大正浪漫 横濱魔女学校1 シトロン坂を登ったら /白鷺あおい



シトロン坂を登ったら (大正浪漫 横濱魔女学校1) (創元推理文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2020年2月刊。
『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の白鷺あおいさんによる、新たなる魔女学校三部作がスタート!
とても楽しみに待っていました。そして今作も面白かった!

時は大正。舞台は横浜。そして今度の主役は魔女学校に通う3人娘。
レトロでモダンでとびきり可愛い大正女学生の魅力が詰まっていました。こういう雰囲気大好き!
物語は意外な方向にすっ飛んでいくのだけど、そこもまた味があって良し。
続きもとても楽しみです。

ちなみに前作と世界観は一緒だけど(時代は違う)、前作を読んでなくても問題なさそうですよ。

☆あらすじ☆
わたしは花見堂小春、横濱女子仏語塾の3年生。うちの学校はちょっと変わっていて、実は魔女学校なの。創立者のマダム・デルジュモンが魔女で、おかげでわたしたち女学生はマダムの母国語フランス語だけでなく、薬草学や占い、ダンス(箒で空を飛ぶことを、そう呼ぶ)も学んでいる。本当はもうひとつ大きな秘密があるんだけど、それはおいおい話すとして。そんなわたしのもとに、新聞記者の甥っ子が奇妙な噂話を持ち込んできた。横濱に巨大な化け猫が出没しているんですって。しかも学校の近くに……。大正時代を舞台にした魔女学校3部作開幕!

以下、ネタバレありの感想です。

 

物語の舞台は大正時代の横浜にある横濱女子仏語塾
そこは、人間の世界に紛れて生きる妖魅たちが、魔女になるための勉強に励む魔女学校だった――

 

前作読者ならピンとくる通り、ここは『ぬばたまおろち、しらたまおろち』の主人公たちが通うディアーヌ学院の前身で、まだ女学校だった頃の魔女学校です。

 

さて、そんな横濱女子仏語塾に通う3年生花見堂小春藤村宮子樹神透子は仲良しの3人組。
小春の年上の甥である新聞記者・花見堂周太郎が持ち込んできた「横濱の街に連続して出没した巨大な化け猫の謎」という与太話に笑ったり呆れたりしながら、3人は日々の勉強に追われる毎日を送るのです。

 

この3人を中心に、大正モダンな雰囲気が実に可愛い作品だったと思います。
小春たちの言い回しが良いんですよね〜。
先進的なんだけど古風。奥ゆかしさを目指しつつも、お転婆が見え隠れ。
それが微妙なバランスで共存しつつ、ちょっとおマセな感じがたまらなくキュートなんです。

 

そして何より本作は妖魅(妖怪)たちの学園モノなので、もちろん主役の3人は揃って人間ではありません。
一番インパクト抜群だったのは主人公の小春でしょう。

 

なんと言っても首が飛ぶ!!

 

いまだかつて飛頭蛮の少女を主人公にした作品があっただろうか。あるのかもしれないが。
私のなかで飛頭蛮といえば「うしおととら」のトラウマ妖怪なので(知らない方はぜひ読んで)、イメージのすり合わせが大変でした。
丸顔眼鏡の女の子があの勢いで首を飛ばすの・・・?「思わず」で頭を飛ばすんだ・・・?みたいな。

 

そうは言っても小春ちゃんはとても可愛いんです。そして勇敢な子。
ピンチのときの首の使い方とか、想像力の限界を試されるけれど、めちゃくちゃ格好良いんですよ。
まぁでも私も現場に立ち会ったら「お化けーっ!」と叫んでしまうと思われる。

 

大正女子の可愛さと、妖魅女子の格好よさをあわせもつ小春たち。
彼女たちは、化け猫の都市伝説をきっかけに、「ル・ジャグワール」と名付けた巨大なアメリカ豹と、夢遊病を患う車椅子の少年・若槻千秋と出会い、意図せず彼らの秘密に迫っていくことになります。

 

物語の鍵を握るのは『グリーン・マンション』。
私は恥ずかしながら未読なのだけど、邦題では『緑の館』というロマンス小説ですね。
南米の密林を舞台にしたこの小説が、大正横濱の女学生にどう絡んでくるのかとワクワクしていたのだけど、いやはや、まさかまさかの展開でした。

 

いやだって、まさか海老茶の袴に編み上げブーツの大正女学生が、密林で南米原住民に槍でつつかれて追われる展開がクライマックスだとか誰が予想できる??

 

めちゃめちゃびっくりしたよ!
しかしこれが面白かった。
『ダンス』で習得した飛行術の実践と、妖魅の個性豊かな身体能力。
その合わせ技の豪快さと破天荒さがとても楽しかったです。

 

さてさて、一難は去ったものの、残された謎が気になるラストでした。
謎の絵画や、ル・ジャグワールの正体、そして千秋くんの身に何が起こっているのか。
この三部作がどういう風に展開していくのか、続きがとても楽しみです。

 

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