公爵令嬢ティアレシアの復讐 〜悪魔の力、お借りします〜 /奏舞音



公爵令嬢ティアレシアの復讐 ~悪魔の力、お借りします~【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)【BOOK☆WALKER】

評価:★★★☆☆
2019年11月刊。
第1回ビーズログ小説大賞「優秀賞」受賞作。
姉によって処刑された元女王が、悪魔に魂を売って復讐を目論む転生ファンタジー。
1巻が女の子ピン表紙って女性向けレーベルでは割と珍しいような?なんか少女漫画のカバーっぽくて新鮮です。
復讐を敢行する少女と彼女に執着する悪魔のバディもの、でもあるのかな。
色々と設定は美味しかったし、内容は1冊で綺麗に終わっているのだけど、細部が私の琴線に触れるほどではなく、ううむ、、、

☆あらすじ☆
無実の罪で処刑!? それなら転生いたします!
異母姉に嵌められ、十六という若さで処刑された女王クリスティアン。
それから十六年の月日が経ち、女王生誕祭に思いを馳せる少女が一人。
公爵令嬢ティアレシアだ。
彼女の従僕は囁く――「俺はいつまでお守りをさせられるんだ?」
そう彼女こそ、この美しき悪魔と取引をし、転生した元女王だった!
今ここに、転生令嬢と悪魔による復讐の幕が上がる!

以下、ネタバレありの感想です。

 

女王クリスティアンは在位4日で国王暗殺の反逆罪に問われ、異母姉シュリーロッドによって処刑された。
死の間際に復讐を誓ったクリスティアンの魂に目をつけたのは悪魔ルディ
文字通り悪魔に魂を売ることでクリスティアンは公爵令嬢ティアレシアとして転生を果たし、姉への復讐を遂げようと歩み始めるのです。

 

16年前の裏切りの真実を探りつつ、シュリーロッドへの復讐の準備を粛々と進めていくティアレシア。
前世からの怒りを今なお燃やしながらも、今の優しい家族を巻き込んでいいのかと迷い、そして様々な真実に触れては心を揺らす繊細な少女でした。

悪魔を引き寄せるほどの復讐心があるとはいえ、彼女自身は非情になりきれない性格であるためか、割とマイルドな話だった気がします。
WEB版では残酷描写や流血があるらしいので、レーベルカラーにあわせてマイルドにしたのかな?
シュリーロッドによる嫁いびり新人いびりみたいな嫌がらせをコツコツ打ち返しているイメージも強いし、ティアレシア本人のやり方に姑息なところも卑怯なところもないので、復讐というより真っ当に王座奪還を果たす話だったような?(ティアレシア自身が王座に戻るわけではないけれど)
個人的には、「悪魔と共に為す復讐劇」を売りにするのであれば、もう少し展開に苛烈さがほしかったように感じました。

 

ティアレシアの復讐準備が進む一方で、彼女を見守りながら心を揺らすのは従者兼悪魔のルディ。
「愛を持たないはずの悪魔の恋」っていう設定は美味しかったのだけど、うーん、そもそもルディ自身に人外感をあまり感じなかったんですよね。
何かと便利で色っぽい魔力ネタはさておき、彼の内面が普通に恋に悩む青年にしか見えないというか。
具体的にどのへんがタブーなのかも分からず、この「恋に悩める悪魔」のくだりは結局何を書きたかったのか、私には良くわかりませんでした。着地もふわっとしてる気がした。

反対に、電子版の特典SSで描かれているティアレシア不在時のルディが結構良かったと思います。
お嬢様への世話焼きっぷりの中に執着心が混ざる感じが楽しい。人外恋愛というより主従ラブ的な面白さがありました。
こういうエピソードは本編でもっと見たかったなぁ。

 

ルディの扱いに迷走を感じる一方で、ネクロフィリアと化したセドリック王子のキャラクターはなかなか強烈で目を引きました。
こっちの方が話の通じない感じがあって悪魔より悪魔っぽくて好きかも。
紛うことなきヤンデレですが、これは本当にダメなヤンデレですね(そういうの嫌いじゃない)
姉への復讐は割とハピエン仕様でしたが、セドリック王子に関しては結構きちんと復讐を果たしたのではないかと。
大事にしていた屍を消したし、ティアレシアはドン引きだし、更にティアレシアの傍にはルディがいるし、と。
踏んだり蹴ったりヤンデレ王子の顛末は楽しかったです。

 

見事復讐を果たし、綺麗に話が終わっているけれど、シリーズ化するのかな?
もし続くならルディがあっさり「恋」を認めないといいなぁ、とか思ったり。

 

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