七つの魔剣が支配する5 /宇野朴人



七つの魔剣が支配するV (電撃文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年2月刊。
主人公・オリバーはどんな少年なのか。
それが見えてくる第5巻でした。彼の苦しみと憎悪はどこへ落ちていくのだろうか。

☆あらすじ☆
運命の魔剣を巡る魔法バトルファンタジー、待望の第5弾!
勉強と鍛錬を重ねて己を高めつつ、時には後輩たちを相手に頼れる先達としての一面も見せ始めるナナオたち。魔法生物学でグリフォンと格闘するカティに、魔道工学にのめり込むピート。ガイは迷宮で『生還者(サバイバー)』から教えを受けていた。
一方で、次の仇討ちの標的をエンリコに定めたオリバーは同志たちと共に戦いの段取りを詰めていく。しかし、迷宮に消えたピートとエンリコを追いかけ、エンリコの研究所にたどり着いたオリバーとナナオは、そこでエンリコの魔道工学の脅威と、『魔法使い』と『異端(グノーシス)』の対立の一端を垣間見ることになり──。
宿敵の一人に必殺を期すオリバーたち。彼らが戦場に選んだ場所とは——。

以下、ネタバレありの感想です。

 

次なる復讐が始まる第5巻。

今回は剣花団で何かするわけではなく「王」としてのオリバーのお話だったので、いつもよりも(いつも以上に?)どんよりと暗く、重く、憂鬱にのみこまれていくような心境になりました。

 

母の仇であるエンリコを追い詰めていくオリバー。

エンリコ先生って、すごく狂気を感じるし怖いおじいちゃんなんだけど、どこか「先生」らしさを感じる部分もあって(生徒の成長をよろこぶあたり)、なんだろうなぁ、憎めない人なんですよね。
あのけたたましい笑い方も、象徴のようなキャンディーも、背景を知ってしまうと嫌いになれなくなってしまう。

てかさ、エンリコの人間性を掘り下げてからオリバーの復讐劇に移行するとか、そういう演出は心を削ってくるんだって・・・・・・死んでほしくないな、とかちょっと思ってしまうじゃないか。
たとえ彼が作り出すゴーレムがどれだけ醜悪なシロモノなのかを知ったとしても。

 

しかしオリバーは止まらない。
オリバーの復讐心がむき出しになる終盤は、あまりの暗い熱量に鳥肌がたってしまいました。

仲間たちの屍を踏み越えて、復讐をとげたとして、彼はその先に何を見ているんだろうか。
優しい人が優しいままでいられる世界が、彼にも待っているんだろうか。

あまり優しい結末が見えてこないんですよね。嫌な予感がすごくて胃が痛い。
仲間たちはどういうタイミングでオリバーの真実を知るんだろうか。その時に何が起こるんだろう。
本当にいやだなぁ。怖いなぁ。とても憂鬱です。

 

ところで、今回はまた少し『ななつま』の世界観の広がりを知る内容でした。

異なる生命と『神』によって営まれる無数の異界。
そこからやってくる異界生物『渡り』と、『使徒』と呼ばれる異界の神の斥候。
異界の神に取り込まれた者は『異端』となり、魔法使いたちは自分たちの世界を守るために命を賭して『異端』を狩っていく――

キンバリーの恐ろしい校風の原点を知ったわけですが、さて、これがオリバーたちの物語にどう絡んでいくのか。
オリバーの母であるクロエに何かあるようだけども・・・・・・

 

続きも楽しみです。
願わくば、この物語の結末が幸せなものであると良いのだけど。。。

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著者 宇野朴人 イラスト ミユキルリア

 

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