魔法世界の受付嬢になりたいです 3 (アリアンローズ)【Amazon】 /【BOOK☆WALKER】
前巻の感想はこちらから
評価:★★★★☆
2020年1月刊。
ケンカップル×お仕事ファンタジー完結巻。
様々な伏線が回収され、実にスッキリと読み終わることができました。
喧嘩ばかりしていたナナリーとロックマンの関係も最高の形で着地。とても面白かったです。
☆あらすじ☆
オルキニスの騒動も落ち着き、『受付のお姉さん』も二年目に入ったナナリー。後輩ができ新しい業務も増え、順風満帆。だけど城を襲った魔物が残した「シュテーダル」の謎は未解決のまま、各国からすべての型の魔法使いが集う競技会・ウォールヘルヌスの開催が決定する。
そんな中、ロックマンから魔物がナナリーの属性である「氷型の血」を狙っていると警告されて!? そのうえロックマンとの腐れ縁に実は理由があり……。
「私、喧嘩ばかりだけどロックマンに一度も“嫌い”って言われてない──」
前向き女子の異世界おしごとファンタジー、いよいよクライマックスへ!
以下、ネタバレありの感想です。
完結巻ということで、色々な謎が明らかになりました。
魔法型を娘に教えていないナナリー母の意味深な正体。
城を襲撃した、人語を解す魔物の正体。
そして、ロックマンがなぜナナリーに執着しているのか。
ナナリー母の正体は面白かったと同時に、そのロマンチックな禁断愛にときめいてしまいました。
お父さんが恐妻家で愛妻家になるわけだわ・・・・・・
そうなるとナナリーの身分もぐっと向上するわけで身分差問題も解決か。シンデレラストーリーだなぁとか一瞬思ったんだけど、ナナリーがしっかり拒否したのは彼女らしくてニッコリ。ちゃんとタイトルに戻る結末は読んでいて気持ちが良いものです。
そして人語を解す魔物「シュテーダル」の問題についても一気にクライマックスへ。
創世紀の頃からの気合入ったストーカーに震える・・・!
それでも強敵は強敵。
世界崩壊の危機を前に、仲間たちが傷つき、倒れ、それでも支え合って戦い抜いたラストバトル。
まるで王道少年漫画のような熱い展開だったと思うし、その中でナナリーが恋に気付く恋愛小説ならではのカタルシスがありました。いいとこ取りですね!楽しかった!
てか、そう、ついに、ナナリーが、気づいちゃったんですよ!!!
小さい頃からの憎々しい感情が一気に反転した瞬間。なんだあのオセロひっくり返したみたいな気持ちよさ。最高でしょうか。
好きにならない奴がアホではないのかっていう、負け惜しみみたいなモノローグも最高。なんといっても惚れたものが負けだからね!笑
と言っても、その理論でいくならロックマンは最初から負けているわけですが。
ロックマンはいつから、なぜナナリーを好きなのか?という疑問へのアンサーもしっかりあったので私は大満足です。
なんというか、タイムリープ系ロマンスの亜種みたいな展開ですよね。
ケンカップルがケンカップルになったのはナナリーのせいじゃん、と思ってしまった。
そして、それはロックマンにとっては繋がりを持ち続ける理由だったと・・・・・・
受付嬢が「繋がる」仕事であることを考えれば、ナナリーはどこまでも受付嬢なのかもしれない。天職ですね。
魔法世界ならではの展開で、かつ、魔力暴走ネタがここに持ってくるための伏線だったのかというアハ体験も面白かったです。
そこでもう一つ面白かったのがこれ。
「普通に考えてみて変だとは思わないか。女を殴り飛ばしたり髪を燃やしたり、貴族に生まれた男がやることじゃない」
たしかにーーーーーー!!
ナナリーも同じくらい殴る蹴るの暴行を返していたから、男女平等ケンカップルの演出かと思っていました。
いやぁ普通に事情もなく人を殴ったらいかんよね。事情があってよかった(?)
色々な誤解と事情を知り、ようやく素直になれたナナリー。
そうなると気になるのはロックマンガチ勢のマリスの反応なんですが、あまりにも、あまりにも、良い子すぎて彼女の幸せを願わずにいられなくなりました。
マリス、ロックマンのこともナナリーのことも大事に思って見守ってきた人だから、きっと色々すべてを察してたよね。
引くべきところでサッと引く潔さと気高さが格好良すぎました。幸せになって!!!号泣
最初はどうなることかと思っていたナナリーとロックマンの関係も無事にハッピーエンドに着地。
番外編の「微睡みの朝」がとても良かったです。「今日はやけに素直だな」と言葉的に、きっと何をするにも喧嘩と勝負でコミュニケーションを取っていくのは変わらないんだろうなぁ。
楽しいシリーズでした。
まこさんの次回作も楽しみです。その前に前作を読んでみよう!
前作というと「隅でいいです。構わないでくださいよ。」でしょうか。なろう版と書籍でスタートがかなり違って驚きましたし、今作とはまた違うタイプのお話(和ものだし)ですが、コメディとシリアスのバランスがいい感じです!
電子では合本版も出ているのですが私は各巻ので買ってて、特典(SS)とかどうなってるのか気になります…。
m-bookmarkさん、コメントありがとうございます(すみません、遅くなりました!)
>前作というと「隅でいいです。構わないでくださいよ。」でしょうか
それですそれです。書籍版は結構違うんですね??
受付嬢も面白かったので、こちらも期待しています〜!
合本版には合本版用のSSが収録されている感じなのでしょうか。。。
なら、とりあえず合本版を買ってみます!
SSを確かめたらご報告させていただきますね(^o^)
みかこ様、初めまして。
1巻のレビュー→ロックマンがやばい
2巻のレビュー→ロックマンがやべぇ
に大ウケしました!
が、なろう版最新小噺「金髪男の末路」で
本心吐露というリーサルウェポンが投下され
こ の 男 や べ ぇ と戦慄(今頃)
ナナリー視点で読んでいた分にはあまり
気にしてませんでしたが、みかこ様の認識
超正しかった!
創世紀ストーカーシュテーダルも大概でしたが
人間なのにこのヤバさ。
続編でも我々を震え上がらせてくれるのか楽しみです。
もぐさん、コメントありがとうございます。はじめまして!
えっえっ、なろう版でそんなエピソードが公開されたんです!?
ロックマンやべぇロックマンやべぇと書籍版でもあんなに呻いたのに!?
読まねば・・・・・・!
私の認識とか超適当なやつだったんですが、それは読まねば・・・!
「人間なのにこのヤバさ」に笑ってしまいましたww
読んできますね!楽しみー!
みかこ様、こんばんは。
なろう版続編『魔法世界の物語』でナナリーとロックマンは
白やぎさん黒やぎさんよろしく文通しているようです。
時の番人やらマリスの手紙やら気になるエピソードがチラホラ
していますが、やはり基本、爆弾を投下するのはロックマンか
ロックマンなのか!!というヒキが凄かったですww
もぐさん、コメントありがとうございます。
続編って、過去小話のことだと思いこんでいて(でもそれを続編とは言いませんね・・・笑)、タイトルを聞いて初めて存在に気づきました!本当にありがとうございます!!
慌てて読んできました・・・!
めちゃめちゃニヤニヤしてしまう続編ですね、これ!
手紙で喧嘩してるうちに文通してるのが、このカップルらしくて最高すぎます。好意を自覚しちゃったナナリーも可愛い。
最新話のロックマンの引きもたしかにすごいです。えっ、ちょっとロックマンの顔みせてほしいんですけど????ってなりました!笑