女王の化粧師 /千花鶏


女王の化粧師 (ビーズログ文庫)
女王の化粧師 (ビーズログ文庫)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年3月刊。
女王を巡る選挙戦から始まり、やがて周辺諸国を巻き込む権謀術数を描いていく歴史ロマンあふれるファンタジー。
書籍版1巻では花街の化粧師がとある貴族に仕える男に能力を見込まれ、主君たる女王候補に出会うまでが描かれています。
この書籍版、先の展開を知らずとも伝わってくる、思いきりプロローグな内容なんですよね。
個人的に最も気になる部分すら明かされなかったので、我慢できずにWEB版で続きを読みました。

で、読んでみたらとても面白かった!

書籍版1巻の範囲だけでは評価に困るのだけど、WEB版を全部読んだ今はかなり推したい作品です。
WEB版では完結が見えてきている様子。ホントもう超気になるところで生殺し・・・!

☆あらすじ☆
あなたの化粧には力がある――。時代に翻弄された女王候補と化粧師の物語!
五人の候補者が次期女王の座を競う小国デルリゲイリア。
ある日、花街の化粧師であるダイの下に、女王候補の遣いと称する男ヒースが現れる。
ダイの腕を見込んだ男は、専属の職人にとダイを誘うが、主となる娘は“最も玉座から遠い”と言われていて!?
「わたしにできることはただひとつ。あなたを、あなたが望むように美しくするだけ」
WEBで大反響! グランドロマン開幕!!

以下、書籍版1巻およびWEB掲載分のネタバレを含む感想です。ご注意下さい。

 

花街の化粧師ダイ、ダイを見初めた謎の男ヒース、ヒースが仕える女王選候補者マリアージュ

書籍版1巻ではこの3人の出会い、ダイがマリアージュの化粧師として歩き出したところまでが描かれているわけですが、もうね、あまりにもプロローグすぎる。

そもそも引っかかる感じで描写されているダイの性別問題からして、1巻範囲では宙に浮いたままなんですよね。
個人的には恋愛パートを楽しむ上で主人公の性別は結構大事だったりするので・・・・・・もう気になって気になって。
どう見てもヒースの存在感がデカいのだけど、もしやマリアージュとダイの主従ラブの可能性も無きにしも非ず?とか思ってしまった。

 

そういう困惑があったので、書籍版1巻を読んですぐにWEB版に手を付けたんです。
ダイの性別に関しては1巻範囲でも匂わされてると言えばそうなんだけど、私は早くハッキリさせたかったのだ。

 

で、WEB版を読んでみて衝撃を受けた。
この性別隠し、単なる叙述トリック以上に物語の展開上重要な伏線になってたんだ・・・!と。

 

性別の話もそうなんだけど、この物語、随所に置かれた伏線・設定の数々と、それを効果的に回収していくストーリー展開が本当に凄かった。
パズルみたいにカチカチ嵌まっていくんです。あれはそういう意味だったのか!っていうアハ体験の連続。

 

女王選のあとは貴族間・国家間の政治闘争を描きつつ、聖女伝説や世界の謎に迫るヒストリカルロマンへと発展していく本作。
どんどん話が壮大になっていくのに対し、それらを紐解くヒントは序盤からちゃんと用意されているんですよ。やばい。
途中の「ん?何かおかしくない?」という疑問が終盤で漏れなく回収・消化されるのでめちゃめちゃスッキリしました。どれだけ緻密に話を作ってるんだろう・・・!

 

最初は「このシステムで国を運営していくとか大丈夫か・・・」とか思ってたのになぁ。
そういう引っかかりを心に残しておいて良いというか、違和感を覚えた部分はちゃんと頭にメモしておきましょうという感じ。

 

政治の素人だった主従が失敗を重ねながら経験を積み、二人三脚で少しずつ成長していくストーリーも楽しかったです。
マリアージュさま、初見ではワガママお嬢様すぎて苦手だったんだけど最終的に一番好きなキャラクターになってました。
彼女とダイの絆が本作で一番エモいのではないか???

 

とは言え、元々のお目当てだった恋愛パートも期待以上。
自覚してすぐ押し殺すしかなかった初恋と、運命を捧げた女王に対する忠誠心。
その間で磨り減るように、あるいは波立つように揺れる感情の動きが、とてもとても良いものでした。
忘れたくても忘れられない感じがね・・・・・・普段は理性的に隠してきたものが土壇場になって剥き出しになるのが堪らなくエモい。
やばいやばいやばいそれは見つかったら終わるやつ!!!!とハラハラしつつ、怒濤のラブロマンスに目が離せませんでした。

 

転生してワンチャン目指すしかなくない?ってくらい恋愛事情は悲惨なんだけど、ウェブページのタグにはハッピーエンドと書いてあるから信じて結末を待ちたいです。
WEB版の更新も楽しみだけど、書籍版も続いてくれるなら嬉しいな(起屋さんのイラスト、めちゃめちゃ合ってるし)

女王の化粧師 (ビーズログ文庫)

女王の化粧師 (ビーズログ文庫)

千 花鶏
693円(09/17 23:12時点)
発売日: 2019/03/15
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