽しみです。
作戦行動を開始したスパイのユーリがどう動くのかも気になるんですよねぇ。寝返りそう〜〜〜笑

 

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