エリスの聖杯 /常磐くじら



エリスの聖杯 (GAノベル)【Amazon】【BOOK☆WALKER】

評価:★★★★☆
2019年11月刊。
発売前から熱い推薦を度々目にした、人気WEB小説の書籍化作品。

権謀術数が渦をまき、相手がミスをし罠にハマるのをニヤニヤと眺める享楽的な貴族の世界。
そんな魑魅魍魎だらけの貴族社会に挑む、年若き二人の令嬢の物語です。

10年前に処刑された公爵令嬢の亡霊と、彼女を見つけた地味な子爵令嬢。
成り行きでバディを組むことになった二人は、果たして10年前の真実を見つけることができるのか。

どこもかしこも謎だらけのストーリーで、物語への吸引力が抜群に強い作品だと思います。
いや本当に吸い込まれるように読んでしまいました。
ギリギリの綱渡りを繰り広げる主役二人の冒険には胸が高鳴るばかり。とても面白かったです。
これは続きも期待できそう。楽しみです。

☆あらすじ☆
悪役令嬢の亡霊が、地味令嬢な私の相棒!?
陰謀渦巻く貴族社会で二人の逆襲が始まる!
「いいこと、コンスタンス・グレイル。お前のこれからの人生をかけて、わたくしの復讐を成功させなさい!」
誠実だけが取り柄の地味な子爵令嬢コニーは、とある夜会で婚約者を奪われ、窃盗の罪まで着せられる絶対絶命の窮地に陥っていた。
しかしそんな彼女の元に、10年前に処刑された希代の悪女、スカーレット・カスティエルの亡霊が現れる!
かつてその類稀なる美貌と、由緒正しき血統と、圧倒的なカリスマでもって社交界の至宝と謳われたスカーレットは、コニーに憑依するや瞬く間に形勢を逆転し、危機を救う。だが、その代償としてコニーが要求されたのは、スカーレットの復讐に協力することだった!?
利害関係から始まった二人のコンビは、貴族社会に潜む悪意や陰謀を蹴散らすうちに大切な絆で結ばれた真の相棒へと成長し、やがて過去から続く巨大な陰謀と対峙していく……!

以下、ネタバレありの感想です。

 

10年前、ライバル令嬢の毒殺を企てた罪により処刑された公爵令嬢スカーレット・カスティエル
亡霊としてさまようスカーレットの存在に気づいた子爵令嬢コンスタンス・グレイル(コニー)は、彼女に窮地を助けられたことから、冤罪を着せたものへの復讐を目論むスカーレットと行動を共にすることになるーー

10年前、スカーレットの冤罪はなぜ起こったのか。
絶大な権力をもつ公爵家のスカーレットを嵌めることができたのは誰なのか。

真相を探り始めたコニーは、否応なしに、貴族社会にはびこる闇へ近づいていくのです。

 

令嬢コンビが様々な場所に変装して潜り込み、窮地を渡り歩いて真実を探る宮廷サスペンス。
この1巻の時点では謎しか残らず、全貌も掴めていないのだけど、それでもめちゃめちゃ面白かったです。

この作品、構成が絶妙に上手いと思うんですよね。

ガツンと殴られるような、インパクトのある重要情報の出し方だったり、
「えっ!そんなところで切るな!!」と叫びたくなるような章終わりの引きの強さだったり。

とにかく先が気になって堪らなくなるんです。この後何が起こるの!?次は何が待ってるの!?って。
こういう感覚はアレだ、海外ドラマを観てる感じに近いかも。ジェットコースター的な緊張感と高揚感がありました。

 

そんな吸引力の高い物語を牽引する2人はそれぞれが魅力的なヒロインでした。
優れた記憶力をもつツンデレ悪女系美人と、平凡で素直だけど芯が強い女の子。
正反対だからこそ補い合えるバディっていいですよね〜
口が達者なスカーレットが悪知恵で窮地を切り抜ける場面もあれば、コニーの無欲な優しさが巡り巡って身を助ける場面もある。
どちらが欠けても成り立たない冒険なのだと思います。まさに一蓮托生の運命共同体。
だんだんスカーレットがデレて、コニーも彼女に慣れていき、窮地を乗り越える度にバディの絆が強まるのを感じるところも素敵でした。

 

精神的にも互いに支え合い、癒やし合っているのがまた良い感じ。
スカーレットの無茶振りにコニーが必死に付いていくだけの関係なのかと思いきや、スカーレットのセリフをリフレインし、あれがどれだけ救いだったのかを後から描く展開がとてもエモい。

救われたかった少女と、彼女を救った少女。

そしてこれが両方に当てはまる関係なのだとわかると、何ともくすぐったい感動を覚えました。

 

さて、薬物だの人身売買だの王位継承争いだの物騒なワードが飛び交う上に、誰も彼も怪しさがカンストしている貴族社会。
あの手この手で探りをいれるスカーレットとコニーは、果たして無事に真相へと辿り着くことができるのでしょうか。
このコンビ、あまり手段を選ばないからハラハラするんだよなぁ。
でも変装して潜入してまた変装して・・・という感じがスパイものっぽい楽しさもあって、そこもまた好きなんですけどね!

 

コニーの秘密を知り、偽装婚約を提案したランドルフについても気になるところ。
腹に一物あるタイプじゃないとは思うものの、独身主義とか自殺した妻のこととか、抱えているものに闇を感じる。この人、妻の死に対して思うところはないのか?あるよね??
ロマンスもあるよ〜と聞いていたのは、この人のことっぽいけれど(もしや違う?)

 

さてさて、どうなるのでしょうか。続きも楽しみです。

 

余談。
すごく気になったのだけど、登場人物紹介がめっちゃ多いですね。扉絵扱いだった。
経過説明とあらすじを兼ねて変化していく紹介文にじわじわきました。コニーがスカーレットを呼び捨てにした直後のスカーレットの紹介文が好き。
ていうかスカーレットの「ばかコニー」とか「コニーのくせに生意気よ」ってセリフにだんだん愛を感じるようになるのが好き。

エリスの聖杯 (GAノベル)

エリスの聖杯 (GAノベル)

常磐くじら
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