塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い /猿渡かざみ



塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い (ガガガ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年12月刊。
んんん!こういうの好き!
初恋×初恋の両片思いラブコメとか大好き!!

とても初々しくて可愛くて甘酸っぱくて楽しい青春ラブコメでした。
好きな人を前にしては緊張で汗びっしょり、傍にいるのが嬉しくてジタバタ。
常にいっぱいいっぱいな恋心は、少しの動揺でぽろりと泣いてしまうほど。
そんな可愛いイキモノが×2です。かける2なんです(大事)
女の子も男の子も可愛い。あとついでにおじさんも可愛い。

☆あらすじ☆
胸焼け必至!両片想い男女の甘々ラブコメ!
「佐藤さんは高嶺の花で誰に対しても塩対応。でも、意外と隙だらけだって俺だけが知ってる。写真を撮るのが下手。そのくせドヤ顔しがち。そして、へにゃっと笑う顔がすごく可愛い」
「押尾君は誰に対しても優しい。でも、意外といじわるなところもあるって私だけが知ってる。SNSを使うのが上手。オシャレなカフェの店員さん。そして、悪戯っぽく笑う顔にすごくドキドキする」
――これは内緒だけど、俺(私)はそんな彼女(彼)のことが好きだ。
初々しくて、もどかしい二人の初恋の物語。
尊さ&糖度120%! 両片思いな甘々青春ラブコメ!

以下、ネタバレありの感想です。

 

初めて出会った日に、初めての恋に落ちた。
そんな初恋を密かに抱える高校生・押尾颯太
そんな初恋を密かに抱える高校生・佐藤こはる

これは、「塩対応の佐藤さん」と呼ばれるに至るほど極度なコミュ障の佐藤さんと、そんな彼女の素顔を知って「佐藤さんのミンスタグラマー化計画」に協力しようと決めた押尾くんの、両片思いな日常を描いた青春ラブコメです。

 

主人公視点とヒロイン視点を入れ替えながら話が進むタイプの物語なんだけど、これがもう甘い甘いドッッ甘い!

二人がどれだけ相手のことを好きで好きで仕方ないのか。
どれだけ相手が可愛く、または格好良く見えているのか。
そして、そんな相手に対して自分はいかにギリギリの精神状態にあるのか、が描かれるわけです。

で、視点が切り替わる度に、「そっくりそのまま返してやるぜ!」と言わんばかりに「相手」のシンクロ率100%な恋模様が描かれる。
なんとまぁ破壊力抜群な仕様ですこと・・・!

 

特に笑っちゃうのは、佐藤さん視点だと少女漫画に出てくるような「余裕たっぷりのキラキラ系イケメン」になってる押尾くん。
あれ、面白いのは佐藤さんの贔屓目だけでなく、押尾くん自身も少しキャラを作ってるところなんですよね。

「とっ、父さん・・・・・・!」
「なんだ颯太!」
「俺、変なこと言ってなかった・・・・・・!?キモくなかったか・・・・・・!?」
「大丈夫!イケメンみたいだった!すこぶるイケメンみたいだったぞ!」

この父子の会話、狂おしいほど好きです。
好きな子の前では見栄を張りたい男の子と、それを応援する筋肉の父が可愛すぎて可愛すぎて。
てか筋肉の父、本当に可愛い。筋肉名言はココロに刻みました。

 

一方の佐藤さんは、キャラ作りとかする余裕などなく、素のままパニック垂れ流し。
そこがまためちゃくちゃ可愛くて、思わず抱き締めたくなるようなヒロインでした。
スマホ握りしめて、押尾くんのことばかり考えて、感情が上にも下にも右にも左にも大変なことになってる佐藤さん。
ちょっと突いたら泣いちゃうんじゃないか?ってくらい、ぷるぷると震える姿が殺人的にキュート。
ラインのスタンプと同じように顔隠してるアレとか可愛すぎでしょうや!
極度の緊張に襲われながらも、好きな人との繋がりを求めて全力で頑張る。
その姿はクラクラするほど可憐で、本当に最高でした・・・・・・

 

あと、この作品の「初恋」の扱い方も好きだった。
「初恋はうまくいかないもの」「初恋ってそんなに価値のあることなのか」
そういう言葉がある一方で、押尾くんも佐藤さんも「人生で一度きりの初恋」をとても大事にしている。

恋は人生で何度もできるかもしれないけれど、初恋はたったの一度だけ。
だからこそ、その恋は特別なものだし、特別であってほしいと夢をみたくなる。

そんな特別な「初恋」を大事にする二人は、一緒にいる今この一瞬だって大事にしている。
その一瞬を形にするのが写真であり、その写真を誰かと共有するのがミンスタで。
ミンスタを通して「特別な瞬間」を切り取り、それをできるだけ綺麗に飾ろうとするのは、「特別な想い」を大事にする二人らしい恋の形なのかも。
そう思うと、なんだか心がぽかぽかしてきます。それは現代的で、とても素敵な恋だと思う。

 

まぁSNSの弊害は日々感じている身なので、お父さんの懸念も分かるんだけども。
でも「そんなに不思議なことですか」のセリフは良かった。その通りだ。
好きなもの、感動したもの、大切なものを誰かと共有したくなるのは、とても素朴な感情だと思うから。
承認欲求さえコントロールできればいいんですよ。
そして押尾くんと佐藤さんはお互いしか見えてないから、有象無象に承認される必要なんかないわけで。
なんだぁ、じゃあ何の問題もないね!笑

 

うん。とても面白かったです。
綺麗に終わっているけれど、シリーズ化するならぜひ読みたいです。

 

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