スパイ教室01 《花園》のリリィ /竹町



スパイ教室01 《花園》のリリィ (富士見ファンタジア文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2020年1月刊。
第32回ファンタジア大賞「大賞」受賞作。
養成学校では落ちこぼれだった7人の少女が、世界最強のスパイのもとで技を磨き、死亡率9割の「不可能任務」に挑むスパイ・アクションです。
めちゃくちゃ面白かった・・・・・・「世界最強のスパイによる、世界最高の騙しあい」という煽り文句に偽りなしだ。
これはぜひネタバレを踏まずに読んでほしいな。
新年早々期待のシリーズが登場したことで私のテンションは爆上がりです。今後も応援せねば!

☆あらすじ☆
世界最強のスパイによる、世界最高の騙しあい!
陽炎パレス・共同生活のルール。一つ 七人で協力して生活すること。一つ 外出時は本気で遊ぶこと。一つ あらゆる手段でもって僕を倒すこと。――各国がスパイによる“影の戦争“を繰り広げる世界。任務成功率100%、しかし性格に難ありの凄腕スパイ・クラウスは、死亡率九割を超える『不可能任務』に挑む機関―灯―を創設する。しかし、選出されたメンバーは実践経験のない7人の少女たち。毒殺、トラップ、色仕掛け――任務達成のため、少女たちに残された唯一の手段は、クラウスに騙しあいで打ち勝つことだった!? 世界最強のスパイによる、世界最高の騙しあい!
第32回ファンタジア大賞《大賞》受賞の痛快スパイファンタジー!

以下、ネタバレありの感想です。

 

歴史上最大規模の戦争が集結し、戦争はコスパが悪いと判断した各国は、戦いの舞台をスパイによる情報戦へと移していた。
決して表にはでない「影の戦争」が繰り広げられる現代。
物語はディン共和国のスパイ養成学校の落ちこぼれの少女・リリィ不可能任務を専門に行うスパイチーム「灯」に招集されたことから始まります。

 

意気揚々と向かったリリィを待っていたのは、同様に招集された少女たちと、彼女たちを指導する「世界最強のスパイ」・クラウス
しかし感覚派の天才クラウスに人を教える才能はなく、リリィたちはひとり残らず落ちこぼれ揃い。
このままでは死ぬのでは・・・?と恐々とするリリィたちに、クラウスは「僕を倒せ」と実戦形式の授業を行うことを決めるのです。

 

本作はかなりテンポの良い作品だと思いました。
進みが早すぎることも、遅すぎることもなく、常に「おっ!」と気を引く展開があるので物語から目が離せない。
全然途中で飽きなかったんですよね。序盤早々でリリィがクラウスを罠に嵌めにいく展開とか超楽しかった。

 

そしてなによりキャラが良い。

 

まず少女たちを率いる最強のスパイ先生であるクラウス。
もう本当になんだろう、このポンコツのイケメン。「僕は授業が下手らしい」に漂う「こいつはダメだ・・・」感。
襲いかかる少女たちをあしらう姿は手慣れたもので、その最強ぶりは頼りになるのに、先生としては落第もいいところです。
結局実戦形式の体で覚えろになったのでマトモに教えちゃいないし。
でも、本人もそれを自覚してから本で理論を学ぼうとしたり(だめだったけど)、なんかこう、不思議な健気さがあるんです。

ていうか、健気な人だよねクラウス先生。
真っ赤な絵の具まみれで登場したときは「変人タイプの天才か?」と思ったんだけど、彼は家族とか仲間とかそういう絆をとても大切にしてる人で、話が進むにつれてその健気な性格がわかってくるんです。
孤高な雰囲気があるくせに言動に人恋しさがにじんでるの、もう、もう、可愛いじゃないか・・・!
ていうか孤独な過去を背負ってる健気で天才な最強のポンコツイケメンとか好きすぎるやつー!

ちなみに、教師としてはポンコツでも「この手は先生に通じなかった」という経験を通して少女たちが成長していく様子が楽しくて、教師ものとしてしっかり面白くできてるのは凄いと思いました。

 

そんなクラウスの教え子となる少女たちは更に魅力的。というか本作は女の子たちの関係性が本当に良かった。
お調子者の落ちこぼれ、それでいて強力で凶悪な武器を持つリリィ。
彼女を中心にクラウスを倒そうと協力し合う少女たちの、物騒でキュートな雰囲気が最高なんです。

 

でも彼女たちのことを語ろうとすると、どうしてもこの作品の肝となる仕掛けに触れざるを得ないんだよな・・・・・・

 

陽炎パレスで最初に提示された「ルール」。
リリィとエルナ以外、名前を明かさずに髪の色だけで区別される少女たち。

そこに仕掛けがあるのは明らかなんだけど、真相がわかった瞬間の高揚感は半端なかったです。
察しがいい人はすぐに気づいたかも。私は全然気づかなかったのでネタバラシされた瞬間の「おお〜〜〜!」という感動をめいっぱい堪能できました。楽しかった〜!

 

この仕掛けの何が良いって、本作でずっと描いてきた「少女たちの絆」と「スパイもの」の両方の仕上げとして完璧なんですよ。
叙述系にありがちな「今までの話はなんだったんだよ・・・」という裏切りがない。それでいて「そういうことか!」という驚きと興奮はばっちりある。
騙されたけどスッキリしました。まさに痛快!極上ですね!

 

クライマックスといえば、「我々は結局助けてもらう系お姫様ヒロインズっ!」という自虐がすごくツボでした。
こういうこと言う子たちは絶対に成長すると思った。
クラウス先生から技を盗みまくって、いつか逆にクラウス先生を助けるような優秀スパイになれるといいねっ!
ほんと応援したくなる子たちだなぁ。
チーム灯、みんながんばれ!

 

本当によかった。ぜひぜひ長編シリーズ化してアニメ化までいってほしい。
でもアニメ化したら仕掛けがバレバレだな・・・?

続きが楽しみです。早く読みたい!

 

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