転生してヤンデレ攻略対象と主従関係になった結果 /喜多結弦



転生してヤンデレ攻略対象キャラと主従関係になった結果 (アイリスNEO)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2016年2月刊。
オススメいただいたので読みました。面白かった!
ヤンデレ系乙女ゲームに転生した悪役令嬢のフラグ回避物語。
タイトルに冠する通りヤンデレヒーローものなんだけど、この作品のヤンデレ描写はすごく私のツボ。
いいよね。ツンデレのヤンデレ。口の悪いヤンデレ。
小さい頃から一緒に育った主従ものでもあるので、もはや好物しかないアレでした。楽しかった〜!
病んでる人がたくさん出てきますが、それ以上におバカな人もたくさん出てくる作品なんですよね。特にゲームヒロインのキャラクターにパワーがありすぎる。これはひどい(ひどい)

☆あらすじ☆
初めて魔法を使った日、子爵令嬢である私、セシルは前世の記憶を思い出した。しかも厄介なことに、攻略対象はすべてヤンデレという乙女ゲームの世界、ヒロインのライバル役の令嬢(死亡フラグ多数)という最悪のポジションに生まれ変わっていたのだ! 死ぬのは嫌!! それなのに、攻略対象の一人が従者である私は、ゲームの主要人物と強制的に関わるしかなくて――!?不憫系幸福体質な令嬢の転生ラブファンタジー。

以下、ネタバレありの感想です。

 

乙女ゲームの主人公に嫌がらせをし、ヤンデレな攻略対象たちによって殺される運命が用意されている子爵令嬢セシル
数多の死亡フラグを回避しようとするセシルは、とりあえず自身の従者であり攻略対象でもあるアシュレイをいじめないよう決意する。
そうしてアシュレイと良好な(?)主従関係を築いて成長したセシルは、満を持してゲームの舞台である学園に入学するが――

 

という、大まかな展開はオーソドックスな悪役令嬢転生もの。
そこから本作では、セシルの命を狙う「隠しキャラ」の正体探しというミステリ的な要素を交えつつ、やたら存在する他の転生者たちに振り回されるセシルのスリリングな学園生活が描かれていきます。

 

いや、本当に多かったな転生者。
日本の乙女ゲームだから日本からの転生者が多いのは当然なのか?そもそもなんで乙女ゲームの世界に転生してるんだ??という根本的な疑問を久しぶりに思い出しました。あまり深く考えてはいけない。

グレイ先輩の転生者発覚はまぁそういうものかなって流したんだけど、ゲームヒロイン・レイラの正体は面白すぎて笑ってしまいました。

乙女ゲームのこと全然知らんのに乙女ゲームの主人公に転生した男子小学生って・・・・!
しかも中身が完全にエロオヤジじゃん!精神年齢も性別も迷子!

レイラがこんなキャラなら彼女に病むほど恋するなんて無理だろうし、じゃあゲームが破綻してフラグ撲滅できるのでは?とも思ったけれど、そんなに甘くはないんです。
どこの世界にも血迷った人というのは、いるんだよ・・・・・・

 

そんなふざけたヒロインと、ふざけたヒロインに血迷った人のせいで、散々な目にあってしまうのが悪役令嬢セシル。
セクハラ被害者なのにこんな目にあうとかひどくない??
笑い事じゃないんだけど、原因がレイラにあると思うと笑えてしまうんですが。だってレイラだよ?
どうぞお好きに持っていけ!って思うじゃん。

 

でも不憫度数でいえばオズウェルもなかなか。
オズウェル、いい感じの病みをみせてくれる愉しいヤンデレでした。
序盤に出てきた「血が苦手=ヤンデレ失格」という話、血が苦手な理由を考えれば闇が深い案件だったんですね。

そのオズウェルがセシルを手に掛けようとするシーンがとても好きです。
あのシーンは追い詰められたオズウェルの涙もいいんだけど、セシルの「皆泣いているの。優しいから」「私を殺そうとしてね、泣く人ばかり」というセリフがエモくて良い。人を狂わす魔性の女の色香を感じました。

 

まぁセシルが一番狂わせたのは、彼女の最愛の従者であるアシュレイなんですけど。
アシュレイ最高だったなー!めちゃくちゃ好きなタイプのヤンデレでした。
幼少期からセシルに執着して、拗らせて、ねじまがって成長していく様子が伝わってくるのが良い。
描写自体は短いんだけど、彼の人格形成にセシルががっつり組み込まれていくのが伝わるので個人的には大満足です。
学園入学後はセシルにつく悪い虫にイライラもやもやして病んでいくので、そこもまた楽しかった。
暴言率高めの慇懃無礼系従者っていうのも好きなんだよね。

 

セシルとアシュレイの関係も、仲良しな割に簡単に両思いにならないモダモダ感が焦れったくて楽しかったです。
セシルって鈍感系主人公なんだけど、アシュレイに対してだけは自覚的に見ないフリをしていたってことですよね。
負い目と怯えがあるからこそ、まっすぐ向き合わず、でも決して振りほどかない。
ずるいな。ずるい女ですよ。好きだなぁ。

 

あとセシルとアシュレイが両思いになったシーンのセリフが、二人の関係を象徴しているようでとても好きでした。
「生涯私にだけ執着して生きていくの」に返す言葉が、「貴女にだけ執着して死んでいきましょう」っていうやつ。
最高かよってなりました。真逆のこと言ってる。
死亡フラグに怯えて生きるために必死だったセシルと、セシルと一緒なら死んでもかまわないと思うアシュレイのスタンスの違いが浮き彫りになってる。
生きることも死ぬことも、二人が共にあるかぎりは同じことなのかもしれませんね。

 

いやぁ、本当に楽しかった!
コメディパートもヤンデレパートも大満足です。WEB版のアシュレイ視点後日談もすごく良かったです。
コミカライズも読んでみよう。

 

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「転生してヤンデレ攻略対象と主従関係になった結果 /喜多結弦」への2件のフィードバック

  1. アシュレイいいですよねアシュレイ!!
    相変わらずツボを抑えられた紹介に「そうそこ!そこがいいの!」と悶えました。やたら多い転生者問題も共感味が深い(笑)
    きっと悪役令嬢ものでもここまで転生者(とくにヒロイン)がカオスな作品はないと思っています。本筋は割とシリアスなのにレイラのせいで完全にギャグになってるんですよね!
    そして後日談も読んでいただけたみたいで嬉しいです!あれがめちゃくちゃ好きなので、書籍に何故収録されていない!と惜しんだ当時を思い出しました…(笑)

    1. ゆりさん、コメントありがとうございます。

      アシュレイ最高でした!!!
      病んだ人の病みっぷりがシリアスで最高なのに、レイラが全てのシリアスをぶち壊していきましたよね。だけどそれがまた良かった。めっちゃ楽しかったです~!

      転生者が日本人ばかり問題、ここまでたくさん日本からの転生者が登場すると考えざるをえないですよね。まぁ考えてはいけないのですが!

      Web版本当によかったです。たしかに書籍にいれたらボリュームやばいことになるでしょうけど、どうせ単行本なんだから入れてくれればよかったのに。すごく良いだけに惜しんじゃいますね…

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