夢見の魔女と黒鋼の死神 /三沢ケイ



夢見の魔女と黒鋼の死神【特典SS付】 (アイリスNEO)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2020年1月刊。
運命のひと目掛けて一直線な恋をする魔女と、トラウマから彼女の想いを信じきれない孤独な皇帝の恋を描いたファンタジー。
どれだけ好意を示しても袖にされ、それでもめげないヒロインの健気さが良かったです。この直向きな姿勢は可愛いを通り越して格好良いと言えるかも??
中盤以降は甘い展開も入り、全体として悪くない作品でした。
ただ、少し引っかかる箇所がいくつかあったかな。

☆あらすじ☆
『黒鋼の死神』と恐れられる皇帝ベルンハルトのもとに、魔法の国の王女リリアナが嫁いでくる。心配する周囲をよそに、リリアナは「末永く可愛がってくださいませ」と大喜び。熱い想いを分厚すぎる恋文にしたためては暗号かと怪しまれるが、どうやら二人は過去に夢の中で会ったことがあるようで……?
同じ頃、周辺国との均衡が崩れかける動きも起ころうとしていて――。
噛み合わない二人の新婚生活は一体どうなる!?
※電子版はショートストーリー『皇帝は嫉妬する』付。

以下、ネタバレありの感想です。

 

夢見の魔法によって見た、『魂の伴侶』を探し続ける魔法の国サジャール王国の王女リリアナ
容姿以外は名前も知らなかった彼の正体が遠方の国の皇帝ベルンハルトであると知ったリリアナは、ベルンハルトと政略結婚によって結ばれることを喜ぶが、当の彼は彼女の想いを信じようとせず―― というストーリー。

 

義母である前皇后の不貞が起こしたクーデターによって、心に深い傷を負い、人を信じようとしないベルンハルト。
恋い焦がれてきたベルンハルトに、何度も拒絶されようとも愛を囁き続けるリリアナ。

二人の攻防は時に可愛く、時に焦れったく、時に切なく繰り広げられていきます。
初期のベルンハルトはかなりの塩対応なので余計にリリアナの健気さが際立つんですよね。
傍目には何だか不憫なんだけど、彼女自身は好きな人のそばにいる喜びを全開にしている。その恋心の強さがとても眩しく感じられました。

 

特に手紙のくだりは可愛かった。
あらすじから暗号疑惑展開を盛り上げる方向性を期待しつつ読んだのだけど、そこはあまり引っ張らないんですね。ちょっと残念。
でも、長文お手紙が一筆箋のようになってもリリアナがせっせと届けるお手紙は彼女の恋心そのものという感じがして、なんだかほっこりと和みました。

 

こんなに可愛く健気に恋を伝えられたら、そりゃあもう絆されるしかないわけで。
徐々に心の壁を削られていくベルンハルトがついに白旗をあげた瞬間は、読んでいる私まで達成感を覚えてしまった。ついに・・・!という感動。リリアナは本当によく頑張った!

 

で、その後はラブラブ夫婦の砂糖爆弾乱舞が始まるわけです。甘々。
これは側近の方々が「うへぇ」となるのも分かる(笑)

 

という訳でラブロマンスとしては楽しめたのだけど、個人的には引っかかる部分もあって。
皇后にハニトラさせてまで敵情を探っていたのに結局クーデターを止められなかった先代皇帝は何してたの?とか、二国の友好のために嫁いでくる王女をそんな短期間でポイッと下賜していいの?とか。
なんだろう。政治の話になると説明されてもしっくりこない事が多くて。
ファンタジーだしそういうこともあるんでしょうけど。私の的外れな引っかかりかもしれないし。

 

うーん。
でも面白かったことは確かなので、続きがあるなら読みたいです。

 

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