陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで /松尾からすけ



陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで (角川スニーカー文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2020年1月刊。
これは良いケンカップルラノベ!

幼なじみの存在感に潰されてきた主人公が、本当の実力を魔王に見初められ、そのまま魔王軍に引き抜かれるファンタジー。
正直、序盤は読むのがキツかったです。クセの強い陰キャのノリが合わず・・・・・・

ただ、そんな主人公が魔王軍に入ってから物語はどんどん面白くなりました。これから読む方はもし途中で投げ出したくなっても最後まで読んでみてほしい。
上にも書いたけれどケンカップルが良いんですよ。ラブコメパートが本当に良い。
養い子に「パパ」「ママ」と懐かれる、恋愛関係すらない男女の距離感が絶妙なんです。
喧嘩しつつ意識し合うツンデレ×ツンデレの恋人未満夫婦もどきとか、もうこれ大好きなやつ・・・!

☆あらすじ☆
本当の幸せは魔王軍≪ココ≫にありました
完全無欠の親友の陰に隠れて実力を出し渋っていたクロは、ある日魔王軍に引き抜かれることに。””本気””を出して魔王軍の改革を進めたり、サキュバスの秘書や魔族幼女と暮らすうち居心地がよくなってきて……!

以下、ネタバレありの感想です。

 

勇者育成学校に通いながらも、才能にあふれた親友レックスの陰に隠れていた主人公・クロムウェル
日陰者の自分を嗤うクロムウェルだったが、実はレックスを上回る才能の持ち主で―― という設定なんだけど、正直序盤はクロムウェルの語り口が苦手すぎて(すごい痛々しさだった)、あまり集中して読めませんでした。ごめん・・・・・・

 

もはや流し読みしそうだったんだけど、林間学校の最終日で魔王ルシフェルと遭遇したクロムウェルが、そのまま魔王軍に強制的に引き抜かれて以降は、物語が徐々に面白くなっていきました。
序盤の雰囲気だけで判断するもんじゃないなーと久しぶりに思った。

 

というわけで、本題である魔王軍加入後はしっかりと面白くなる本作。
学校では死んだことになったクロムウェル改めクロは、魔王軍の指揮官に任命されます。

しかしそれを良く思わないのが、人間と敵対関係にある魔王軍の幹部たち。
しばらくは幹部たちを一人ずつ攻略していく話になるのでしょうか。
今回は最初からシンパシーを感じ、すぐに友好関係を結べたデュラハンが相手だったので予想よりは和やかに話が進んだけど、他の幹部相手にクロがどう立ち回っていくのか楽しみです。

 

幹部攻略にあたっては、彼らが治める領地運営の改革もセットになるのかな?
デュラハンの街での労働環境改善の話が楽しかったから、そのへんかなり期待したいところ。
人間であるクロに対する不信感とか、デュラハンという種族の特徴や個性とか、色々な要素が問題を生むんだけど、それを乗り越えることで生まれる絆がとても良いんですよね。
少しずつ魔王軍に馴染み、自分の力で居場所を作っていくクロ。
名実ともに指揮官となっていく彼の活躍が今後も楽しみです。

 

とは言え、本作で一番期待して楽しみなのはラブコメパートなのだけど。

 

クロの秘書に任命されたセリスとのケンカップルなやり取り、険悪なのに仄かに甘酸っぱくて最高でした〜!

相手に嫌味を言いながらもそれでもお互いに離れようとはしない。・・・・・・俺の場合は少しでも魔力をもらっておきたいからなだけな、うん。
なんか悔しいけどセリスの魔力って温かくて落ち着くんだ。
よく手の冷たい人は心が温かいみたいな迷信じみたことを言う人がいるけど、セリスの場合は魔力が温かいのは人間として冷たいからなんだよ、きっと。いやー本当にあったけぇわ。それだけこいつが冷徹人間って証拠だな!!

(セリスは人間じゃなくてサキュバスでは?)というツッコミはさておき。
このシーン、クロのツン9デレ1なモノローグが本当に好き。絶対に好意を認めない意地っぱり加減が最高です。

 

一方のセリスも最初はツンツンしていたくせに、少しずつデレを見せ始めて、でも基本的にツンツン状態が維持されているところが最高に好きなタイプのツンデレヒロインでした。
こういう子が稀にこっそり見せるデレこそ尊いんだ。ご飯とかね!(肉じゃがの優しさが沁みる)

 

そして、そんなケンカップルを「パパ」「ママ」と呼んで慕う養い子のアルカもめっちゃ可愛い。
アルカの存在ってラブコメ的にもかなり秀逸ですよね。
普段から喧嘩ばかりするクロとセリスなのに、アルカに対しては本当の親のように接し、本当の親のように話し合うものだから、その姿は完璧に夫婦恋人ですらない二人なのに!(それが良い)
これ外堀から埋まっていくやつですね。
険悪なまま夫婦っぽくなる二人の距離感が大変美味しいので今後も期待しかありません。

 

序盤に苦手だったクセの強さも中盤以降はどんどん薄くなっていくし、これは続きを読むのが楽しみだ!

 

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