追放悪役令嬢の旦那様 /古森きり



追放悪役令嬢の旦那様 (ツギクルブックス)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年12月刊。
これは好きな雰囲気!
悪役令嬢転生(※主人公はその夫)×辺境スローライフな異世界ファンタジー。
婚約破棄された悪役令嬢を助けたことで彼女を押し付けられ、棚からぼた餅式に幸せ(とトラブル)が舞い込んでくる青年貴族の物語です。
この主人公がとんでもない尽くし系ヒーローでした。愛する嫁のためにめっちゃ頑張るひと。しかしその頑張り方がチート級。
テンポも良くて楽しく読めたし、主人公がヒロインにどんどん惚れ込む姿にニヤニヤできたし、これは続きも期待したいな!

☆あらすじ☆
追放悪役令嬢が繰り広げる、ちょっと不運で最高にハッピーなファンタジー!
卒業パーティーで王太子アレファルドは、自身の婚約者であるエラーナを突き飛ばす。
その場で婚約破棄された彼女へ手を差し伸べたのが運の尽き。
翌日には彼女と共に国外追放&諸事情により交際0日結婚。
追放先の隣国で、のんびり牧場スローライフ!
……と、思ったけれど、どうやら彼女はちょっと変わった裏事情持ちらしい。
これは、そんな彼女の夫になった、ちょっと不運で最高に幸福な俺の話。

以下、ネタバレありの感想です。

 

王太子の「友人」ではあるものの、彼の人使いの粗さに辟易していた伯爵令息・ユーフラン
王太子が婚約者である公爵令嬢エラーナを手ひどく糾弾する現場に立ち会ったユーフランは、彼女に思わず手を差し伸べてしまう。
その姿を見た父親たちの意向により、婚約破棄&国外追放されるエラーナの道連れとなるべく彼女と結婚させられたユーフランだったが、それは、長年エラーナに横恋慕をしていた彼にとって、実は夢のように幸運な展開で―― というストーリー。

 

というわけで、悪役令嬢の夫が主人公の物語です。
この主人公ユーフランのデレっぷりがとても楽しい作品でした。
ずっと好きだった子と結婚することになり、内心ウキウキのルンルンで顔がにやけっぱなし。
でもそれを知られて嫌われるのも怖いから、ゆっくりじっくりエラーナとの距離をはかっていくユーフラン。
「国外追放」という事実を忘れそうになるくらい、浮かれ気分で新生活を満喫してるんですよね。めちゃめちゃ幸せそう。

 

そんな幸せだけど慣れない新生活を力強く支えていくのが、ユーフランのチート級な発明力。
異世界ファンタジーなのにどんどん家電が揃っていくの笑うでしょ。
最初からシュシュとかドライヤーとか作ってるから「こいつ実は転生キャラ?」と疑ったりもしたんだけど、れっきとした現地の人だそうです。すごいわ。きみが天才か。
正直かなりご都合主義なんだけど、それをそのまま「あなたはご都合主義のしわ寄せキャラクター!」という自虐みたいな設定でゴリ押してきたので笑いました。潔い!そうだ、悪いのは元ネタのラノベの作者!笑

 

この「発明の天才」という設定を通してユーフランのエラーナへの想いが存分に描かれていくんだけど、これがもうびっくりするほど甘酸っぱい。

物は作れるけれど発想力に乏しく、王太子たちから能力を搾取された結果、自己評価が著しく低かったユーフラン。
そんな彼を真正面から評価して、褒めて励まし、代わりに怒ってくれるエラーナ。

とても相性が良くて可愛いし、ほっこり和む二人なんですよ。
エラーナが何かする度に「ああ〜〜〜〜好き〜〜〜〜〜〜〜〜」と密かにゴロゴロと悶えるユーフランの姿にニヤニヤが止まりませんでした。
ほんと、嫁のことが好きすぎる男なんですよねー。彼の語りはエラーナへの恋心で8割埋まってる(言い過ぎか?)(でも体感それくらい)
ユーフランは最初から恋の沼の住人だったけれど、どうやらその沼は底なしだったようです。
エラーナがリクエストした物を作って、それでエラーナが喜んで、更に喜ばせたくてもっと作る―――何このカップル、永久機関かなにか?

 

そんな「夫」の恋心に気づかぬまま、ユーフランをどんどん惚れ込ませていくヒロイン・エラーナ。
彼女がどういう人物なのか、なぜこの世界に存在しないアイテムをどんどん思いつくのか、・・・・・・については置いといて。
エラーナに関しては、彼女のいう「第二部」の破滅シナリオが気になるかなぁ。
悪役令嬢もののお約束通りなら、シナリオは簡単に避けて通れるものではないだろうし。
そして勿論、ユーフランの恋が本当の意味で実るのかも気になるところ。
まだ夫婦カッコカリみたいな関係なんですよね。ユーフランが頑張って好感度を積み重ねているけれど、両思いには至ってない感じ・・・・・・そのもどかしさが楽しいけれども、さてどうなることでしょうか。

 

ところで、エラーナが何度かユーフランのことを「モブじゃなかったのか・・・」みたいに言ってたじゃないですか。
とても失礼だけど、私はその気持ちが少しわかる気がして。
いや、モブとは思わなかったんだけど主役にいそうなキャラとは違うよな〜準主役ラインだよな〜という意味で。

なんというか、「発明家」という点を除くとユーフランって少女漫画とか逆ハーものの人気ランキングで3番とか4番にいそうなキャラクターっぽくないです?
チャラくて軽薄で笑顔が胡散臭くて、でも裏で仕事はできる有能キャラで、遊び人っぽいけどヒロインに一途で・・・・・・みたいな。金髪ロン毛の騎士キャラとかにいそうな!(偏見)

ユーフランは赤毛だし遊び人設定もないけど、なんだかそれっぽいなーという、個人的な印象が強くてですね。
そういうキャラって大抵は不憫に貧乏くじを引くものだけど、貧乏くじを引きそうだったユーフランが大逆転で当たりくじを引き当てた本作の構造が、なんだか面白いな〜と思ったのです。
ううむ・・・・・・超個人的なふわっとした感覚を長々と語ってしまった・・・・・・伝わらんだろこれ・・・・・・

 

まぁそんなことはどうでも良いのです。
この作品が面白かった!ってことが言いたいだけなので。

元悪役令嬢とご都合主義請負人の夫婦(仮)
そんな二人のスローライフはどうなっていくのか。
続きもとても楽しみです。

 

余談。
唐突な「はめふら」ネタに笑いました。リスペクトすごい。

created by Rinker
SBクリエイティブ
著者 古森きり イラストレーター ゆき哉

 

スポンサーリンク
 
0

「追放悪役令嬢の旦那様 /古森きり」への2件のフィードバック

  1. こんにちは、初めまして。

    しばらく前からこちらのブログを拝見して、いろんな本と出合う参考にさせていただいています。
    そして、このお話もめちゃくちゃツボでした。
    直近、こちらのブログを拝見して読んだ作品の中では「
    結婚初夜のデスループ」と「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す」と「雲神様の箱」も大好きでした。

    私の青春時代大好きだった、コラフェリと薔薇のマリアとあざの作品を推されているので、勝手に趣味が会うなと思っておりまして、いつも凄く参考にさせていただいてます。

    今日、この本を読んでいて、こちらのブログに出会わなかったら、この本も、デスループも絶対出会ってなかったよなとしみじみ思ったので、急にコメントさせていただきました。

    これからも、面白かった本を推し続けていただけるととてもうれしいです。

    1. itoさん、コメントありがとうございます。

      >しばらく前からこちらのブログを拝見して、いろんな本と出合う参考にさせていただいています。そして、このお話もめちゃくちゃツボでした。

      わわわ、とても嬉しいです!
      追放悪役令嬢、良いですよね。デスループや他の作品も、私もすごく好きです!
      自分が面白いと思ったものに共感していただけると、とても幸せな気持ちになります。こちらこそ本当にありがとうございます。

      >私の青春時代大好きだった、コラフェリと薔薇のマリアとあざの作品を推されているので、勝手に趣味が会うなと思っておりまして、いつも凄く参考にさせていただいてます。

      コラフェリ!薔薇マリ!あざの耕平!
      本当にめちゃめちゃ趣味が合いますね・・・!
      すごい、、、仲間を見つけたような気分です。嬉しいです。めちゃめちゃテンションが上ってしまいました・・・!

      >今日、この本を読んでいて、こちらのブログに出会わなかったら、この本も、デスループも絶対出会ってなかったよなとしみじみ思ったので、急にコメントさせていただきました。

      あまりにも嬉しくて心に永久保存させていただきました。泣きそう・・・
      ブログ更新の励みになります。これからも頑張ります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。