青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない(青春ブタ野郎シリーズ10) /鴨志田一



青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない (電撃文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

前巻の感想はこちらから


評価:★★★★☆
2020年2月刊。
思春期症候群をめぐる不思議青春物語、大学生編スタートです。
思春期は続くよ、どこまでも。
舞台は変われど雰囲気は変わらず、しかし物語は動いていきます。
やはりこの物語は面白い。新章も期待しています!

☆あらすじ☆
ちょっと不思議な青春物語——シリーズ待望の第10弾“大学生編”開幕!
忘れられない高校生活も終わり、咲太たちは大学生に。新しくも穏やかな日々を過ごしていた、そんな秋口のある日——。
「さっきの本当に卯月だった?」
アイドルグループ『スイートバレット』のリーダー・卯月の様子がなんだかおかしい。いつも天然なあの卯月が、周りの空気を読んでいる……? 違和感を覚える咲太をよそに、他の学生たちは誰も彼女の変化に気づかない。これは未知なる思春期症候群との遭遇か、それとも——?
新しい場所、新しい人との出会いの中で、咲太たちの思春期はまだ終わらない。新たな物語の始まりを告げる、待望のシリーズ第10弾。

以下、ネタバレありの感想です。

 

大学生になった咲太たち。
入学から半年が過ぎ、大学生活にもそこそこ馴染んだ状態から物語は再スタートします。

今回のメインは、のどかが所属する『スイートバレット』のリーダーにして、空気の読めない天然キャラが魅力の広川卯月
そんな卯月が突如空気を読み始め、同時に、彼女のソロデビューの話が日常に影を落としていくのです。

 

いやぁ、もうね、刺さる刺さる。
「クラス」や「部活」という枠が取り払われ、個々人がそれぞれ自分の生活や環境を組み立てていく大学生活。
その自由さが不自由、みたいな感覚がわかりすぎてつらい。
服装の話とかね。「ダサいと思われるのは嫌だし、頑張りすぎって笑われるのも嫌」って、あっ、あっ、私それ分かる・・・!ってなった。
周囲に同化すると安心する。自分を出さないでいいのって、とても気が楽。
だから周囲に流されない確固たる自分を持っている人をみると、「すごいな」って思うんです。まさに本作で書かれていた通りの二重の意味で。
「すごい」って言葉で守られる自尊心と隠される嫉妬心。「自分」を持ってないという劣等感があるからこそ過敏になるのかも。はーーーつらい。

 

天然キャラの卯月が、空気を読めるようになった。
空気を読んで人間関係を円滑にできるなら良いじゃない、という話にはならないですよね。青ブタだもの。
「みんな」と同化して、「みんな」の気持ちを知って、それで卯月は自分の中にある感情を知った。
それが卯月の成長、みたいな感じに描かれなかったのは本当によかった。
彼女にとって「みんな」を知ることは彼女の芸能人生において乗り越えるべき課題だったんだと思う。
そもそも同化しちゃダメだよね。
だって芸能人は「すごい」って言葉をたくさんの人から集める仕事だから。
純粋な羨望も嫉妬まみれの嘲笑も、すべてを貪欲に集めて武道館にたどり着いてほしいなって思いました。

 

さてさて、そんな感じで幕開けした咲太の大学生活。
騒動はあったけれど、いつも通りの咲太といつも通りの舞衣さんの姿にほっとしました。
変わらず仲良さそうでなによりなにより(お願いだから末永く一緒にいてね)(咲太に女の影が多すぎ問題)

 

でも気がかりな問題が残されてるんだよなぁ。

 

咲太だけに見えるバニーガール・・・・・・じゃなかったミニスカサンタ
1巻を思い出すシチュエーションだけど、「読めるようにしてあげた」??
元凶ってこと?意図的に引き起こしたの??

 

新章いっぱつめにふさわしい、謎めいたラスト。続きがとても楽しみです。
次回は自称友達候補の美東美織のターンかな?

 

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