薬屋のひとりごと9 /日向夏



薬屋のひとりごと9 (ヒーロー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年2月刊。
前巻ラストのあの衝撃から続く第9巻。
そして今回もまた最後の最後に衝撃が走り・・・・・・めちゃめちゃびっくりした・・・!

☆あらすじ☆
シリーズ累計600万部! 待望の最新刊では二人の「その後」が明らかに! 猫猫と壬氏が船旅に?
壬氏の一世一代の行動の結果、とんでもない秘密を共有することとなってしまった猫猫。
折しも後宮は年末年始の休暇に入る時期。
実家に帰りたくない姚は、猫猫の家に泊まりたいと言い出した。
とはいえお嬢様を花街に連れていくわけにもいかず、姚と燕燕は紹介された羅半の家に泊まることになる。
一方、口外できない怪我を負った壬氏のために、猫猫は秘密裏に壬氏のもとに通わなくてはならなかった。
できる範囲で治療を施していくが、医官付き官女という曖昧な立場に悩まされる。
壬氏が今後さらに怪我を負わないとも限らないが、医官にはなれない猫猫は医術を学ぶことはできない。
そこで、羅門に医術の教えを乞おうと決めるのだが――。

以下、ネタバレありの感想です。

 

前巻の感想で「お肉焼けるニオイと共に一生残りそうな記憶をプレゼント」とブログに書いたんですが、壬氏の手当をしながら猫猫が焼肉食べたいとか考えていて笑いました。ハートが強すぎる。やはり似合いのカップルなのでは??

 

で、腹に重い火傷を負ったわけだから、その治療が数日で簡単に終わるはずもなく。
今回はいつもよりも壬氏と猫猫が一緒にいるシーンが多かった気がします。
楽しい。愉しい。壬氏さま、猫猫に甲斐甲斐しく手当されてるの、めちゃめちゃ嬉しそうですよね。
お腹にさらしを巻く時って抱きつくような格好になるのかな。幸せ者め〜〜(ヤンデレ〜〜〜)

 

仕事はできるはずなのに、頭も切れるはずなのに、猫猫のことになると色々な螺子が吹っ飛んでしまう壬氏。
またいつ大怪我をしでかすか分からない壬氏のために、猫猫も自分の技術を更に向上させることを決意します。
このあたり、流れ的に自然な帰結なんだけど、なんだかんだ言って壬氏のために行動してる猫猫の姿にムズムズします。
まぁ半強制的な道ではあるんだけど。それは分かってるんだけどね。
でも壬氏とこれからも付き合うこと(付きまとわれること)が前提っていうのが、こう、ね。

 

そんなこんなで、物語は猫猫修行回のような方向へ。

 

必要となるのは外科的な医療技術。
そこで踏み込んでいくのは、人体解剖の禁忌。

医学や科学の発展と倫理の衝突という問題は、人類史に常に付きまとうものなのでしょうが、それに正面から触れつつも猫猫自身が揺らがないのは流石でした。
そのへんの忌避感を燕燕たちを通して描いていたのも上手かったなぁ。
猫猫が突き抜けて理性的かつ合理的なぶん、この世界観における常識人の配置って大事ですよね。

 

もはや薬屋なのか医者なのか分からなくなってきたところで、それを見越すかのように猫猫が「私は薬屋だから」とアイデンティティを再確認していたのも印象的でした。
彼女の誇りは「薬屋」であること。
必要な技術は貪欲に手に入れるけれど、根幹にあるものは決してぶれない。だってそれは唯一敬愛する人が与えてくれたものだから。
こういうところが好きな主人公だな、と改めて思いました。軸が揺れない安定感。
猫猫の羅門に対する愛情って、彼女の人間くさい部分を一番瑞々しく描いてくれていると思うんです。ある意味かなりのファザコンかもしれない(実父にはアレだが)

 

そんな猫猫が壬氏の中に羅門との共通点をみて、だからこそ放っておけないと思うのも、言わば当然の心の動きなのかもしれません。
確かに変なところ(損なところ)が似ている二人なのかも。
情を捨てられない人を、それで自分を削る人を、もどかしくも腹立たしく思う。
そういう猫猫の心にこそ、私は愛を感じてしまうのです。

 

でも、そうは言っても、ラストのアレはびっくりしたよね!!!!

 

壁ドンして(「壁凸」笑った)優しい言葉をかけて、そ、そして、え、え、じ、自分から、ほっぺに???(動揺)
諦めたというか腹をくくったというか開き直ったというか、これはそういうことで宜しいか?
ていうか目隠ししてる挿絵のエモさやっっっば・・・・・・

 

とりあえず壬氏さまおめでとうございます。

でもやっぱマゾじゃん!そこは抱擁でよかったじゃん!なぜビンタ!?しかもおかわり希望!?
強めに鞭を打ったあとのご褒美の飴が甘すぎて目覚めちゃうやつじゃないですか・・・・・・いやもう目覚めてたか・・・・・・

 

気づけば猫猫も二十歳になっているわけで、これはそろそろお赤飯をスタンバイしても良いんでしょうか。
楽しみすぎるーーー!

 

さてさて、今回も最後の最後で爆弾を放り投げて終わってくれましたが、物語全体の内容的にも新たな展開に入りました。

玉葉后の故郷である西都でみられる不穏な動き。
羅漢を動かさねばならないほどのキナ臭い気配。

一体何が起こっているのでしょうか。もしやラブコメに浮かれてる場合じゃない感じ?

 

ところでヤブ医者の名前はグエンと言うそうですね。なんだか聞き覚えがある響きだ。
ここにきてやぶが後宮医官になった経緯が明らかになったけれど、なんというか、うん。大した話ではないんだけど大した運だと思いました。きっと今の状況(囮役)でもやぶは運だけで切り抜けられるよ。間違いない。
結構ひどい扱い受けてるのに、幸せそうなんですよね。恋する乙女の顔をしてるし(あのやぶと壬氏のシーンに挿絵指定したの誰ですか!良い仕事だ!)

 

それと今回目立っていたのは、新キャラ・をはじめとする馬ファミリー。
高順さんのご家族、濃すぎません??
特に雀さんのキャラがとても好きです。諜報の一族の出身らしいけれど、なんとも忍者っぽい。変な足音たてるのもわざとでしょ。
普段から目立つ動きをしていた方が、それを止めた時に誰も存在を気づかないとか・・・・・・それ変装のテクじゃん!これは曲者!
書籍版でもかなりのオモシロお姉さんですが、WEB版よりも自重してるらしい。気になるから後で見に行こうと思います。

 

さてさて、濃厚なメンツで始まった新展開。
パパも張り切っていますが、猫猫と壬氏の関係に割り込めるのでしょうか。今回の件を知ったらやばそう。壬氏の命が。

 

続きも楽しみです。
あ、今回の特装版のドラマCDはちゃんと買ったんですが、まだ聞けていません。こちらも早く聞かねば!

 

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主婦の友社
著者 日向夏 イラストレータ しのとうこ

 

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