妹さえいればいい。14 /平坂読



妹さえいればいい。 (14) (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから

評価:★★★★★
2020年2月刊。
ラノベ作家たちのラブコメ群像劇、ついに完結!
とても面白かったです。いや本当に面白かった。
びっくりするくらい真っ直ぐ刺さって、なんだか表に引きずり出されたような気分になりました。
何もかも満足!

☆あらすじ☆
青春ラブコメ群像劇の到達点、堂々完結!!
「アンチも編集者も俺以外の売れっ子も全員爆発しろ!」作家としてブレイクし、愛する人と結婚し、父親となっても、人は(特に作家は)そう簡単に聖人君子のように生まれ変わったりはしない。羽島伊月は今日も荒ぶりながら小説を書く。そんな彼を生温かく見つめる妹の千尋も、報われない片想いにいい加減疲れていて――。伊月、千尋、京、春斗、那由多、アシュリー、海津、蚕、刹那、撫子……時を経て大きく変わったり変わらなかったりする主人公達が、それぞれに掴む未来とは!? 青春ラブコメ群像劇の到達点、堂々完結!!

以下、ネタバレありの感想です。

 

あれから3年。
売れっ子作家になった伊月は、妻の和子と息子・宙を何よりも愛する良きパパとなっていた。
しかしまたも襲われるスランプ。今の伊月に、何が足りていないのか―― という最終巻。

 

「妻の和子」と地の文でサラッと書かれるたびに、毎回律儀に「誰っ!?」となっていました。
夫を愛し子供を愛し家事をこなし家庭を守る、良き妻にして良き母。もちろん服は着ている。誰?????

 

あまりのキャラ変(呼び名すら変わった)に、なんだかヒロインが交代したみたいな錯覚に陥って、ちょっと寂しい気持ちになったのですが・・・・・・

 

なるほどなるほど。そういう意図だったんですね。

 

『妹さえいればいい。』という伊月の尖った情熱が、那由多への想いから『主人公になりたい』という切望へと変わり、掴んだ幸せをもって辿り着く『明日の君さえいればいい。』という境地。
それは、「和子」へのラブレターを超えるために書く、「那由多」へのファンレターでもあって・・・・・・

 

なんかもう構成が美しいと思った。
このシリーズが描いてきた伊月の成長と変化を、その中で揺らがない想いを、最後にこんな形でまとめるのかと。

 

だってさ、クライマックスの伊月の演説、最高すぎません??

 

私は伊月たちの青春群像劇と赤裸々なラノベ業界の話を外野から読者として楽しんでいたはずなのに、最後の最後に伊月によって物語の中に引きずり込まれた。
「愛せる主人公になることを、諦めないでほしい」という言葉に、とても深く心を刺されてしまった。

 

こんなのずるいでしょ・・・・・・そして格好良すぎる。
「かかってこい」と挑発されているのに、なんだかエールを送られた気分になってしまうんだけど。もうさぁ、なんなのこれ・・・・・・

 

相変わらずネタがぶっ飛んでるし(栞ちゃんの性癖は育てる方針なの?大丈夫???)、新人賞とネット小説の関係とか気になる話してるし(出版社は新人賞作家を育てる気があるのかもっと詳しく聞いてみたいな、私も!)、でもなんだか最終巻とは思えないのんびりしたスタートだなぁと思っていたのに。
こんなに熱く盛り上げて終わるなんて思わなかった。

 

でもすごく満足です。
ページ数的には短かったけれど、本当に良い最終巻でした。

 

で、半分くらいページが余ってるけど次世代の番外編?ふーん??と思って読み始めたら、これがなかなか面白い。
伊月たちの息子・宙を中心とする幼馴染三角関係と、青春のボーイミーツガール。
まぁ病気ネタはちょっとベタすぎて好きじゃないかな。
でも優羽のコンプレックスまみれの片思いは非常に好きなやつ・・・・・・とかドキドキしながら普通に読んでいたので、オチに笑いました。
そういうことするシリーズだよね!やたら細かい豪邸の描写を思い出して更に笑った。

もうほんとさぁwww

 

最後まで楽しかったです!
平坂読先生の次回作も楽しみに待っています。

 

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