わるいこと、ぜんぶ。 /榊あおい



わるいこと、ぜんぶ。 (角川ビーンズ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2019年12月刊。
エブリスタ小説大賞2018別冊フレンド原作賞受賞作。
漫画原作用の作品で、漫画版の1巻も読みました。
秘密の恋をしている生徒会長と、彼女の秘密をしったチャラい後輩の青春恋愛もの。
インモラルな序盤にドキドキしながら読んだのだけど、読んでみたら真っ当な高校生のラブストーリーでした。
少し拍子抜けしたけれど、「悪い子ですね」という決め台詞と、それが意味する想いは良かったです。

☆あらすじ☆
ドキドキ必至! 腹黒後輩イケメンとの、ヒミツの契約ラブ!
「会長、悪い子ですね」
生徒会長の雛子にはヒミツがある。ある日、生徒会の後輩・知花に知られてしまった雛子は、彼とある契約をすることになり!?

以下、ネタバレありの感想です。

 

生徒会の顧問である矢野先生に恋をする生徒会長・伊吹雛子
婚約者がいながら生徒を相手にいかがわしいことを繰り返す矢野先生の本性を知りながらも、雛子は遠くからその行いをじっと見つめ続けていた―  という序盤の掴みが最高にインモラル。

 

好きになった人が淫行教師で、でも彼のことを好きでいる気持ちが消せなくって・・・・・・という、切なくも(正気を疑う)恋に身をやつす雛子。
しかし、後輩の知花宏之に秘密を知られたことで、彼女は口止めとして毎週水曜日だけ知花のものになるという約束をすることになるのです。

 

「いい子」と「悪い子」の使い方が面白い作品だと思いました。

大好きな先生が自分に向けて口にする「いい子」は、雛子自身は望まない窮屈な言葉。
一方で、取引をした知花が繰り返す「会長、悪い子ですね」という言葉は、そんな窮屈な世界から彼女を解き放つもの。

「いい子」として行き場のない秘密の恋に苦しむ雛子にとって、「悪い子」という言葉は救いだったんじゃないかな。
知花が「悪い子」と言って雛子に触れる度に、雛子自身が作り変えられていき、それは彼女の恋も変えていく。
あれだけ苛まれた恋だったのに、気づけば違う人のことばかり考えるようになっていて、なんだかそれは悪くない気分で。
恋心が新たな恋心に塗り替わっていく描写がとても良くて、そのスイッチこそが「悪い子」という言葉だったのかなって思うんです。
悪い子の恋のはじまりが、恋を終わらせるための契約関係だったというのも、なんだかそれっぽくて良い感じ。

 

ただ、まぁ個人的な好みでいえば、もう少し雛子には矢野先生への想いと知花くんへの想いの間で揺れてほしかった気もするんですよね。
冒頭の、じっと想い人の情事をのぞく雛子の姿が強烈だっただけに。
知花くんとの関係も、話が進むにつれて普通の青春恋愛ものっぽくなり、インモラルさは消え失せてしまいましたし。
ただ知花くん自身は健全なひとなので、これは仕方ないんだろうなぁ。

 

健全といえば、雛子の秘密に実は矢野先生も気づいていたっていうのが面白かったです。
あえて見せてたの?その性癖すごくない???
実質は「見る女と見せる男」という歪な関係だったのに、表向きは平然と「生徒会長と顧問教師」として接していたわけで、それはそれでエモいな〜〜〜ってなりました(気の迷い)

 

とはいえ淫行教師撃退エンドは非常にスッキリ。
「25歳のおっさんが」で少しズキッときたけど、手当り次第JKに手を出す教師なんておっさんで十分ですね。

わるいこと、ぜんぶ。 (角川ビーンズ文庫)

わるいこと、ぜんぶ。 (角川ビーンズ文庫)

榊 あおい
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発売日: 2019/12/01
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