後宮妃の管理人 寵臣夫婦は試される /しきみ彰



後宮妃の管理人 ~寵臣夫婦は試される~ (富士見L文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2019年5月刊。
第1回富士見ノベル大賞審査員特別賞受賞作。
皇帝の命令により結婚することになった夫婦が、後宮の妃嬪たちの美容に気を配ったり、後宮内で起こるトラブルの処理に奔走する中華後宮物語です。
損得勘定に厳しい敏腕女商人と、貧乏くじを引きやすい廷臣の夫。
突如夫婦となった二人の距離が少しずつ近くなっていくなかで、互いへの信頼を高めていき、良いパートナーとなっていくところが楽しかったです。
あと、あらすじにもあるけど女装ヒーローものですね。いやぁ、旦那はもっと上司に怒っていいと思うよ!笑

☆あらすじ☆
後宮を守る相棒は、美しき(女装)夫――? 商家の娘、後宮の闇に挑む!
勅旨により急遽結婚と後宮仕えが決定した大手商家の娘・優蘭。お相手は年下の右丞相で美丈夫とくれば、嫁き遅れとしては申し訳なさしかない。しかし後宮で待ち受けていた美女が一言――「あなたの夫です」って!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

後宮に美容と健康に冠する知識を持つ者をいれ、妃嬪たちの身も心も美しく健やかにしたい。

という皇帝の意向により、なぜか結婚することになった商家の娘・優蘭と、右丞相・皓月
妃嬪の健康・美容の維持を目的とする「後宮妃の管理人」となった優蘭は、偉そうな皇帝の無茶振りにイライラしつつも、自分の利益を冷静に勘定し、務めを果たそうと励むのです。

 

商売人らしく損得勘定を常に気にかけ、後宮にあっても辣腕をふるう優蘭。
とても好きなタイプの主人公でした。脳内でひたすら皇帝に毒づいてるところも好き。
異国にまで手を伸ばして美容技術を収集する彼女の熱意の裏には、美を求める女性の悲劇を阻止したいという願いがあるのが良いんですよね。追い求める理想がとても優しい。
女性の不遇を知って夜中に床を叩き殴るシーンとかすごかったなぁ。あの悔しがり方、格好良いと思いました。人のために怒れる人だ。

 

そんな優蘭の夫となった皓月。
不憫というか、苦労性というか、なんかもう転職しない???とか少し思ってしまうというか。
丞相って大臣でしょ?そんな偉い立場のひとが女装で後宮に送り込まれるんですよ?
あなたの上司、大丈夫でしょうか。大丈夫じゃないんじゃないでしょうか。皇帝の性格から推察するに、6割くらい楽しんでいた気がするぞ??
皇帝の無茶振りにふわふわっと応えていく皓月、過去の女難エピソードもあいまって、どうにも不幸体質にしか思えないんですよね。よかったね。嫁はまともだよ。これくらい強い嫁のほうがバランスとれていいんだろうな。
まぁタダの優男をこんな曲者皇帝が重用するはずもなく、彼は彼で冷徹な顔も持っているというのが好きなポイントでした。ラストの淡々とした妃嬪整理の話とか、ギャップがすごくてゾワゾワした〜。

 

さて、この物語は、優蘭と皓月の寵臣夫婦が後宮内の問題に取り組んでいくというストーリーなわけです。
販路作りのために妃嬪に取り入ったり、商品をぱーっと売りさばいたり、妃嬪同士の仲を取り持ったり。
そして後宮の女の裏にある政治的な対立関係に振り回されてしまったり。
管理人・優蘭の後宮生活は一筋縄ではいかなかったけれど、その度に商人らしい機転と優蘭らしい優しさで問題をクリアしていくのがとても爽快で楽しかったです。

 

問題に立ち向かう一方で、優蘭と皓月の仲が少しずつ進展していくところも良かった。
無理やり決まった結婚なのに、互いに「うちの旦那」「わたしの妻」とか自然に考えるようになってるところにニヤニヤしちゃいます。

 

仲良しな寵臣夫婦は今後も皇帝の無茶振りに振り回されていくのでしょうが、どんな風にトラブルを乗り越えていくのか、読むのがとても楽しみです。

 

 

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